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第1章
第72話 改めて
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ジュータスクは地団駄を踏んで部下に当たり散らしていた。
八つ当たりだと当人も分かってはいるが、トニーに対して襲撃を企てるも実行する事が出来なかったから荒れていたのだ。
トニーが世話になっている屋敷の主の妻に干渉して、トニーが周りの女性を口説くように誘導したり焚き付けさせた。
色恋にうつつを抜かし、油断している所に盗賊をけしかけ、非戦闘員であるシスティーナを人質に取り、トニーを亡き者にしようとしたが、スラナシスカが直接監視しており、見送らざるを得なかった。
足が付くのと、無駄なカードを切る事になるからだ。
先日王都にて失敗し、使える手は限られている。当面は何も出来ない。だから荒れていた。
次なる手はやはり醜聞か?・・・
スラナシスカの干渉は意味が無くはない。
トニーに恋人が出来ればやる気と、恋人2人との戦闘時の連携が強化される。何より己の協力者(当人は知らない)と言うか手駒のシスティーナがトニーを好きになり、王族として支える為に焚き付けようとしたが、スラナシスカは干渉せずとも、スラナシスカの思い描いたシナリオ以上に動いていた。だから応援するだけだ。彼女をサポートにする為に干渉する許可は得ていた。だが、奇しくもジュータスクスの想いとは別に、スラナシスカに対して協力した形になる。
だが、周りの女神達は王都に着くまでに付き合い始める事が出来るか否かについて賭けをしていて、負けん気の強いスラナシスカは己が勝つ方に勿論賭けていた。賭けと言っても、好きな世界を一日満喫できるアバター使用券だ。直接関与出来るのだ。
そんな天界の事情などとは関係なく、俺の周りはあれよあれよと変わりゆく。
「ちょっと待って。レイラ、システィーナ、その、付き合う前に秘密を打ち明けないとなんだ。アイハには話しているけど、レイラに話したのは呪いを掛けられている時だから覚えているかどうかなんだ。俺の正体を知った上で判断して欲しいな」
「ひょっとして異世界人の事?」
「覚えていたのか?」
「あの時の事は全てね。でも私はあんな破廉恥じゃないんだからね」
「うん。分かっているよ」
それから説明が難しかったが、俺はこの世界を疑似体験する遊戯があり、レベルや幸運について知り尽くしていた旨を話した。自分は凄い奴じゃなくて、この世界の仕組みを知る機会があり、偶々知っているだけのただのモブだと。何者か分からないが、この世界の仕組みや強くなるやり方を知っている者を、かなりの手間暇を掛けて連れてきた事。それと、帰るつもりはないが、異世界から来た以上、そいつらの目的を達成した後は強制的に元の世界に送り返されるかもだと伝えた。
そのリスクが有るから、恋人を作ろうとしなかった旨を伝えると、システィーナの胸に抱きしめられた。
「私達の事を好き?」
「超好きだ!」
「なら問題ないわ。次は愛していると言って欲しいわ。愛されたいし、私もトニーを愛していると言えるようになりたいわ。私もお付き合いする前に秘密を話さないと駄目ね。これを聞いても彼女にしてくれると嬉しいわ」
「監視役の事か?」
「えっ?」
「気が付かない訳が無いだろう。流石にそれ程ボンクラじゃないよ。それを話す気になったって事は、最初はともあれ、今は1人の男として好意を持ってくれているって事だろ?」
「ええ・・・」
「なら問題はないよ。改めて宜しくな!」
3人は涙を浮かべ、はいと返事をし、各々身の上話をしていた。
システィーナの話だと、どうやら国王は最近出来たダンジョンを攻略出来る者がいないかと、ギルドに依頼を出しているが、中々思うようには進まないようで焦っていたと。だから話を振って来るだろうと…
そんな話をしたりしていた。
