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第1章
第21話 vsジェネラル
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レイラはうおぉおぉ!と叫びながら斬り込んで行く。
俺は魔法の展開を急ぐ。使うのはアイスショット、ファイヤーボール、アースアロー、ウインドストーム、ダークだ。連続で放つが、頭の中で順番とタイミングを組み立てていく。
ダークは顔に暗い靄を発生させ、隙を作る。ウインドストームは小さい竜巻を発生させ、数m巻き上げる。
「レイラ下がれ!」
レイラはダークを放ち、ジェネラルが手で払う隙に後ろに下がった。ジェネラルが振った剣が彼女の胴体を分断するところだった。
そのタイミングで俺は次々に魔法を放っていく。
先ずはアイスショットが四方八方から襲う。
奴は腕を顔の前に組み、顔をガードした。
直径5cm程の小さい氷の塊が中心部にいるジェネラルを目掛けて一斉に飛んでいく。一発一発の威力はアイスアローの方が大きいが、ショットは数が多い。精神力と同じ数の玉を放つ事が出来るのだ。つまり威力、数は精神力に比例する。
弱い魔物ならその一個が当たれば霧散するが、ジェネラルは耐えた。全身に当たるも、打撲程度しか効いていない。まだ威力が弱いが、数は多い。
そして俺はスキル魔法効果倍増を使う。一分だけ威力が倍増するが、一度使うと10分は使えない。しかも消費魔力が4倍と効率が悪いが、今はこれが魔法の切り札だ。
ファイヤーボール、ウインドカッター、アースアローの順で放ち、目くらませというか、アイスショットを再使用出来る迄の時間稼ぎにダークを放ち、もう一度アイスショットを放った。そしてウインドストームを使うも、こちらは掻き消された。
「レイラ行くぞ!」
俺は返事を待たずに剣術レベル4を発動した。
魔法はファイヤーボールは剣で斬り裂かれたが、ダークが視界を遮った隙にウインドカッターが左腕を飛ばす。
そしてアイスショットが炸裂した。面白いようにヒットしていく。
致命傷にこそならなかったが、それでも満身創痍だった。まだ精神力が不足していて威力が弱い。
顔は腫れ、片目は潰れている。剣術スキルのレベル4を使うと俺の意識はなくなる。一分間だが、スキルがオートでやってくれる。レイラの場合は剣術自体に心得があるので、技に補助が入る感じだ。それと職業的に使用条件を満たしている。それに追加でレイラはラッシュを使った。防御を捨てる事により2倍の威力を放つ。
ジェネラルは俺の剣を受け止めるのが精一杯で、レイラの方には対処出来なかったようだ。そうして発動されたレイラのラッシュが残った方の腕を肩の付け根辺りで切り落とした。
そして俺の剣が首を切断すると同時に剣が砕け散った。
ゼエェ、ゼエェ、はぁはぁと肩で息をしていたが、俺は崩れ落ち、痙攣した。
スキルの反動だ。正確には体がついてこれなかった。
体のリミッターが解除されており、本来の力以上を無理矢理使ったのだ。ある程度反動が来ると思ったが、甘かった。
「トニー!しっかりしなさい!」
俺は意識を取り戻した。スキルが解除されたからだ。
「ぐあぁあああああ!ぐうううう」
俺は叫んでいた。
「ヒールを使いなさい!ヒールよ!」
レイラが必死に声を掛けてくれる。
ステータスを見ると俺のHPは0だ。
笑うしかない。スキルがHPを削ったのだ。
俺はレイラの指示に従いヒールを使った。
程なくして痙攣が収まり、立てるようになった。
何故ここまで酷いのか、レイラがなんともないのか?その理由を考えたが、俺は本来取得出来ないレベルの剣術を使ったのだと思い出した。確か戦士以上でないとそもそもレベル4は取得出来ない。だが転職前のモブは行けるのだ。但し、発動すると副作用が待っているが、ゲームの致命的なバグ技として有名だった。この結果からバグ技ではなく、この世界の仕様を反映しただけだったようだ。もっともこれも意図しない仕様なのだろう。
ゲームの通りに取得出来たのだ。レイラは要件を満たしているから、反動はない。どうもゲームの方はこの世界の理を可能な限り忠実に再現していたのだと理解した。
魔力が底をついた。取り敢えずマナポーションを飲む。
「うげー!不味過ぎるだろ!これ作った奴は飲んだ事がないのか?」
レイラが泣きながら抱き着いてきた。身長差から谷間がよく見えるのでドキドキする。いかんいかんと思い彼女を真面目に見ると、あちこちに切り傷を負っているので、ヒールを使う。
「大丈夫か?」
「バカバカバカバカ!何やっているのよ!死にたいの?」
「勝ったじゃないか!どのみちあそこで倒しきらないとこちらがやられていたから、無理をしたんだ」
「ギリギリだったわね」
「魔法効果倍増が取れたのが大きいな。正直あれがなければやられていたな。あれ?剣が2本?」
「うん。ドロップしたのと、首を落とす前に腕を落としたから」
「そうなんだ。意識がなかったから分からなかった。レイラは二刀流とかはしないの?」
「してみようかな。ミスリルの剣だから行けるかも!」
