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第2章
第95話 それぞれの攻防
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天井が崩れ去るとダンジョンコアがそこにあった。トニーが置いたままの位置にある。他の宝物もあるが、宝物庫にはキング種がいるようだ。一触即発だ。数秒に1体新たな魔物が2つのコアの間の空間の裂け目?から這い出てきており、裂け目から出ると部屋を出ていく。
困った。キングかロードがいるのだ。ひょっとしたら両方か?
「予定変更だ。倒さないと逃げられない」
「問題ないわよ」
「畏まりました」
「分かったわ」
三者三様の答えだ。
先ずはキャサリンが斬り込み、次がトニー、3番手がレイラだ。
足場を展開して先ずはアイハが宝物庫へ降り、アイスボウルを飛ばす。そちらに気を取られている間にキャサリンが飛び降りざまに斬り込む。見事に剣を握った腕を飛ばした。頭を狙ったが避けられたのだ。俺は背後から斬り込み、肩に剣が刺さった。
但し、俺は蹴飛ばされて宝物に激突し、棚に置いてあった宝物が体に降り注ぐ。
痛え!と唸るも、蹴りを出した隙にレイラが袈裟掛けに斬り裂いて決着した。
あれっ?と思う位に呆気なかった。俺が無様に転がっていて、呻いている以外は。
取り敢えずコアを収納に入れたが、あくまで新たに湧かなくなるだけだ。俺達はそのまま謁見の間を目指す事にした。ヤバければ俺は撤退するが、今のボスはキングだったから、謁見の間も何とかなるだろうと。
そして自分にヒールを使い、宝物庫を後にした。
スラナシスカはトニーからの連絡を受けた後、風呂を出て再び制服に着替えていた。転移局ではなく、本来の部署の戦闘用だ。装備一式に身を包み、先ずは上司に連絡をした。
そのうえで、潜入捜査をしている者達を引き連れジュータスクを逮捕した。その足でターミスのところに行き、逮捕する。万が一に備え、上司は特殊部隊を待機させ、スラナシスカの失敗に備える。どのような準備をしているか分からないからだ。
そうして事情の知らない者達に身分を明かし、ジュータスクを逮捕した後、ターミスの所へ向かった。
ジュータスクの逮捕は呆気なかった。対女神の拘束兵器を使ったからだ。
抵抗する機会すら与えなかった。一瞬で拘束したからだ。
そして拘束したジュータスクを連れてターミスの執務室に行った。
「ターミス様、スラナシスカです」
「どうぞお入りになって」
ジュータスクを執務室に押し込み、ジュータスクに拘束兵器を向けているので、ターミスとスラナシスカの間にいるジュータスクに銃口が向いているが、実際はターミスに銃口を向けていた。
「下界への重篤な干渉違反により身柄を拘束しました」
「ご苦労様でした。ジュータスクさん、何か申開きはありますか?」
ターミスは端末を操作していた。
「わ、私は、こんな小娘より有能です!ターミス様の役に立ちたくて!」
「それだけですか?まあ良いです。十分役に立っていましたよ。罰を与えねばなりませんね。私の権限において全ての力を奪い、下界に落とします。人としての人生を全うしなさい」
「そ、それだけは!それだけはおやめください!」
ドヒューン、バーン・・・
スラナシスカはいきなり拘束兵器をターミスに向けて発泡した。
だが、寸前で何かに弾かれた。
「あらあらスラナシスカさん?暴発したのかしら?」
「ぐう、貴様を叛逆罪で逮捕する」
「あらあらバレていたのね。でももう遅いわ。気が付かなかったら巻き込まれずに済んだのにね。もう遅いのよ。間もなく始まるわ」
「皆逃げなさい!」
部屋の入り口にいた仲間を蹴り出した。
途端に部屋が魔法陣に包まれ、ジュータスクからターミスに何かが吸い出されていた。
「私が下界に能力を持って顕現するには、合法的にその力を没収出来る女神が必要だったのよ。そう、下界に降りる時に女神1人分の能力を贄にしなければならないの。本来だとその贄にて彼女は下界に落とされるのだけど、一緒に他の者も行けてしまうのよ。但し、本来は誰が贄になるか分らないのよ。だから私が女神の能力を2人分持っていれば、自分の力を確実に持って行けるのよ。私のはすこし改良を加えた特殊な術でね、このやり方をすれば、私から1人分の能力が贄となるけど、変わりに能力が私だけ封印されないの。つまりね、貴女の能力は奪われないけれども、封印されるので普通の人と同じように死んじゃうから精々気を付ける事ね。せめてもの情けに、下界では私からは貴女の事を放置しておいてあげるね」
スラナシスカは上司に通信しようとしたが無駄だった。そうしていると、3人は光に包まれ、天界から姿が見えなくなったのであった。
困った。キングかロードがいるのだ。ひょっとしたら両方か?
