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第20話 アルカン王国へ
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太陽の高さから、今は15時頃だろうか。
街道に出てから約1時間で町が見えて来た。
「よし、あれが目的の町だ。一旦冒険者ギルドに行き、これまで倒した魔物の素材を換金したりするよ」
これはカモフラージュの一環だ。
また、隣の国に移るのに態々ここに来た理由も必要だからだ。
実はこの町は2つの国と国境が隣接しており、父が予測し難い行動を取る。
更に先にある国が目的地であり、その国への最短距離になる。
町に出入りする前にハーニャと服を変えた。
茂みに入りお互い下着姿になり先程まで着ていた服に変え、俺はウィッグを着けて変装だ。
名前もハーニャとライを入れ替えたりと、決して手を抜いてはいけない。
だが、まだ父からの追手は間に合っておらず、通常の門番しかいなかった。
ほっ!
そのままギルドに向かい、ギルドで出国手続きをした。
行きたいのは武道に秀でたアルカン王国。
腕に自信のある者が闘技場で名を馳せに行く。
勿論それを観に行く観光客もそれなりにおり、僕達はギフトを得て見聞を広げたく闘技大会へ行くとしていた。
今から行けば丁度闘技場は今年ギフトを得た者のみ参加できる新人戦に間に合う。
手続きに関しては別段目の前で1人1人のライブラリーカードを出し、直接確認する事もない。
目の前で体から出したカードを集め、最後の1人が提出すればどれが誰のか分からないが、間違いなく今体から出したカードだと分かる。
複数の国境に隣接した特殊な町で、各々の国の町が隣接している。
国境警備隊の詰所にて出国証明を提出し、確認の後に特に問題が無ければ隣国へ入国する事が出来る。
約30分で俺達の番が来て、書類に必要事項を記入し、通行税を払い出入国の手続きを終え、無事にバリラン王国からルランド公国へ入国を果たした。
当面の目的であるルランド公国へ入国した。
入国手続きは至って簡単だった。ライブラリーカードを渡すのみで、出国出来ていれば特に何もない。
なのでライブラリーカードを本来の名前に戻す事にした。
元々出国さえ出来れば良かったので、予定通りだ。
面倒だが10日もそうやって別の名前を使ったのはボロが出ない為でもあったが、結果だけを見れば杞憂に終わった。
しかし、今後何処でこの偽の身分が役に立つか分からない。
僕は自身の記憶としては無いが、この体を産んでくれた母親に貰った【セルカッツ】という名を大事にしたいんだ。
流石に他国の国境にて面通しは出来ないから、いくら侯爵とは言え力の及ぶのは国内だけだろう。
早速ライブラリーカードを出し、代わりに本来のカードを体内に戻す。
あの女神の言っていた事には正直あまり興味がない。
他の転生者が何とかするだろう。
あのゲームはどうやら転生後の器が辿るifの世界を体験させる為の仕組みだったようだ。
ただ、同じ時系列の中に送り込まれているから、まあ、あの裏技が失敗していたとしても誰かが何とかするだろう。
中2病罹患者が俺THUEEEをするのに躍起になり、無双しようとする者もいると思う。
俺の出番が無い事を祈ろう。
半年もすればレベルが180になっているから、どう足掻いてもキルカッツでは俺に勝てなくなる。
それまで勉学に勤しみたい。
まあ、フラグ臭がする事を考えていたけど、まずはアルカン王国へ行かないとだ。
プランBを使わずに済みホッとした。
取り敢えずルランド公国への入国手続きをするのに順番を待たなければだ。
国境には勿論トイレもあり、そこで本来の姿に戻った。
「よし、ライブラリーカードも戻したからこれからは僕はセル、君達もメイヤ、タニス、ハーニャだからね」
俺がホッとしたのはルランド公国の国境の町を出た時だった。
町の住人であれば3国の町内での出入りは自由だが、他国の町の外には出られない。
だから先ずはこの町を出て、距離を取りたいんだ。
町を出て街道を約5分歩き、誰も見ていないのを3人が確認すると俺を脇に連れて行き、泣きながら抱きついてきた。
順に3人の背中を擦るしかなく、他の通行人の気配がすると泣き止んだ。
本来だと馬車を手配したかったが、まだダイランド侯爵家の手の者が手出しができる場所だったから、町の外へ出る事を優先せざるを得なく、隣町まで歩く事にした。
頑張れば夕方には辿り着くだろう。
そこからの足取りは軽かった。
体力的にきついはずなのだが、気を張り詰めた水路等の逃避行から開放されたのもあり、順調に進んでいった。
その後夕焼けのオレンジ色に空が染められた頃、俺達は宿場町へと無事に到着した。
街道に出てから約1時間で町が見えて来た。
「よし、あれが目的の町だ。一旦冒険者ギルドに行き、これまで倒した魔物の素材を換金したりするよ」
これはカモフラージュの一環だ。
また、隣の国に移るのに態々ここに来た理由も必要だからだ。
実はこの町は2つの国と国境が隣接しており、父が予測し難い行動を取る。
更に先にある国が目的地であり、その国への最短距離になる。
町に出入りする前にハーニャと服を変えた。
茂みに入りお互い下着姿になり先程まで着ていた服に変え、俺はウィッグを着けて変装だ。
名前もハーニャとライを入れ替えたりと、決して手を抜いてはいけない。
だが、まだ父からの追手は間に合っておらず、通常の門番しかいなかった。
ほっ!
