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第11話 追放2日目

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 朝ハーニャが布団から出るのが分かったが、俺は様子を見る事にした。

 既にメイヤとタニスは起きており、ハーニャは俺を起こさないようにそっと布団を抜け出したけど、まあ、既に起きていたんだけどね。

 3人は階段の所でひそひそ話をしていた。
 主にハーニャが添い寝について報告をしており、胸すら触ってこなかったと、最後までしないまでも胸くらいは揉んでくると思っていたと話している。

 メイヤはドヤ顔だった。

「セル様は紳士なの。私達をお求めになる時はそのようにちゃんと言ってくださり、しないと思いますが、もし拒否したら引き下がる御方です・・・」

 メイヤの俺の信頼が厚い。
 この信用を守りたい。

 俺はわざとらしく伸びをし起きたよ!アピールをする。

 俺は朝の挨拶をし風呂場で顔を洗う為に部屋を出た。
 部屋を出たと言っても入り口は布で間仕切りをしているだけだ。
 しかし、3人は既に身支度を済ませており部屋着に着替えていた。

「おはよう。ちゃんと寝られたかい?」

「おはようございます!セル様、お陰様でよく寝させて頂きました!」

「おはようございます。私もメイヤと仲良く寝れましたわ」

「あ、あのう・・・私は魅力がなかったでしょうか?」

「心配しなくても君達は美人で魅力的だよ!俺はこんな所で女を抱く気はないからな!」

 そんな会話を皮切りに朝の支度をする。
 布団を収納鞄にしまい、ベッドは2つのテーブルを使っていたが、寝るとき以外はテーブルとして使う。
 服などは洗って風呂場に干す感じだ。

 そして朝食を4人で食べるが、狭いので工夫をしなければならない。
 そんなテーブルも食事の後は脚を外し風呂場に置く。
 間仕切り壁代わりの収納棚自体はどうにもならないが、収納棚を壁際に寄せ、荷物もなるべく端に寄せて行く。

 戦闘訓練をするのだが、その前に俺はステータス画面を見てレベルを上げて行く。
 先ずはスキル【レベルアップ】をレベル3に。
 その後俺のレベルを3にし、メイヤをレベル2に。
 ハーニャとタニスのレベルアップは明日以降行う。
 問題があるとすれば他人に対してレベルアップを行う場合、額同士を当てて行うしかない事だ。
 ただ、これは俺のレベルアップが10になれば、体の何処かに触っていれば良いようになるから、期間限定の問題だ。

 その後戦闘訓練とした。
 ショートソードの使い方とコンバットナイフの扱い方だ。
 回数等を決め、交代交代で素振りをしたり軽く打ち合う。

 また、弓はショートボウを買ってあるので、階段に的を置き反対側から射掛ける感じで訓練する。
 今日の午前は体を動かし、午後から魔法を教える流れになった。

 しかし、翌日から午前は魔法、午後から体を動かす方に変える事になった。
 昼から眠気が強くなり欠伸が出ていたからだ。

 メイヤは元々少しは剣を扱えるようにしていたが、残念ながらハーニャとタニスは教えられておらず駄目だった。

 外に出るのは封印してある。
 外に出て草むらに敷物を敷き、そこで座り時折日光浴をする事も考えたが、発見されるリスクからそれらは避ける事にした。

 ゲームでは家の物を勝手に持ち出したとして追手が放たれ、他国に逃げ込む以外の選択肢がなかった。
 それは主人公1人だけならなんとかなったが、レベルが低いうえに女性を3人も連れていては捕まるのは必須だ。

 メイヤと2人だけであったとしても、ゲームだと1人ならばなんとかなる逃走ルートは断念せざるを得なかった。

 ではどうするのか?

 ゲームだとレベルが10になると上級職に転職する事が可能になり、基本的に転職すれば強力なスキルを得られる。

 俺は隣接する危険地域を突破し、本来14日掛かる所を12日で突破して逃げ切るつもりだ。

 危険地域の森は長細く広がり、森の先は隣国との境になる。

 ゲームでも森超えは何度か試したが、レベル10を超えればなんとかなった。

 本来はそこまでにレベルがなるのに6ヶ月から1年掛かる。
 強い魔物が出るとひとたまりもないので、魔物の出現エリアを調べたりもした。
 あくまでゲームの話で、俺の計画はゲームとこの世界が同じだという前提だった。

 風呂場やトイレスペースを含め10畳程のスペースで男女4人が寝起きする。
 小さな1人用のワンルームマンション程の面積に4人はきつい。
 しかもそこで戦闘訓練も行うので余分な荷物は極力持たないようにしていた。
 直ぐに使わない物は収納カバンに入れてある。

 皆に初歩の魔法も教えないとだ。
 俺はゲーム知識もあるが、独学で覚えてきた。
 使った事が有るのは初級のみだ。
 中級以上は使った事がバレるから使えなかった。

 戦闘訓練は間仕切り棚を居室スペースの壁よりに寄せ、できる限り広い空間を作って行っていた。
 1人に教えている間は、残りの2人で魔導書を読んで貰う。
 
 少しでも生存率を上げたいからで、やらないよりマシだ。
 そうやって波乱の追放2日目を過ごすのだった。
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