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第2章
第80話 1人多い
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どうしてこうなった。
ダンジョンの内部を進んでいたが、1人多いのだ。アイハ、レイラ、そしてキャサリンがいる・・・
一度過呼吸になって以来特に何もなく、ダンジョンに入る日が来ていた。
トニーはそれまでは3人と買い物デートしたり、用意された食事を都度収納に入れており、準備に余念がなかった。
しかしだ、キャサリンはダンジョンの入り口に行った後、システィーナと一緒に引き上げるものと思っていたが、そうではなかった。
システィーナとハグをし、いってきますと言ってから別れ、システィーナと姫騎士団に見送られながらダンジョンに入った。そして5分位進んだ所でトニーはふと足音が一人分多いなと感じた。振り向くと満面の笑みのキャサリンがそこにいた。
その日の朝、ダンジョンの封印を解いた。多くの兵士達がダンジョンから出てくる魔物に対処する為に集まり、万が一の場合即再封印するための手筈等を整えていた。
だがダンジョンの入り口には何の気配もなく拍子抜けしていた。トニー達が入った後速やかにダンジョンの入り口に結界を張り、その結界の維持をシスティーナが行う。彼女の特殊能力がそれを可能としていた。但しダンジョンから離れられないので、ダンジョンの入り口の周りに仮の宿舎を用意してあり、そこでシスティーナは寝泊まりをする。護衛が常に待機している状態になる。
トニーは思わず叫んだ。
「なんでお前がここにいるんだよ!」
「私が一緒だと嫌ですか?お願いニャン!」
誰得だよという感にあざといぶりっ子スタイルだ。でもドキッとした。
こいつ喋らなければ結構好みの見た目なんだよなと思うのだ。
「ふざけとるんか?にゃんって何だよ!」
「お願い!ねっ」
俺の腕を取り、少し屈んで上目遣いだ。不覚にもキュンっとなってしまった。見た目だけは破壊力がある。
誰かに仕込まれたのだろう。今から追い返す訳にもいかず、レイラに警戒をしてもらいつつキャサリンと話をする。
「入り口を塞ぐからもう戻れないぞ。なんで来たんだ?」
「先日お前に放置プレイされたお詫びとして、お前達に姫騎士団の誰かが同行する事をシスティーナ様にお許し頂き、くじじゃなく、私が選ばれたのだ」
「お前今クジって言ったろ?」
キャサリンは頭に手をやり口笛を吹きながらしらばっくれた。
「まあ今更だな。俺の言う事を聞けよ!一緒に行くのはそれが条件だ」
何故か己の身を守るように一歩後ろ退る。
「か、体を要求するのだな?夜伽を強要するのだな?変態め!」
「しねぇよ!頼まれても誰がお前なんか抱くかよ!」
「トニー、じゃれ合うのはその辺にしましょう!」
取り敢えずパーティー登録をしたが、ふと違和感が有った。
ステータスが見えないのだ。ただ、スキルについては見えるし、未割付のスキルとポイントとステータスポイントは見える。
「なっ!ステータスの一部が見えない!」
トニーの唸りを聞いてから確認したようで、アイハとレイラからもえっ!?っと呻き声が聞こえてくる。
ただ、ステータスポイント等の割り振りは出来そうだ。
呪いの影響か?よく見ると職業が
導き手
ではなく、
導く手
になっている。僅かな違いだが、何かがおかしい。それはともかくとして、キャサリンを臨時の仲間にしていく。
「みんな、何かがおかしい。十分に注意して進もう!」
そうしてダンジョン探索を始めるのであった。
ダンジョンの内部を進んでいたが、1人多いのだ。アイハ、レイラ、そしてキャサリンがいる・・・
一度過呼吸になって以来特に何もなく、ダンジョンに入る日が来ていた。
トニーはそれまでは3人と買い物デートしたり、用意された食事を都度収納に入れており、準備に余念がなかった。
しかしだ、キャサリンはダンジョンの入り口に行った後、システィーナと一緒に引き上げるものと思っていたが、そうではなかった。
システィーナとハグをし、いってきますと言ってから別れ、システィーナと姫騎士団に見送られながらダンジョンに入った。そして5分位進んだ所でトニーはふと足音が一人分多いなと感じた。振り向くと満面の笑みのキャサリンがそこにいた。
その日の朝、ダンジョンの封印を解いた。多くの兵士達がダンジョンから出てくる魔物に対処する為に集まり、万が一の場合即再封印するための手筈等を整えていた。
だがダンジョンの入り口には何の気配もなく拍子抜けしていた。トニー達が入った後速やかにダンジョンの入り口に結界を張り、その結界の維持をシスティーナが行う。彼女の特殊能力がそれを可能としていた。但しダンジョンから離れられないので、ダンジョンの入り口の周りに仮の宿舎を用意してあり、そこでシスティーナは寝泊まりをする。護衛が常に待機している状態になる。
トニーは思わず叫んだ。
「なんでお前がここにいるんだよ!」
「私が一緒だと嫌ですか?お願いニャン!」
誰得だよという感にあざといぶりっ子スタイルだ。でもドキッとした。
こいつ喋らなければ結構好みの見た目なんだよなと思うのだ。
「ふざけとるんか?にゃんって何だよ!」
「お願い!ねっ」
俺の腕を取り、少し屈んで上目遣いだ。不覚にもキュンっとなってしまった。見た目だけは破壊力がある。
誰かに仕込まれたのだろう。今から追い返す訳にもいかず、レイラに警戒をしてもらいつつキャサリンと話をする。
「入り口を塞ぐからもう戻れないぞ。なんで来たんだ?」
「先日お前に放置プレイされたお詫びとして、お前達に姫騎士団の誰かが同行する事をシスティーナ様にお許し頂き、くじじゃなく、私が選ばれたのだ」
「お前今クジって言ったろ?」
キャサリンは頭に手をやり口笛を吹きながらしらばっくれた。
「まあ今更だな。俺の言う事を聞けよ!一緒に行くのはそれが条件だ」
何故か己の身を守るように一歩後ろ退る。
「か、体を要求するのだな?夜伽を強要するのだな?変態め!」
「しねぇよ!頼まれても誰がお前なんか抱くかよ!」
「トニー、じゃれ合うのはその辺にしましょう!」
取り敢えずパーティー登録をしたが、ふと違和感が有った。
ステータスが見えないのだ。ただ、スキルについては見えるし、未割付のスキルとポイントとステータスポイントは見える。
「なっ!ステータスの一部が見えない!」
トニーの唸りを聞いてから確認したようで、アイハとレイラからもえっ!?っと呻き声が聞こえてくる。
ただ、ステータスポイント等の割り振りは出来そうだ。
呪いの影響か?よく見ると職業が
導き手
ではなく、
導く手
になっている。僅かな違いだが、何かがおかしい。それはともかくとして、キャサリンを臨時の仲間にしていく。
「みんな、何かがおかしい。十分に注意して進もう!」
そうしてダンジョン探索を始めるのであった。
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