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第3話 メイヤを与えられる

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 7歳の時に幼年学校に入った。
 貴族は幼年学校へ通うのは必須で、この町の幼年学校で俺は必然的にカーストのトップだった。

 領主の息子だからだ。
 学校はかなり暇だった。
 日本の大学を出た者からするとおまま事で、授業の殆どを寝て過ごしていた。
 歴史とかは教科書を1度読むだけでちゃんと頭に入っている。

 剣術の訓練は俺に叶う奴はいなかった。

 5歳の時から騎士が剣術を指南しているのだから当たり前の事だ。
 それに引き換え弟のキルカッツはその他の者と大差ない。

 クラスは貴族と平民で別れ、徹底した選民教育をしていた。

 平民は貴族に仕え、男は初夜権の復活を法律で決めろとかを平然と言うような奴が多く辟易としていた。
 無礼を働いた平民は斬り殺されても文句を言えない!そんな腐った社会だ。

 俺は何度となく父親にそんな事は間違っている!と訴え掛けるもその度に殴られたり蹴られていた。

 だが、世間体があり俺はずっと嫡男のままだった。
 国王陛下にダイランド侯爵家の嫡男が息子達の事故死により俺になったと届け出をしているからだ。

 この世界は病んでいる・・・

 そんな思いを感じながら幼少期を過ごしていたが、12歳の誕生日に奴隷の少女をプレゼントされた。
 クソゲーと唸る原因となる少女だ。

 俺はこの少女に随分助けられる事になる。
 誕生日にいきなり奴隷商を呼び、キルカッツと共に3人の少女に引き合わされたが、皆同じ年との事だった。

 その中に幼き日のメイヤがいた。
 いきなり訳の分からぬまま見た目で良いから1人選べと言われ、俺、キルカッツの順で選んだ。
 選んだといえば聞こえは良いが、俺、キルカッツの前に並ばされた少女を各々選ぶしかなかった。

 キルカッツの前ではない所に並ばされた娘、つまり僕の前にいたメイヤがキルカッツ好みの外観だったようで口には出さなかったが、悔しがるも父親の手前黙って受け入れるしかなかった。
 とはいえこの時既に、将来美人になる片鱗が感じられる3人だった。

 俺とキルカッツに選ばれなかった娘は父の奴隷となる。
 と言うか各々の侍女になり、14歳の神託の儀の日をもって大人となるが、その日は目の前にいる奴隷である少女の純潔が散らされる日でもある。
 翌日理由もなく彼女達が生娘のままだったら父親に取り上げられ、父親の慰み者になるのだ。

 逆にこの日までに手を出せば恥となり、家を追い出されるし、父も手を出してしまったら社交界から締め出される。

 何せ神託の儀は童貞と処女以外はギフトを得られないからだ。
 神託の儀を受ける前の女と姦淫した男は、例え王族であろうとも王籍を抜かれた上で追放刑に処される。

 それ故、基本的に彼女達の純潔もそれまでは心配ない。
 逆を言えば、神託の儀を終えたら犯される運命が待ち構えている。
 それ程に神託の儀は大事にされ、得たギフト次第では国を救う宝にもなるからと、この国の最重要な法律の1つとされている。

 一般人の場合純潔を奪われた者は保護されるが、相手が14歳と分かった上で純潔を奪った、又は同意の上性交をした者は女は性奴隷として死ぬまで娼館勤め、男は宦官、つまり男の象徴を切り取られた上で鉱山奴隷として死ぬまで過す事になる。

 なのでその愚を犯す者は皆無と言っても良いが、その愚を犯す奴は少数ないながらもやはりいた。

 父に言われたのは筆おろし用の処女の奴隷で、神託の儀を終えたら性交渉の練習をしなさいと、それ用の奴隷で普段は従者として行動を共にするようにと言われたのだ。

 神託の儀を終えた後の年齢の奴隷は中々買えなく、どうしてもギフト次第になるからこの年齢で買い与えたそうだ。
 父が何故自身用に買ったのかは謎だった。
 女に困ってはいないから、ひょっとしたら政治的な駆け引きで相手に送る用で購入したのか?
 よく分からないし、とてもではないが聞けない。

 メイヤは俺と同じ位の身長、金髪で目がくりくりっとしている。
 勿論法律がそうなっていなくても奴隷の少女を犯そうとはしない。

 他の2人も表情は死んでいるが、父が買ってきただけあり顔面偏差値は高い。

 メイヤは最初俺を怖がっていた。
 そりゃあそうだろう。
 目の前で筆おろし用だと言われたのだ。
 12歳の男の子は性的に女性の体に興味がある。
 俺も女は好きだ。
 でも嫌がる女を抱いて気持ちよくなれる程の精神の持ち主ではない。

 処女の奴隷を与えるのは性病を警戒してだ。

 運が良ければ王族や公爵家の娘を迎え入れる事になるが、その時マナーとして己しか男性経験の無い女、つまり処女だった女としか性交をしていない事を求められる。
 また、童貞は忌避されるから奴隷の女で筆おろしをするのが当たり前とされている。

 貴族は腐っている。
 だが、子供の俺に出来る事は限られている。
 せめてこのメイヤと言う儚げな少女を庇護下に置き守りたい。

 引き渡されて俺が主人となって直ぐに部屋に行った。

「メ、メイヤと申します。よ、宜しくお、お願い致します」

「俺はセルカッツ。ここの長男だ。取り敢えずベッドか椅子に腰掛けて」

 メイヤは恐る恐る椅子に腰掛ける。

「楽にすると良い。人前だとセルカッツ様と呼ばないとだ駄目だけど、2人だけの時はセルと呼んで欲しい。まあいきなりは難しいだろうけども。メイヤには才能がある。俺はメイヤの才能を十分に引き出したいと思う。俺は父のように嫌がる女性を犯すような趣味はないが、メイヤには好かれたいと思う。俺は異端なんだそうだ。もしも周りから顰蹙を買うような行動をしたりしたら、自身を正したいから指摘して欲しい」

 また、部屋に入るとキルカッツは少女を犯そうとして、メイドが必死に止めたと聞いた。
 やってしまったら最後、ギフトを得られないから追放になると父に殴られたと聞く。
 知らないはずがないのに愚かな。

 メイヤはまともに食べていないのか肌は荒れ、痩せて肋骨が出ているのと、胸は膨らみ掛けなのもあり膨らみは無いに等しかった。

 俺は夜などにメイヤに文字を教えた。
 戦い方を教えたり、俺に出来る事をメイヤに教えていった。

 メイヤはスポンジが水を吸うかの如く学んでおり、最初こそ俺を警戒していたが1月もすると俺に懐いていた。

 美少女なのは分かっていたが、これ程の能力なのか!と驚いていた。
 しかしゲームだと何もしないと弟に犯され自死を選ぶ事になる。

 やらせるものか!死なせてなるものか!
 俺はそう決意した。
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