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第2章
第77話 トニーの異常
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さて1時間程時間が空いたがどうしようかな?取り敢えず今から1時間はキャサリンを巻けたしな。もしもギルドで待ってやらなかったら姫騎士団の総員を動員して町中を大立ち回りで探すのだろうな?とトニーは頭が痛い。
相性が悪い。あの凶悪そうな嫌悪感丸出しの顔!ヒイィ、ヒイィ言わせたい。
「なぁ、あいつの嫌がる事って何だ?」
「トニー?どうしたの?」
「どうもこうもない。俺の天敵だ!ギャフンと言わせたい」
「ちょっとトニー変よ?あの騎士はシスティーナの護衛の要でしょ?いちいち目くじらを立てる事はないじゃない!相性が悪ければ相手にしなければ良いじゃないの!」
「あいつをみているとイラッとするんだよ」
レイラはトニーを宥めに掛かるが効果がない。次にアイハがトニーの手を取り、胸に当てた。
「心臓の鼓動を感じて!トニー、その?揉んでいないで、少しは頭を冷やして欲しいの」
「だって胸に手を置いてきたってのは揉めって事だろ?」
アイハは戸惑った。
レイラがトニーの頭をチョップした。
「ちょっとあんた頭おかしいんじゃないの?こんな所でアイハの胸を揉むなんて可哀想よ!」
トニーははっとなった。
「アイハ、ごめん。俺どうかしているよな。ちょっと頭を冷やすのに顔を洗ってくる」
トニーは今現在自分の置かれている状況に戸惑っていた。命懸けの毎日に疲れていた。先日は呪いを掛けられ、命を落とし掛けた。
ギルドの受付嬢に惚れられ、出奔した美少女剣士に毛嫌いされた筈が惚れられた。極めつけは本物のお姫様と婚約した。意味が分からない。
この世界に来てから僅か1ヶ月位だ。拐われた事もある。
恋人が出来たのはそれはそれでハッピーなのだが、今迄、そう、日本にいた時に彼女がいた事はなく、彼女らが初めての彼女だ。しかも綺麗過ぎる。この世界の女性もそこそこ綺麗なのや、可愛いのもいれば醜女もいる。美女と付き合うにあたり、当然周りからのやっかみが激しかった。
また、居場所がない。ずっと宿だったり、客間だったりだった。
貴族や王族の屋敷などの場合、客間等も含め居室にはメイドがずげずげと入ってくる。メイドは黒子の存在だそうだ。執事は違うが、メイドは例え部屋の主が他のメイドを連れ込んでいたり、町娘を連れ込んでいたり、どこぞの貴族令嬢を連れ込んでいても素知らぬ振りをする。流石に血塗れになっていたり、死体があれば別だが、部屋の主の事は他言しない。例えセックスをしている最中でも、貴族もメイドもお互いの存在を無視する。それどころか、ハッスルしている最中に呼び付けて水を持ってこさせたり、果てた後の汚れたシーツを替えさせたりと事後処理をさせたりするのだそうだ。因みにメイドに対してお手付きは自由なのだそうだ。居室に出入りするメイドはそれを目的にしているとも言われた。基本的にウエルカムだとか。それ程世継ぎは大事なのだ。
お手付きをされたくないメイドは客室に入らない。その他の仕事をするのだとか。お手付きをされると妾になり、寵愛を受け安泰な生活が待っており、身籠れば第x夫人になれる。
トーマスからそのように聞かされてはいたが、この城でもそうだ。
文化の違いからプライベートが無い上に常に緊張しなければならない状況にあり、トニーは顔を洗いながら、なんで俺が異世界にいるんだよ!米食べたいな!味噌汁飲みてぇ!コーラ飲みてぇ!マック食べたいな!と急激に望郷の念に苛まされ、緊張から段々息が荒くなり、ついに過呼吸になりその場に崩れるように倒れるのであった。
あれ?何だこれ?あかん!息が苦しい!誰がああぁ助けてえぇ!ガアああああァァァと唸るも、苦しくて叫ぶ事は出来なかった。
相性が悪い。あの凶悪そうな嫌悪感丸出しの顔!ヒイィ、ヒイィ言わせたい。
「なぁ、あいつの嫌がる事って何だ?」
「トニー?どうしたの?」
「どうもこうもない。俺の天敵だ!ギャフンと言わせたい」
「ちょっとトニー変よ?あの騎士はシスティーナの護衛の要でしょ?いちいち目くじらを立てる事はないじゃない!相性が悪ければ相手にしなければ良いじゃないの!」
「あいつをみているとイラッとするんだよ」
レイラはトニーを宥めに掛かるが効果がない。次にアイハがトニーの手を取り、胸に当てた。
「心臓の鼓動を感じて!トニー、その?揉んでいないで、少しは頭を冷やして欲しいの」
「だって胸に手を置いてきたってのは揉めって事だろ?」
アイハは戸惑った。
レイラがトニーの頭をチョップした。
「ちょっとあんた頭おかしいんじゃないの?こんな所でアイハの胸を揉むなんて可哀想よ!」
トニーははっとなった。
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この世界に来てから僅か1ヶ月位だ。拐われた事もある。
恋人が出来たのはそれはそれでハッピーなのだが、今迄、そう、日本にいた時に彼女がいた事はなく、彼女らが初めての彼女だ。しかも綺麗過ぎる。この世界の女性もそこそこ綺麗なのや、可愛いのもいれば醜女もいる。美女と付き合うにあたり、当然周りからのやっかみが激しかった。
また、居場所がない。ずっと宿だったり、客間だったりだった。
貴族や王族の屋敷などの場合、客間等も含め居室にはメイドがずげずげと入ってくる。メイドは黒子の存在だそうだ。執事は違うが、メイドは例え部屋の主が他のメイドを連れ込んでいたり、町娘を連れ込んでいたり、どこぞの貴族令嬢を連れ込んでいても素知らぬ振りをする。流石に血塗れになっていたり、死体があれば別だが、部屋の主の事は他言しない。例えセックスをしている最中でも、貴族もメイドもお互いの存在を無視する。それどころか、ハッスルしている最中に呼び付けて水を持ってこさせたり、果てた後の汚れたシーツを替えさせたりと事後処理をさせたりするのだそうだ。因みにメイドに対してお手付きは自由なのだそうだ。居室に出入りするメイドはそれを目的にしているとも言われた。基本的にウエルカムだとか。それ程世継ぎは大事なのだ。
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文化の違いからプライベートが無い上に常に緊張しなければならない状況にあり、トニーは顔を洗いながら、なんで俺が異世界にいるんだよ!米食べたいな!味噌汁飲みてぇ!コーラ飲みてぇ!マック食べたいな!と急激に望郷の念に苛まされ、緊張から段々息が荒くなり、ついに過呼吸になりその場に崩れるように倒れるのであった。
あれ?何だこれ?あかん!息が苦しい!誰がああぁ助けてえぇ!ガアああああァァァと唸るも、苦しくて叫ぶ事は出来なかった。
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