35 / 173
第35話 ハーニャ戦
しおりを挟む
次はハーニャの出番だ。
相手はエルフの男。
フンッ!と一瞥したのみで、眼中にない感じだ。
自信満々でもしも何か言ったのならば、相手が悪かったな!優勝するのは俺様さ!といった所だろうか。
それもありハーニャの機嫌が悪い。
後でなだめてやらなきゃな。
むすっとしており相手を見ない。
メイヤ、タニス、ハーニャの3人の中で1番怖いのはこのハーニャだ。
タニスはこの体格に似合わずツンデレさんだし、メイヤはイエスマンだ。
この薄幸美人の冷ややかな視線が1番怖かったりする。
眼力で人を殺せられるのじゃないか?と思うほどだ。
でもものすごく優しい子なんだよ!
弓矢を持った8人がずらりと並んでおり、司会の掛け声と共に1射目を行い、ハーニャと対戦相手はちゃんと当った。
・
・
・
2射目以降が行われ他は決着したが、ハーニャのところだけはまだだった。
今は10射目が終わり、お互い引く事はない。
会場にざわめきが起こる。
はっきり言って的に当たるようには見えないのがハーニャの見た目だ。
しかし、優勝候補筆頭のエルフと互角だ。
相手の表情は真剣そのものだ。
最早なめても良い相手ではないと理解したのだろう。
「生意気な!ソロソロ諦め給え!」
ハーニャは冷たい目を向けるだけだ。
「雑魚」
1言言ったのみで、エルフの白い顔が赤くなる・・・青臭いな。
ハーニャとの舌戦に負けたようだ。
まあ、この時点で勝敗は決したと言っても良いだろう。
しかし、11射目は判定できなかった。
何せ2人共中心に当たったからだ。
的の精度が良くないのでミリ単位の計測が出来ないので、明らかに差が付くまで行う。
しかし司会の反応は俺の予想とは違った。
「何と両者譲らない!では距離を増やしましょう!両者後ろに下がって!3射練習をした後に始めるよお!」
これまでに射た事のない距離だ。
相手はほぼ中心に当たるも、ハーニャは1射目は上を掠め、2射目は中心線のやや外。
俺の方を向くハーニャに俺はニコリと頷く。
スキルを使って良いかとの確認のはずだが、各々の判断で使うように言ってあったんだけどな。
3射目は多分狙い通りに少し上目に当たり、一瞬ニコッとしたな。
対戦相手はまだかまだかと待ち遠しくしている。
「お待たせしました。これより再開しまあす!それでは!開始ぃ!」
ハーニャの目の色が一瞬変わったが、それはスキルを使ったからだ。
ヒューン・・・パシュっ!
見事に両者共的の中心付近に当った。
流石に十字線の交差部分には無理だろうと誰しも思っただろう。
中心から約直径20cm間隔で的の大きさは60Cm四方だ。
結果は一方の矢は中心線のやや内側だった。
もう一方は中心線の線上だった。
つまり中心線の内側の者が勝ちだ。
遠目では中々分からないし、俺も距離があり判別がつかない。
だが、矢を放った者がまず自分の的を確認し、その後相手の的を確認する。
審判も同じ事をするが、どちらが勝ったか審判の声を聞くまでもなかった。
エルフが震えながら膝を付き、更に手を前に付いたからだ。
そう、ハーニャの方が的に近かったんだ。
「ば、馬鹿な!里でも期待の星と有望視された弓豪の私がこんな小娘に負けただなんて!くそう!」
「弓豪如きで弓聖に勝てる訳がないでしょう。修行をやり直しなさい」
余程腹に据えかねていたのか、普段温厚な彼女が毒づいた。
「勝者、氷艶の魔眼所属ハーニャ!」
勝利宣言の後お辞儀をしたハーニャが俺の方に来た。
「うふふ。私の弓はどうでした?」
「流石だね!いくらスキルがあるからとは言え、この短期間でよくここまでになれたね!」
俺がハーニャの頭を撫でると、彼女は嬉しそうにしていた。
次はメイス部門で、その次はいよいよタニスだ。
相手はエルフの男。
フンッ!と一瞥したのみで、眼中にない感じだ。
自信満々でもしも何か言ったのならば、相手が悪かったな!優勝するのは俺様さ!といった所だろうか。
それもありハーニャの機嫌が悪い。
後でなだめてやらなきゃな。
むすっとしており相手を見ない。
メイヤ、タニス、ハーニャの3人の中で1番怖いのはこのハーニャだ。
タニスはこの体格に似合わずツンデレさんだし、メイヤはイエスマンだ。
この薄幸美人の冷ややかな視線が1番怖かったりする。
眼力で人を殺せられるのじゃないか?と思うほどだ。
でもものすごく優しい子なんだよ!
