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第12話 出立とステータス

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 数日が経過し 追放後10日目の朝を迎えていた。
 起床と共に日課のレベル上げだ。
 勿論スキル【レベルアップ】はレベル10になった。

 さてさてどうなるか。
 直ぐに3人娘のレベルアップをやりたいが、ここは我慢だ。
 日課になっているが、今は身支度を済ませた後の朝食タイムだ。
 そしてその後レベルを上げる。
 本当はもう1日ここで過ごしたかったが、閉所空間での生活も限界だった。
 何より食料事情が長居を許さない状況であり、これから拠点を引き払い強力な魔物が出る森に足を踏み入れざるを得なくなった。

 必要になる食料の計算を間違えた訳ではなく、傷んでしまい食べられなくなった食材が出た為だ。
 それを見越してはいたが、ハーニャとタニスが俺に助けを求めた時に買い出しに行ったものの、多少の余裕を残す程度が限界で、不測の事態が起こると破綻するのは必至になっていた。

 その食材に元々虫が混じっており、虫が増えて湧いていたからだ。
 それが分かったのが今日の朝だ。
 幸いな事は携帯食料は無事で、森を抜ける時に必要な分はあるはずだ。

 俺はいつものようにレベル上げをするが、【レベルアップ】はゲーム同様レベル10が打ち止めだった。
 つまり10個のレベルを毎日上げる事が出来る。
 今は一切のムダ打ちが出来ないのでゲームと同じ前提で実施している。

 最優先事項は俺と3人娘のレベルを上げる事だ。

 俺はレベル11になった。
 それとセカンドジョブが生えてきたのがありがたい。

 ゲーム中ではチート中のチートだったが、今はあまり役に立たない。

 そしてレベルが10になった時に得られたレベルアップボーナスは【ジョブチェンジ】だ。

 ジョブにもレベルがあり、上限は10で、10になると上級職にジョブチェンジ出来る。
 実際問題としてレベルが10になった時に俺の選択可能なジョブは複数現れた。
 これもゲームと同じで、地下に籠もる事にした理由でもある。
 俺の剣術スキルは生えた時にはレベル10だった。
 しかも上級でだ。
 剣の模擬戦は騎士職以上からを除き12歳からずっと負けた事がなく神童とも言われていた。
 だからスキルが生えなかったのが不思議だった。
 また、護身術も仕込まれていた。
 なので格闘も10とカンストだ。
 この後格闘を極めるなら、打撃系と体術系に別れる。
 ボクシングや空手が打撃系、合気道や柔道が体術系に分類される。
 剣豪はレベル10だった・・・
 つまりカンストしていたんだ。
 しかも剣術の上位だ。

 そしてジョブの中に聖賢があったんだ!
 魔法をほぼ極められるジョブでバリバリの後衛職だ。
 闇だけが使えないが、これを見た時、俺の笑いが止まらなかった。

 しかも剣術もカンストしているとは、これまた笑うしかなかった。
 これは元々自力で得た技術がスキル化したのだろうが、純粋なスキルとして気配察知が生えた。

 聖賢が生えたのでタニスには闇魔法の使い手になる事をお願いしたが、2つ返事で了承された。
 彼女は両手剣、ショートソードでもなく、それの半分位のアーミーナイフのような短い剣を2本持つのがしっくり来ると言っていたので、近接戦闘は両手剣でやっていたらスキルが生えていたな。

 メイヤは今日、槍術の上位である槍豪が生えた。
 多分槍姫は槍術レベル10が内包されており、それが進化したのだと思う。
 また、縮地が増えた。
 これはスキルレベルが上がると1m距離が伸びる一種の転移スキルだ。

 ハーニャも弓術スキルが生えており、何とか魔物が住まう森を生き抜ける可能性が出て来た。
 俺の成長は恐らく上限があってないようなものだが、成長速度が緩やかだ。
 典型的な大器晩成型だが、それはセカンドジョブによる。
 セカンドジョブは強力だが、ゲームでは初期が辛い大器晩成型だった。
 また、特徴としてパーティーメンバーへバフを掛けるバッファーだ。
 それと狭い空間での戦闘訓練が近接戦闘だったからか、皆に近接戦闘のスキルが生えた。

 セルカッツ
 レベル 11
 ギフト 【光】 
 隠しギフト【女神の祝福】
 スキル 
【ライト】
【剣豪 10】
【気配察知 2】
【格闘術 10】
 隠しスキル
【レベルアップ 10】
【ジョブチェンジ】
 名前 ライ
 年齢 15歳
 職業 冒険者
 ジョブ 剣術マスター
 セカンドジョブ 聖賢

 メイヤ
 レベル 10
 ギフト 【槍姫】 
 スキル 
【身体能力向上 7】
【槍豪 2】
【縮地 1】
【格闘術 1】
 名前 シーナ
 年齢 14歳
 職業 初級冒険者
 ジョブ 槍使い


 タニス
 レベル 9
 ギフト 【草】 
 スキル
【鑑定 5】
【両手剣 2】
【格闘術 1】
 名前 リリア
 年齢 16歳
 職業 初級冒険者
 ジョブ 中級魔法使い
 

 ハーニャ
 レベル 8
 ギフト 【交渉者】 
 スキル
【真言 6】
【弓術 4】
【格闘術 1】
 名前 アリス
 年齢 14歳
 職業 初級冒険者
 ジョブ 弓使い

 レベルアップとスキルのレベルアップを終え、俺はこの場を放置して出発しようとしたが3人は違った。

「私達に10分ください!最後のお掃除をします」

「もうここには来ないと思うぞ。無駄じゃないか?」

「もしここを他の人が使うとしたら、掃除がしてある方が気持ち良いですよね。それに例えもう訪れる事がないとしても、この部屋のお陰で私達が快適に生きて来られたのですから、感謝を捧げたいのです」

「そんなものなのかい?」

「そのようなものですわ」

「分かったよ。ならば俺もお風呂位洗って行こう」

 そうしてひと通り掃除をし、最後に4人揃って礼をしてから隠れ家を後にしたのだった。
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