63 / 117
第1章
第63話 トニーの異変
しおりを挟む
俺達は急ぎ町に向かった。
ただ、体のダメージは治っているが、精神的に俺が駄目だった。
アドレナリンが出ていて心臓がバクバクだったからなんとかなっていたが、ここに来て足にきた。
レイラがぐいっと顔を寄せてきたのでドキッとしたが、ほんとうに大丈夫?と訴えかけられて大丈夫だと言ったが足が震えていた。
先程の痛みが思い出され震えが止まらない。生まれてこの方あれ程の痛みを感じた事はなかったのだ。震えが止まらないだなんて今まで経験がない。
レイラが俺を抱きしめてくれた。
ほんのり良い香りがする。若い女性特有の甘い香りが鼻孔をくすぐる。
その性格とは裏腹に優しく抱きしめ、背中をトントンとしてくれた。
アイハは周辺を警戒していた。
「ゼエゼエハアハア、くそ、動け!動けよ」
息が荒かった。
「大丈夫よ!私達がついているんだから、何でも話しても良いんだからね!」
「言っても信じないよ!」
「トニーさん、何でも言ってください!」
「みんな俺に過大な期待をしているけど俺はしょうもないヘタレなんだ。人見知りが激しく、パーティーを組んでもらったのも初めてなんだ。今まで頑張っていたのも異世界人として、ある程度のチー卜知識があるからで、実力はまるでない一般人なんだ!お前らが思っているような凄い奴じゃないんだ!今までお前らと行動を共にしていたのは綺麗な女と仲良くなって恋人にしたいなって!しょうもない理由だけなんだよ!レイラに手を出さなかったのも俺は女性経験がないから、もしエッチをする時に上手く出来なかったら嫌われるかも?と思っただけなんだよ!要するにクズなんだよ!」
「アイハ、トニーを頼んだわよ!トニー、貴方はクズなんかじゃないわ!私とアイハが今生きているのは紛れもなく貴方のおかげよ!今は疲れているのよ!少し休めばまたいやらしい目で私達の胸を見るちょっとエッチでヘタレな情けないトニーに戻る筈よ!貴方がそんな人であるけど、お人好しなのを知ってるんだからね!ちょっとここで休んでアイハのおっぱいでも揉んで元気になりなさいよ!」
レイラはそう言うとひとりで町に向かう。
トニーはオークキングに殴られた時に呪いを掛けられたのだ。それで臆病になっている。
程なくしてトニーは泣き出した。流石におかしいと感じつつ、アイハはトニーに肩を貸して歩き始めた。
「町に行って温かい布団で寝ようね!」
「もう一人ぼっちなんて嫌だ!嫌だよ!」
「大丈夫よ!私とレイラが添い寝してあげるから」
「ほんと?」
「うん!ほんとよ!だから早く町に戻りましょうね!」
「お姉ちゃん、ほんとなの?お姉ちゃんと一緒に寝るなんて小学校以来だなあ!」
そこからは少し元気になり、添い寝を楽しみに歩み出すが、アイハはトニーが錯乱しているのだと愕然となった。ギルドマスターや治療師に診てもらおうと涙を必死に堪えていた。
どう見ても異常だからだ・・・・・
若い女性にねえちゃん!と言うのではなく、血縁関係としてのお姉さんと混同されていたのだ。
ただ、体のダメージは治っているが、精神的に俺が駄目だった。
アドレナリンが出ていて心臓がバクバクだったからなんとかなっていたが、ここに来て足にきた。
レイラがぐいっと顔を寄せてきたのでドキッとしたが、ほんとうに大丈夫?と訴えかけられて大丈夫だと言ったが足が震えていた。
先程の痛みが思い出され震えが止まらない。生まれてこの方あれ程の痛みを感じた事はなかったのだ。震えが止まらないだなんて今まで経験がない。
レイラが俺を抱きしめてくれた。
ほんのり良い香りがする。若い女性特有の甘い香りが鼻孔をくすぐる。
その性格とは裏腹に優しく抱きしめ、背中をトントンとしてくれた。
アイハは周辺を警戒していた。
「ゼエゼエハアハア、くそ、動け!動けよ」
息が荒かった。
「大丈夫よ!私達がついているんだから、何でも話しても良いんだからね!」
「言っても信じないよ!」
「トニーさん、何でも言ってください!」
「みんな俺に過大な期待をしているけど俺はしょうもないヘタレなんだ。人見知りが激しく、パーティーを組んでもらったのも初めてなんだ。今まで頑張っていたのも異世界人として、ある程度のチー卜知識があるからで、実力はまるでない一般人なんだ!お前らが思っているような凄い奴じゃないんだ!今までお前らと行動を共にしていたのは綺麗な女と仲良くなって恋人にしたいなって!しょうもない理由だけなんだよ!レイラに手を出さなかったのも俺は女性経験がないから、もしエッチをする時に上手く出来なかったら嫌われるかも?と思っただけなんだよ!要するにクズなんだよ!」
「アイハ、トニーを頼んだわよ!トニー、貴方はクズなんかじゃないわ!私とアイハが今生きているのは紛れもなく貴方のおかげよ!今は疲れているのよ!少し休めばまたいやらしい目で私達の胸を見るちょっとエッチでヘタレな情けないトニーに戻る筈よ!貴方がそんな人であるけど、お人好しなのを知ってるんだからね!ちょっとここで休んでアイハのおっぱいでも揉んで元気になりなさいよ!」
レイラはそう言うとひとりで町に向かう。
トニーはオークキングに殴られた時に呪いを掛けられたのだ。それで臆病になっている。
程なくしてトニーは泣き出した。流石におかしいと感じつつ、アイハはトニーに肩を貸して歩き始めた。
「町に行って温かい布団で寝ようね!」
「もう一人ぼっちなんて嫌だ!嫌だよ!」
「大丈夫よ!私とレイラが添い寝してあげるから」
「ほんと?」
「うん!ほんとよ!だから早く町に戻りましょうね!」
「お姉ちゃん、ほんとなの?お姉ちゃんと一緒に寝るなんて小学校以来だなあ!」
そこからは少し元気になり、添い寝を楽しみに歩み出すが、アイハはトニーが錯乱しているのだと愕然となった。ギルドマスターや治療師に診てもらおうと涙を必死に堪えていた。
どう見ても異常だからだ・・・・・
若い女性にねえちゃん!と言うのではなく、血縁関係としてのお姉さんと混同されていたのだ。
14
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる