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第2章
第97話 プロポーズ
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その日俺は己の行動を呪った。いや、魔物を呪った。また、部屋に入ってから少し横になったらうとうとしていて、飲み物を取りに行ってくれていたシスティーナが戻ってきて起こされたのだ。
それから先程システィーナに抱きついていた時にちゃんと話した?のだ。
「ああ!生きている。俺はあんな姿の君を見たくない。俺がずっと守ってやる!だから俺より先に死ぬな!」
「トニー様、熱烈なプロポーズお受けいたしますわ。私ね、こう見えても尽くす方なのよ」
?今プロポーズを受け入れると言ったか?あれ?プロポーズになっとるんか?この人こんなんで良いんか?まだ会ってから日がそんなに経っていないが?でも嬉しい。
「システィーナ、俺の事を好きなのか?」
「今更何をおっしゃるのですか?幼き頃に夢に見ていてずっとお慕い申し上げておりました。ひと目見た時に現実の事だったんだと嬉しかったのですわ」
「それなら良いんだ。お義父さんとお義母さんに君を娶ってくれと言われたから、てっきり人身御供として俺に捧げられるのかと心配していたんだ」
「出来ましたら、今すぐに娶って頂きたいのです」
「何故だ?正式な婚約でも良いと思うんだけど、システィーナもそうだけど、何を焦っているんだ?」
「はい。本当はもう少し時間を掛けて婚約の儀式を始め、各種の儀式をきちんとしたっかたのですが時間が無いのです」
「何があった?」
「北のベイルランド帝国の皇帝が、私を側室に寄越せと使者を送ってきており、明日が返答の期限なのです。トニー様の妻にして頂くのが私の望みです。彼の者は人妻には興味がないというのです。彼の者の理屈ですと、行き遅れを引き取ってやるから有り難く思えと。差し出さねば攻めてやると。しかし、回避する方法はなくはないのです。母上達は知らないのです。知っていれば今頃使者が死者になっています」
「そいつをぶん殴ってやる!人の女に手を出そうと言うんだ、売られた喧嘩は買うぞ!」
「君を敵に回そうとしている訳ではないと思うわ。私が君に愛される。そうすれば諦めるわ。私は本気よ。レイラもアイハも私が先になる事を了承しているのよ。それより君はどうやってキャサリンを落としたの?」
「なんでここであいつの名前が出るんだ?ま、まさか俺に惚れたのか?」
「あの子に聞きなさい。改めて聞くわよ。貴方は私を妻にしたいの?したくないの?貴方の本心が聞きたいの」
俺は答えの代わりにその唇を俺の唇で塞いだ。
「これが答えだ」
「ちゃんと言って」
「お前を愛している。俺の妻になれ!」
俺は戦いの後の興奮もあり、普段と違った。
「はい。私はトニーを愛しています。嬉しいわ!」
その後何を話したか覚えていなかった。彼女への気持ちはあの死に様を見た時の怒りで愛していると気が付いてしまった。勿論スラナシスカに気持ちを増幅されていて、スラナシスカの手のひらの上だったが、どうでもよかった。
帝国の話はヘタレの俺の決断を早めるだけだった。そして2人だけの甘い時間を過ごしていたが、部屋の空間に歪みが生じている事に気が付かなかったのであった。
それから先程システィーナに抱きついていた時にちゃんと話した?のだ。
「ああ!生きている。俺はあんな姿の君を見たくない。俺がずっと守ってやる!だから俺より先に死ぬな!」
「トニー様、熱烈なプロポーズお受けいたしますわ。私ね、こう見えても尽くす方なのよ」
?今プロポーズを受け入れると言ったか?あれ?プロポーズになっとるんか?この人こんなんで良いんか?まだ会ってから日がそんなに経っていないが?でも嬉しい。
「システィーナ、俺の事を好きなのか?」
「今更何をおっしゃるのですか?幼き頃に夢に見ていてずっとお慕い申し上げておりました。ひと目見た時に現実の事だったんだと嬉しかったのですわ」
「それなら良いんだ。お義父さんとお義母さんに君を娶ってくれと言われたから、てっきり人身御供として俺に捧げられるのかと心配していたんだ」
「出来ましたら、今すぐに娶って頂きたいのです」
「何故だ?正式な婚約でも良いと思うんだけど、システィーナもそうだけど、何を焦っているんだ?」
「はい。本当はもう少し時間を掛けて婚約の儀式を始め、各種の儀式をきちんとしたっかたのですが時間が無いのです」
「何があった?」
「北のベイルランド帝国の皇帝が、私を側室に寄越せと使者を送ってきており、明日が返答の期限なのです。トニー様の妻にして頂くのが私の望みです。彼の者は人妻には興味がないというのです。彼の者の理屈ですと、行き遅れを引き取ってやるから有り難く思えと。差し出さねば攻めてやると。しかし、回避する方法はなくはないのです。母上達は知らないのです。知っていれば今頃使者が死者になっています」
「そいつをぶん殴ってやる!人の女に手を出そうと言うんだ、売られた喧嘩は買うぞ!」
「君を敵に回そうとしている訳ではないと思うわ。私が君に愛される。そうすれば諦めるわ。私は本気よ。レイラもアイハも私が先になる事を了承しているのよ。それより君はどうやってキャサリンを落としたの?」
「なんでここであいつの名前が出るんだ?ま、まさか俺に惚れたのか?」
「あの子に聞きなさい。改めて聞くわよ。貴方は私を妻にしたいの?したくないの?貴方の本心が聞きたいの」
俺は答えの代わりにその唇を俺の唇で塞いだ。
「これが答えだ」
「ちゃんと言って」
「お前を愛している。俺の妻になれ!」
俺は戦いの後の興奮もあり、普段と違った。
「はい。私はトニーを愛しています。嬉しいわ!」
その後何を話したか覚えていなかった。彼女への気持ちはあの死に様を見た時の怒りで愛していると気が付いてしまった。勿論スラナシスカに気持ちを増幅されていて、スラナシスカの手のひらの上だったが、どうでもよかった。
帝国の話はヘタレの俺の決断を早めるだけだった。そして2人だけの甘い時間を過ごしていたが、部屋の空間に歪みが生じている事に気が付かなかったのであった。
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