道中時折魔物が出たようだが、護衛がサクッと倒しており、順調に進み、予定通り王都に着いたのであった。
八つ当たりだと当人も分かってはいるが、トニーに対して襲撃を企てるも実行する事が出来なかったから荒れていたのだ。
トニーが世話になっている屋敷の主の妻に干渉して、トニーが周りの女性を口説くように誘導したり焚き付けさせた。
色恋にうつつを抜かし、油断している所に盗賊をけしかけ、非戦闘員であるシスティーナを人質に取り、トニーを亡き者にしようとしたが、スラナシスカが直接監視しており、見送らざるを得なかった。
足が付くのと、無駄なカードを切る事になるからだ。
先日王都にて失敗し、使える手は限られている。当面は何も出来ない。だから荒れていた。
次なる手はやはり醜聞か?・・・
スラナシスカの干渉は意味が無くはない。
トニーに恋人が出来ればやる気と、恋人2人との戦闘時の連携が強化される。何より己の協力者(当人は知らない)と言うか手駒のシスティーナがトニーを好きになり、王族として支える為に焚き付けようとしたが、スラナシスカは干渉せずとも、スラナシスカの思い描いたシナリオ以上に動いていた。だから応援するだけだ。彼女をサポートにする為に干渉する許可は得ていた。だが、奇しくもジュータスクスの想いとは別に、スラナシスカに対して協力した形になる。
だが、周りの女神達は王都に着くまでに付き合い始める事が出来るか否かについて賭けをしていて、負けん気の強いスラナシスカは己が勝つ方に勿論賭けていた。賭けと言っても、好きな世界を一日満喫できるアバター使用券だ。直接関与出来るのだ。
そんな天界の事情などとは関係なく、俺の周りはあれよあれよと変わりゆく。
「ちょっと待って。レイラ、システィーナ、その、付き合う前に秘密を打ち明けないとなんだ。アイハには話しているけど、レイラに話したのは呪いを掛けられている時だから覚えているかどうかなんだ。俺の正体を知った上で判断して欲しいな」
「ひょっとして異世界人の事?」
「覚えていたのか?」
「あの時の事は全てね。でも私はあんな破廉恥じゃないんだからね」
「うん。分かっているよ」
それから説明が難しかったが、俺はこの世界を疑似体験する遊戯があり、レベルや幸運について知り尽くしていた旨を話した。自分は凄い奴じゃなくて、この世界の仕組みを知る機会があり、偶々知っているだけのただのモブだと。何者か分からないが、この世界の仕組みや強くなるやり方を知っている者を、かなりの手間暇を掛けて連れてきた事。それと、帰るつもりはないが、異世界から来た以上、そいつらの目的を達成した後は強制的に元の世界に送り返されるかもだと伝えた。
そのリスクが有るから、恋人を作ろうとしなかった旨を伝えると、システィーナの胸に抱きしめられた。
「私達の事を好き?」
「超好きだ!」
「なら問題ないわ。次は愛していると言って欲しいわ。愛されたいし、私もトニーを愛していると言えるようになりたいわ。私もお付き合いする前に秘密を話さないと駄目ね。これを聞いても彼女にしてくれると嬉しいわ」
「監視役の事か?」
「えっ?」
「気が付かない訳が無いだろう。流石にそれ程ボンクラじゃないよ。それを話す気になったって事は、最初はともあれ、今は1人の男として好意を持ってくれているって事だろ?」
「ええ・・・」
「なら問題はないよ。改めて宜しくな!」
3人は涙を浮かべ、はいと返事をし、各々身の上話をしていた。
システィーナの話だと、どうやら国王は最近出来たダンジョンを攻略出来る者がいないかと、ギルドに依頼を出しているが、中々思うようには進まないようで焦っていたと。だから話を振って来るだろうと…
そんな話をしたりしていた。
道中時折魔物が出たようだが、護衛がサクッと倒しており、順調に進み、予定通り王都に着いたのであった。
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