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第2章
第108話 スラム街へ
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町の中は荒れていた。今のこんな状態の所へ他国、特に北のルイジェニア帝国が脅しの通りに攻めて来ようものならば、かなり不味い事態になるであろう。システィーナは前世からの掛け替えのない仲間であり、恋人だった。時折聞いた昔の勇者と恋人達の話し。実感はないがそれが己だと分かる。命に変えてでもシスティーナを奪いに来る帝国を阻止する。システィーナの問題もあるし、下界に降りてしまったスラナシスカの問題も大きい。それよりも今は弱っているかつての司令塔であり副リーダーの彼女だ。
顔も分からない。ただ、何故か弱っていると分かる。メインストリートを進み下町へ向かうが、魔物が暴れた為、あちこちの建物が破壊されていた。
一部の魔物が城の壁を破壊し、システィーナが張った入り口の結界と反対方向から町に雪崩込んでいた。トニー達がコアを処理した(処理したとされているだけ)為に新たな魔物が沸かなくなり、冒険者達で倒しきったのだが、運の悪い民が犠牲となっていた。幸い100人程度だったが、人的被害よりも建物の被害の方が酷かった。
城の壁を壊して町に出た位だからパワーのある魔物が多く、建物を壊しながら一点を目指していたようだ。
手掛かりがないので地図を頼りに、魔物が向かった方向に向かう。それは下町に続いていたのだ。
「トニー、君は何処に行けば良いのか分かるのかい?」
「いや。手掛かりが無いから魔物が進んだ方向に向かっているんだ。そういえば、さっき話していたターミスについてだけど、やり直し前に聞いた名だけど、殺して上に送った後はスラナシスカはどうするんだ?やはり帰るのか?」
トニーは寂しそうに聞いた。やり直し前の戦いで共に戦い死に行く様を見た。この世界に来た時に魂が触れたのもあり、魂が惹かれる存在だ。文字通り運命の女神になっていた。
「戻ると言うのはこの世界での死を意味するのだよ。私は君と添いたげたい。?私は今何を言った?いや、分かっている。私は前世の君を知っている・・・」
トニーはホッとした。取り敢えず下町の入口が魔物が進んだ最後だった。そこで冒険者達が最後の魔物を倒したのだ。奥に進む程治安が悪い。道にはガラの悪い者がトニー達を見る。しかし、彼らは厳しい下町で生き延びる為のアンテナの感度が良いのか、感度の良い者達は2人を見るだけだ。手を出しても返り討ちにされて殺られると分かるからだ。だが、愚か者は何処にでもいる。
「よお兄ちゃん、女と金を・・・」
バキッ!
殴り飛ばされて気絶し、慌てた仲間に引きずられて消えていく。
更に2度絡まれたが、殺しても仕方がないので気絶させるに留まる。チンピラ如きにどうこうされてしまうようなトニーではないが、この町の闇の部分をどうにかしなければと思う。下町は貧民街だ。
そしてどうやら目的地?が見えた。スラム街の中心に小さな教会?がある。地図を見ると、少なくとも魔物が進んだルート上に有った。2人は取り敢えず教会の入り口に向かった。
入り口のドアが見えてきたのだが、すると突然スラナシスカが剣を引き抜いた。正確には何もないところから顕現させた。女神としての能力の一つで、武器の具現化だ。下界のこのような町中で下手な武器は作れない。剣等の武器が精々だ。間違えても分子分解銃のような物は出せない。しかしこの剣もあり得ない。
その剣は振動ブレーカーの一種だ。見た目は洗練されているとは、細身のショートソードだ。だがしかし、ミスリルの剣をバターのように斬り裂くこの世にあってはならない剣だ。トニーは一瞬膝を付いた。魔力がごっそりと持っていかれたのだ。心臓に鈍い痛みを覚えたので心臓を押さえてうずくまった。数秒で痛みが引き、トニーは教会の中へと駆け込んでいったスラナシスカを追い掛けるのであった。
顔も分からない。ただ、何故か弱っていると分かる。メインストリートを進み下町へ向かうが、魔物が暴れた為、あちこちの建物が破壊されていた。
一部の魔物が城の壁を破壊し、システィーナが張った入り口の結界と反対方向から町に雪崩込んでいた。トニー達がコアを処理した(処理したとされているだけ)為に新たな魔物が沸かなくなり、冒険者達で倒しきったのだが、運の悪い民が犠牲となっていた。幸い100人程度だったが、人的被害よりも建物の被害の方が酷かった。
城の壁を壊して町に出た位だからパワーのある魔物が多く、建物を壊しながら一点を目指していたようだ。
手掛かりがないので地図を頼りに、魔物が向かった方向に向かう。それは下町に続いていたのだ。
「トニー、君は何処に行けば良いのか分かるのかい?」
「いや。手掛かりが無いから魔物が進んだ方向に向かっているんだ。そういえば、さっき話していたターミスについてだけど、やり直し前に聞いた名だけど、殺して上に送った後はスラナシスカはどうするんだ?やはり帰るのか?」
トニーは寂しそうに聞いた。やり直し前の戦いで共に戦い死に行く様を見た。この世界に来た時に魂が触れたのもあり、魂が惹かれる存在だ。文字通り運命の女神になっていた。
「戻ると言うのはこの世界での死を意味するのだよ。私は君と添いたげたい。?私は今何を言った?いや、分かっている。私は前世の君を知っている・・・」
トニーはホッとした。取り敢えず下町の入口が魔物が進んだ最後だった。そこで冒険者達が最後の魔物を倒したのだ。奥に進む程治安が悪い。道にはガラの悪い者がトニー達を見る。しかし、彼らは厳しい下町で生き延びる為のアンテナの感度が良いのか、感度の良い者達は2人を見るだけだ。手を出しても返り討ちにされて殺られると分かるからだ。だが、愚か者は何処にでもいる。
「よお兄ちゃん、女と金を・・・」
バキッ!
殴り飛ばされて気絶し、慌てた仲間に引きずられて消えていく。
更に2度絡まれたが、殺しても仕方がないので気絶させるに留まる。チンピラ如きにどうこうされてしまうようなトニーではないが、この町の闇の部分をどうにかしなければと思う。下町は貧民街だ。
そしてどうやら目的地?が見えた。スラム街の中心に小さな教会?がある。地図を見ると、少なくとも魔物が進んだルート上に有った。2人は取り敢えず教会の入り口に向かった。
入り口のドアが見えてきたのだが、すると突然スラナシスカが剣を引き抜いた。正確には何もないところから顕現させた。女神としての能力の一つで、武器の具現化だ。下界のこのような町中で下手な武器は作れない。剣等の武器が精々だ。間違えても分子分解銃のような物は出せない。しかしこの剣もあり得ない。
その剣は振動ブレーカーの一種だ。見た目は洗練されているとは、細身のショートソードだ。だがしかし、ミスリルの剣をバターのように斬り裂くこの世にあってはならない剣だ。トニーは一瞬膝を付いた。魔力がごっそりと持っていかれたのだ。心臓に鈍い痛みを覚えたので心臓を押さえてうずくまった。数秒で痛みが引き、トニーは教会の中へと駆け込んでいったスラナシスカを追い掛けるのであった。
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