そのままギルドに向かい、ギルドで出国手続きをした。
行きたいのは武道に秀でたアルカン王国。
腕に自信のある者が闘技場で名を馳せに行く。
勿論それを観に行く観光客もそれなりにおり、僕達はギフトを得て見聞を広げたく闘技大会へ行くとしていた。
今から行けば丁度闘技場は今年ギフトを得た者のみ参加できる新人戦に間に合う。
手続きに関しては別段目の前で1人1人のライブラリーカードを出し、直接確認する事もない。
目の前で体から出したカードを集め、最後の1人が提出すればどれが誰のか分からないが、間違いなく今体から出したカードだと分かる。
複数の国境に隣接した特殊な町で、各々の国の町が隣接している。
国境警備隊の詰所にて出国証明を提出し、確認の後に特に問題が無ければ隣国へ入国する事が出来る。
約30分で俺達の番が来て、書類に必要事項を記入し、通行税を払い出入国の手続きを終え、無事にバリラン王国からルランド公国へ入国を果たした。
当面の目的であるルランド公国へ入国した。
入国手続きは至って簡単だった。ライブラリーカードを渡すのみで、出国出来ていれば特に何もない。
なのでライブラリーカードを本来の名前に戻す事にした。
元々出国さえ出来れば良かったので、予定通りだ。
面倒だが10日もそうやって別の名前を使ったのはボロが出ない為でもあったが、結果だけを見れば杞憂に終わった。
しかし、今後何処でこの偽の身分が役に立つか分からない。
僕は自身の記憶としては無いが、この体を産んでくれた母親に貰った【セルカッツ】という名を大事にしたいんだ。
流石に他国の国境にて面通しは出来ないから、いくら侯爵とは言え力の及ぶのは国内だけだろう。
早速ライブラリーカードを出し、代わりに本来のカードを体内に戻す。
あの女神の言っていた事には正直あまり興味がない。
他の転生者が何とかするだろう。
あのゲームはどうやら転生後の器が辿るifの世界を体験させる為の仕組みだったようだ。
ただ、同じ時系列の中に送り込まれているから、まあ、あの裏技が失敗していたとしても誰かが何とかするだろう。
中2病罹患者が俺THUEEEをするのに躍起になり、無双しようとする者もいると思う。
俺の出番が無い事を祈ろう。
半年もすればレベルが180になっているから、どう足掻いてもキルカッツでは俺に勝てなくなる。
それまで勉学に勤しみたい。
まあ、フラグ臭がする事を考えていたけど、まずはアルカン王国へ行かないとだ。
プランBを使わずに済みホッとした。
取り敢えずルランド公国への入国手続きをするのに順番を待たなければだ。
国境には勿論トイレもあり、そこで本来の姿に戻った。
「よし、ライブラリーカードも戻したからこれからは僕はセル、君達もメイヤ、タニス、ハーニャだからね」
俺がホッとしたのはルランド公国の国境の町を出た時だった。
町の住人であれば3国の町内での出入りは自由だが、他国の町の外には出られない。
だから先ずはこの町を出て、距離を取りたいんだ。
町を出て街道を約5分歩き、誰も見ていないのを3人が確認すると俺を脇に連れて行き、泣きながら抱きついてきた。
順に3人の背中を擦るしかなく、他の通行人の気配がすると泣き止んだ。
本来だと馬車を手配したかったが、まだダイランド侯爵家の手の者が手出しができる場所だったから、町の外へ出る事を優先せざるを得なく、隣町まで歩く事にした。
頑張れば夕方には辿り着くだろう。
そこからの足取りは軽かった。
体力的にきついはずなのだが、気を張り詰めた水路等の逃避行から開放されたのもあり、順調に進んでいった。
その後夕焼けのオレンジ色に空が染められた頃、俺達は宿場町へと無事に到着した。
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