「予定変更だ。倒さないと逃げられない」
「問題ないわよ」
「畏まりました」
「分かったわ」
三者三様の答えだ。
先ずはキャサリンが斬り込み、次がトニー、3番手がレイラだ。
足場を展開して先ずはアイハが宝物庫へ降り、アイスボウルを飛ばす。そちらに気を取られている間にキャサリンが飛び降りざまに斬り込む。見事に剣を握った腕を飛ばした。頭を狙ったが避けられたのだ。俺は背後から斬り込み、肩に剣が刺さった。
但し、俺は蹴飛ばされて宝物に激突し、棚に置いてあった宝物が体に降り注ぐ。
痛え!と唸るも、蹴りを出した隙にレイラが袈裟掛けに斬り裂いて決着した。
あれっ?と思う位に呆気なかった。俺が無様に転がっていて、呻いている以外は。
取り敢えずコアを収納に入れたが、あくまで新たに湧かなくなるだけだ。俺達はそのまま謁見の間を目指す事にした。ヤバければ俺は撤退するが、今のボスはキングだったから、謁見の間も何とかなるだろうと。
そして自分にヒールを使い、宝物庫を後にした。
スラナシスカはトニーからの連絡を受けた後、風呂を出て再び制服に着替えていた。転移局ではなく、本来の部署の戦闘用だ。装備一式に身を包み、先ずは上司に連絡をした。
そのうえで、潜入捜査をしている者達を引き連れジュータスクを逮捕した。その足でターミスのところに行き、逮捕する。万が一に備え、上司は特殊部隊を待機させ、スラナシスカの失敗に備える。どのような準備をしているか分からないからだ。
そうして事情の知らない者達に身分を明かし、ジュータスクを逮捕した後、ターミスの所へ向かった。
ジュータスクの逮捕は呆気なかった。対女神の拘束兵器を使ったからだ。
抵抗する機会すら与えなかった。一瞬で拘束したからだ。
そして拘束したジュータスクを連れてターミスの執務室に行った。
「ターミス様、スラナシスカです」
「どうぞお入りになって」
ジュータスクを執務室に押し込み、ジュータスクに拘束兵器を向けているので、ターミスとスラナシスカの間にいるジュータスクに銃口が向いているが、実際はターミスに銃口を向けていた。
「下界への重篤な干渉違反により身柄を拘束しました」
「ご苦労様でした。ジュータスクさん、何か申開きはありますか?」
ターミスは端末を操作していた。
「わ、私は、こんな小娘より有能です!ターミス様の役に立ちたくて!」
「それだけですか?まあ良いです。十分役に立っていましたよ。罰を与えねばなりませんね。私の権限において全ての力を奪い、下界に落とします。人としての人生を全うしなさい」
「そ、それだけは!それだけはおやめください!」
ドヒューン、バーン・・・
スラナシスカはいきなり拘束兵器をターミスに向けて発泡した。
だが、寸前で何かに弾かれた。
「あらあらスラナシスカさん?暴発したのかしら?」
「ぐう、貴様を叛逆罪で逮捕する」
「あらあらバレていたのね。でももう遅いわ。気が付かなかったら巻き込まれずに済んだのにね。もう遅いのよ。間もなく始まるわ」
「皆逃げなさい!」
部屋の入り口にいた仲間を蹴り出した。
途端に部屋が魔法陣に包まれ、ジュータスクからターミスに何かが吸い出されていた。
「私が下界に能力を持って顕現するには、合法的にその力を没収出来る女神が必要だったのよ。そう、下界に降りる時に女神1人分の能力を贄にしなければならないの。本来だとその贄にて彼女は下界に落とされるのだけど、一緒に他の者も行けてしまうのよ。但し、本来は誰が贄になるか分らないのよ。だから私が女神の能力を2人分持っていれば、自分の力を確実に持って行けるのよ。私のはすこし改良を加えた特殊な術でね、このやり方をすれば、私から1人分の能力が贄となるけど、変わりに能力が私だけ封印されないの。つまりね、貴女の能力は奪われないけれども、封印されるので普通の人と同じように死んじゃうから精々気を付ける事ね。せめてもの情けに、下界では私からは貴女の事を放置しておいてあげるね」
スラナシスカは上司に通信しようとしたが無駄だった。そうしていると、3人は光に包まれ、天界から姿が見えなくなったのであった。
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