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第2章

第102話 4人の妻

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 俺はまとめてでごめんと謝りつつ、レイラ、アイハ、キャサリンの順にプロポーズをしていき、3人からシスティーナ同様に今すぐに娶ってと言われ、その場で婚姻の宣言をしたので4人と婚姻関係を結んだ事になる。彼女達からの勢いに負け、呆然としつつプロポーズしてしまったんだよ。そりゃあ彼女達は好きだけど、言わせられた感が拭えない。それと、ループしていた影響から判断力が回復していなかった。

 その後のスラナシスカが話す内容は驚くなと言うのが無理な話だった。

 俺がやり直し前にスラナシスカと会って、一緒に戦った時は全員罪人として落とされ、人として生きる事を余儀なくされたのだが、今回のスラナシスカは女神として落とされた。制限はあるが、能力はそのままだ。

 ここで死んでも天界に戻るだけなのだと。本来禁術として禁止されている術をターミスが使った。それは罪人1人の、つまり女神1体の能力を贄にし、特定のエリアにいる女神を下界に顕現させる事だ。その時にスラナシスカは、そのエリアに入ってしまっていたのだ。

 それをジュータスクという転移を司る部署の女神を罪人としてスケープゴートにし、その部署長たるターミスが行ったと。

 スラナシスカの判断だと、これ以上の出世が望めないターミスが敵対する悪魔=堕落した神=堕女神の勢力に密かに取り込まれており、悪魔側が召喚する魔王を助け、この世界を滅ぼす事で悪魔界に貢献し、幹部として赴く為に行った凶行だとの推測として話をした。

 元々はスケープゴートにされたジュータスクを【トニーが奪取したコアを設置した女神だと】内定調査していたが、ターミスはそれを隠れ蓑にして計画を進めていた。

 ちんぷんかんぷんなので、後日詳しく教えてもらうが、要は魔王を倒し、ターミスを殺さなければならない。多分俺には殺す事が出来ないと。対人に滅法強いのだと。ただ、スラナシスカはその特殊能力が対女神、悪魔に特化している。勿論通常武器や無手の格闘術は師範代レベルだ。

 スラナシスカに教えてくれた事は多岐に渡るが、特に大切な事は魔力パスを繋げてくれた相手が死ねば、女神は最長で1か月で魔力切れにより死に至る。新たな相手とパスを構築できず、何もしなくてもやがて魔力が尽きてしまうからだ。
 また、パスを繋げた相手は女神の力の一部を使える。本来であれば人が得られないスキルの一部が行使できるそうだ。具体的に何が使えるのか後で聞こう。

 こう聞けば体の関係を持てばウィン・ウィンの関係になると思われるが、どちらにもデメリットがある。キスの方は毎日する事から行動制限と、男が死亡した場合は程なくして死ぬしかないのがデメリットだ。

 女神の方は一度女の悦びを知ってしまうと、天界に戻った後壊れる可能性がある。男の神と婚姻できるのは1級神の上、つまり特級神にならねばならず、特級未満は男の神と女神は隔絶された世界で生きるので、天界に戻ると女の悦びを得られない期間が気の遠くなる時間、つまり1000年単位が必要なのだ。

 男の方は死亡時魂が強制的に次の転生用の魂として、より過酷な世界に送られ、厳しい人生を送る可能性が高くなる。それと、1か月に1度その女神と合体しなければ女神以外に対して性交渉出来なくなる。

 つまり、もしトニーとスラナシスカが一つになった後、スラナシスカが死んでしまえば、トニーはそこから1か月で相手に身籠ってもらわねば子をなせなくなるのと、性交渉が出来なくなる。男として終わるのだ。

 スラナシスカは出来れば合体を選んで欲しいというが、リスクが大きい。勿論生き残ったならば俺が死ぬまでこの世界に妻として残ると言ってくれた。

 そうして妻になった4人とどちらを選ぶか協議するのであった。
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