弓矢を持った8人がずらりと並んでおり、司会の掛け声と共に1射目を行い、ハーニャと対戦相手はちゃんと当った。
・
・
・
2射目以降が行われ他は決着したが、ハーニャのところだけはまだだった。
今は10射目が終わり、お互い引く事はない。
会場にざわめきが起こる。
はっきり言って的に当たるようには見えないのがハーニャの見た目だ。
しかし、優勝候補筆頭のエルフと互角だ。
相手の表情は真剣そのものだ。
最早なめても良い相手ではないと理解したのだろう。
「生意気な!ソロソロ諦め給え!」
ハーニャは冷たい目を向けるだけだ。
「雑魚」
1言言ったのみで、エルフの白い顔が赤くなる・・・青臭いな。
ハーニャとの舌戦に負けたようだ。
まあ、この時点で勝敗は決したと言っても良いだろう。
しかし、11射目は判定できなかった。
何せ2人共中心に当たったからだ。
的の精度が良くないのでミリ単位の計測が出来ないので、明らかに差が付くまで行う。
しかし司会の反応は俺の予想とは違った。
「何と両者譲らない!では距離を増やしましょう!両者後ろに下がって!3射練習をした後に始めるよお!」
これまでに射た事のない距離だ。
相手はほぼ中心に当たるも、ハーニャは1射目は上を掠め、2射目は中心線のやや外。
俺の方を向くハーニャに俺はニコリと頷く。
スキルを使って良いかとの確認のはずだが、各々の判断で使うように言ってあったんだけどな。
3射目は多分狙い通りに少し上目に当たり、一瞬ニコッとしたな。
対戦相手はまだかまだかと待ち遠しくしている。
「お待たせしました。これより再開しまあす!それでは!開始ぃ!」
ハーニャの目の色が一瞬変わったが、それはスキルを使ったからだ。
ヒューン・・・パシュっ!
見事に両者共的の中心付近に当った。
流石に十字線の交差部分には無理だろうと誰しも思っただろう。
中心から約直径20cm間隔で的の大きさは60Cm四方だ。
結果は一方の矢は中心線のやや内側だった。
もう一方は中心線の線上だった。
つまり中心線の内側の者が勝ちだ。
遠目では中々分からないし、俺も距離があり判別がつかない。
だが、矢を放った者がまず自分の的を確認し、その後相手の的を確認する。
審判も同じ事をするが、どちらが勝ったか審判の声を聞くまでもなかった。
エルフが震えながら膝を付き、更に手を前に付いたからだ。
そう、ハーニャの方が的に近かったんだ。
「ば、馬鹿な!里でも期待の星と有望視された弓豪の私がこんな小娘に負けただなんて!くそう!」
「弓豪如きで弓聖に勝てる訳がないでしょう。修行をやり直しなさい」
余程腹に据えかねていたのか、普段温厚な彼女が毒づいた。
「勝者、氷艶の魔眼所属ハーニャ!」
勝利宣言の後お辞儀をしたハーニャが俺の方に来た。
「うふふ。私の弓はどうでした?」
「流石だね!いくらスキルがあるからとは言え、この短期間でよくここまでになれたね!」
俺がハーニャの頭を撫でると、彼女は嬉しそうにしていた。
次はメイス部門で、その次はいよいよタニスだ。
32
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる