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第1章
第54話 噛み合わない会話
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どうしてこうなった?
俺は喜んで良いのか、悲しむべきか?
システィーヌ王女と町を歩いているのだが、システィーヌ王女はメイド服だ。
大人のそれも綺麗な女性と一緒に町をぶらついていたのでドキドキはするが、まあ人払いと監視役だろうと心の距離を置いていた。
特に何もする事が無く、会話が続かない。そういえば自分はコミュ症で、レイラやアイハとは仲良く話が出来ていたよなと思う。
「ねぇ、君は何者なのかな?」
「あんた、そんな話し方出来るんだ」
「さっきまでの話し方だとここでは浮くでしょ?さっきはメイドになりきれなかったって言ったわよね?」
「そんな事を言っていたな」
「メイドに見えるでしょ?」
「話し方とかはそうだけどさ、あんたをメイドと思うのは無理が有ぞ」
「どうしてかしら?」
「こんな美人のメイドがどこにいるんだよ!」
「あら?お上手ね」
「真面目に言っているのか?化粧とかで目つきを悪くしたりしないと、上品な顔付きから育ちが良いと想像に難くないぞ」
「なるほどね。お姉さん勉強になるわ」
「お姉さんって、あんたの方が歳上なのか?」
「女性に歳を聞くの?」
「調べりゃあ直ぐに分かるだろうに。俺は中身は17歳だけど、体は15歳だぞ」
「どういう意味かしら?私はいくつに見えるかしら?」
「19歳だろう?」
「あら?知っていたの?」
「まあな。第2か第3王女が19歳ってトーマスさんに聞いていたからな」
「そっか。バレていたのか。年上は嫌い?」
「さあな。好きになった人の年齢は気にならんけどな」
「君、好きな人の事を考えていたでしょ?」
「何で分かるんだよ?」
「ふふふ。そこのお店でお茶でもしながら、お話ししましょ?」
そうしてお茶を啜りながら恋話になった。そしてレイラの事、アイハの事を話していった。
「そういえば、あんたは何でまだ結婚していないんだ?」
「あっ!行き遅れって思ったでしょ?」
「そうなのか?俺のいた国じゃあもう結婚しているのは極稀だったぞ」
「何処の出身かしら?」
「どうせ目処は付いているんだろ?寧ろあんたが絡んでいると思っているんだがな」
「恨んでいるの?」
「さあどうだろうな」
「この国の為に危険な目に合わせてしまい本当にごめんなさいね。弟を助けてくれて嬉しかったわ。やはりレイラの事で君を巻き込んだようね」
話が噛み合わなかった。
あれ?異世界人ってバレていない?というか、レイラを知っているのか?と俺は思い違いをしていた。そういえばどことなくレイラに雰囲気が似ている。
「レイラの事を知っているのか?」
「えっ?話が合わないわね。まあいいわ。勘違いも有るわよね。あの子は従姉妹なの。母親同士が姉妹でね。あの子は出奔したのね。システィーヌが会いたいと言っていたと伝えてくれるかしら?」
「しかし、呪が解けた後は俺と袂を分かったんだ。話を聞いてくれないだろうな」
「君ねぇ。もう一度アタックしないの?」
「しても良いのかな?」
「取り敢えずきっかけはあげるわ。これを私から預かったと言って渡しなさい」
懐からナイフを取り出した。
「家紋の入ったのだから分かると思うわ。私が会いたいって言っていたと伝えてね」
トニーは一本のドロップアイテムのナイフを渡した。
「分かった。預かるよ。護身用のナイフが無くなったろう?今は代わりに持っておきなよ」
「あら?気が利くのね」
俺は頷いたが、この人を信用出来るか分からなかった。異世界人と伝えたものか否か。
「そろそろ城に戻りましょうか。もしね、レイラとよりを戻したら私のところに来なさい」
俺は頷くと城に戻り始めたが、何故か腕を組んでくる。わざとなのか、偶々なのか、胸に当たっているのでその柔らかい感触にドキドキしていた。
システィーヌはトニーの事をこの国に対しての脅威ではないと確信した。だが、異世界人?と疑わなくはなかったが、途中レイラの話が出て、そちらに興味を持ってしまったので探りを入れられなかった。
そうこうしていると、前方からガラの悪い奴らが進路を塞いできた。
「よう兄ちゃん、死にたくなかったらメイドを俺らに寄越せや!俺らの世話をさせてやる!」
「挟まれたか?ざっと8人といった所か。システィーヌさん、戦えますか?」
「自衛する位は何とかね。守ってくれるわよね!」
「死にたくなかったら降伏しろ。俺は上級掃除人だ。女を守りながらだと加減が厳しいから殺してしまうかもだぞ」
「おうおう!女の前で格好付けたのを後悔しろや!」
いきなり剣を抜いて斬り掛かって来たのであった。
俺は喜んで良いのか、悲しむべきか?
システィーヌ王女と町を歩いているのだが、システィーヌ王女はメイド服だ。
大人のそれも綺麗な女性と一緒に町をぶらついていたのでドキドキはするが、まあ人払いと監視役だろうと心の距離を置いていた。
特に何もする事が無く、会話が続かない。そういえば自分はコミュ症で、レイラやアイハとは仲良く話が出来ていたよなと思う。
「ねぇ、君は何者なのかな?」
「あんた、そんな話し方出来るんだ」
「さっきまでの話し方だとここでは浮くでしょ?さっきはメイドになりきれなかったって言ったわよね?」
「そんな事を言っていたな」
「メイドに見えるでしょ?」
「話し方とかはそうだけどさ、あんたをメイドと思うのは無理が有ぞ」
「どうしてかしら?」
「こんな美人のメイドがどこにいるんだよ!」
「あら?お上手ね」
「真面目に言っているのか?化粧とかで目つきを悪くしたりしないと、上品な顔付きから育ちが良いと想像に難くないぞ」
「なるほどね。お姉さん勉強になるわ」
「お姉さんって、あんたの方が歳上なのか?」
「女性に歳を聞くの?」
「調べりゃあ直ぐに分かるだろうに。俺は中身は17歳だけど、体は15歳だぞ」
「どういう意味かしら?私はいくつに見えるかしら?」
「19歳だろう?」
「あら?知っていたの?」
「まあな。第2か第3王女が19歳ってトーマスさんに聞いていたからな」
「そっか。バレていたのか。年上は嫌い?」
「さあな。好きになった人の年齢は気にならんけどな」
「君、好きな人の事を考えていたでしょ?」
「何で分かるんだよ?」
「ふふふ。そこのお店でお茶でもしながら、お話ししましょ?」
そうしてお茶を啜りながら恋話になった。そしてレイラの事、アイハの事を話していった。
「そういえば、あんたは何でまだ結婚していないんだ?」
「あっ!行き遅れって思ったでしょ?」
「そうなのか?俺のいた国じゃあもう結婚しているのは極稀だったぞ」
「何処の出身かしら?」
「どうせ目処は付いているんだろ?寧ろあんたが絡んでいると思っているんだがな」
「恨んでいるの?」
「さあどうだろうな」
「この国の為に危険な目に合わせてしまい本当にごめんなさいね。弟を助けてくれて嬉しかったわ。やはりレイラの事で君を巻き込んだようね」
話が噛み合わなかった。
あれ?異世界人ってバレていない?というか、レイラを知っているのか?と俺は思い違いをしていた。そういえばどことなくレイラに雰囲気が似ている。
「レイラの事を知っているのか?」
「えっ?話が合わないわね。まあいいわ。勘違いも有るわよね。あの子は従姉妹なの。母親同士が姉妹でね。あの子は出奔したのね。システィーヌが会いたいと言っていたと伝えてくれるかしら?」
「しかし、呪が解けた後は俺と袂を分かったんだ。話を聞いてくれないだろうな」
「君ねぇ。もう一度アタックしないの?」
「しても良いのかな?」
「取り敢えずきっかけはあげるわ。これを私から預かったと言って渡しなさい」
懐からナイフを取り出した。
「家紋の入ったのだから分かると思うわ。私が会いたいって言っていたと伝えてね」
トニーは一本のドロップアイテムのナイフを渡した。
「分かった。預かるよ。護身用のナイフが無くなったろう?今は代わりに持っておきなよ」
「あら?気が利くのね」
俺は頷いたが、この人を信用出来るか分からなかった。異世界人と伝えたものか否か。
「そろそろ城に戻りましょうか。もしね、レイラとよりを戻したら私のところに来なさい」
俺は頷くと城に戻り始めたが、何故か腕を組んでくる。わざとなのか、偶々なのか、胸に当たっているのでその柔らかい感触にドキドキしていた。
システィーヌはトニーの事をこの国に対しての脅威ではないと確信した。だが、異世界人?と疑わなくはなかったが、途中レイラの話が出て、そちらに興味を持ってしまったので探りを入れられなかった。
そうこうしていると、前方からガラの悪い奴らが進路を塞いできた。
「よう兄ちゃん、死にたくなかったらメイドを俺らに寄越せや!俺らの世話をさせてやる!」
「挟まれたか?ざっと8人といった所か。システィーヌさん、戦えますか?」
「自衛する位は何とかね。守ってくれるわよね!」
「死にたくなかったら降伏しろ。俺は上級掃除人だ。女を守りながらだと加減が厳しいから殺してしまうかもだぞ」
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