「じゃあ今レイラが使っている剣を頂戴。俺のは折れたから」
「いいの?」
「決めたろ?それにさっき俺が剣術を使ったが、2度とやらないつもりだよ。反動が酷いからさ。ゲームじゃ結構有名なバグ技だったから期待したけど、甘かったな。本来は戦士以上じゃないと使えないのを無理矢理使ったからああなったんだよな」
「またゲーム?それは何なの?」
「気にしないで。強いて言えば俺の知識の出どころさ」
「それよりレベルが上がったろう?ステータスを触ってから中を見よう!」
そうしてドロップの魔石をストレージに収納して剣を装備した後、ステータスを確認するのであった。
俺は魔法の展開を急ぐ。使うのはアイスショット、ファイヤーボール、アースアロー、ウインドストーム、ダークだ。連続で放つが、頭の中で順番とタイミングを組み立てていく。
ダークは顔に暗い靄を発生させ、隙を作る。ウインドストームは小さい竜巻を発生させ、数m巻き上げる。
「レイラ下がれ!」
レイラはダークを放ち、ジェネラルが手で払う隙に後ろに下がった。ジェネラルが振った剣が彼女の胴体を分断するところだった。
そのタイミングで俺は次々に魔法を放っていく。
先ずはアイスショットが四方八方から襲う。
奴は腕を顔の前に組み、顔をガードした。
直径5cm程の小さい氷の塊が中心部にいるジェネラルを目掛けて一斉に飛んでいく。一発一発の威力はアイスアローの方が大きいが、ショットは数が多い。精神力と同じ数の玉を放つ事が出来るのだ。つまり威力、数は精神力に比例する。
弱い魔物ならその一個が当たれば霧散するが、ジェネラルは耐えた。全身に当たるも、打撲程度しか効いていない。まだ威力が弱いが、数は多い。
そして俺はスキル魔法効果倍増を使う。一分だけ威力が倍増するが、一度使うと10分は使えない。しかも消費魔力が4倍と効率が悪いが、今はこれが魔法の切り札だ。
ファイヤーボール、ウインドカッター、アースアローの順で放ち、目くらませというか、アイスショットを再使用出来る迄の時間稼ぎにダークを放ち、もう一度アイスショットを放った。そしてウインドストームを使うも、こちらは掻き消された。
「レイラ行くぞ!」
俺は返事を待たずに剣術レベル4を発動した。
魔法はファイヤーボールは剣で斬り裂かれたが、ダークが視界を遮った隙にウインドカッターが左腕を飛ばす。
そしてアイスショットが炸裂した。面白いようにヒットしていく。
致命傷にこそならなかったが、それでも満身創痍だった。まだ精神力が不足していて威力が弱い。
顔は腫れ、片目は潰れている。剣術スキルのレベル4を使うと俺の意識はなくなる。一分間だが、スキルがオートでやってくれる。レイラの場合は剣術自体に心得があるので、技に補助が入る感じだ。それと職業的に使用条件を満たしている。それに追加でレイラはラッシュを使った。防御を捨てる事により2倍の威力を放つ。
ジェネラルは俺の剣を受け止めるのが精一杯で、レイラの方には対処出来なかったようだ。そうして発動されたレイラのラッシュが残った方の腕を肩の付け根辺りで切り落とした。
そして俺の剣が首を切断すると同時に剣が砕け散った。
ゼエェ、ゼエェ、はぁはぁと肩で息をしていたが、俺は崩れ落ち、痙攣した。
スキルの反動だ。正確には体がついてこれなかった。
体のリミッターが解除されており、本来の力以上を無理矢理使ったのだ。ある程度反動が来ると思ったが、甘かった。
「トニー!しっかりしなさい!」
俺は意識を取り戻した。スキルが解除されたからだ。
「ぐあぁあああああ!ぐうううう」
俺は叫んでいた。
「ヒールを使いなさい!ヒールよ!」
レイラが必死に声を掛けてくれる。
ステータスを見ると俺のHPは0だ。
笑うしかない。スキルがHPを削ったのだ。
俺はレイラの指示に従いヒールを使った。
程なくして痙攣が収まり、立てるようになった。
何故ここまで酷いのか、レイラがなんともないのか?その理由を考えたが、俺は本来取得出来ないレベルの剣術を使ったのだと思い出した。確か戦士以上でないとそもそもレベル4は取得出来ない。だが転職前のモブは行けるのだ。但し、発動すると副作用が待っているが、ゲームの致命的なバグ技として有名だった。この結果からバグ技ではなく、この世界の仕様を反映しただけだったようだ。もっともこれも意図しない仕様なのだろう。
ゲームの通りに取得出来たのだ。レイラは要件を満たしているから、反動はない。どうもゲームの方はこの世界の理を可能な限り忠実に再現していたのだと理解した。
魔力が底をついた。取り敢えずマナポーションを飲む。
「うげー!不味過ぎるだろ!これ作った奴は飲んだ事がないのか?」
レイラが泣きながら抱き着いてきた。身長差から谷間がよく見えるのでドキドキする。いかんいかんと思い彼女を真面目に見ると、あちこちに切り傷を負っているので、ヒールを使う。
「大丈夫か?」
「バカバカバカバカ!何やっているのよ!死にたいの?」
「勝ったじゃないか!どのみちあそこで倒しきらないとこちらがやられていたから、無理をしたんだ」
「ギリギリだったわね」
「魔法効果倍増が取れたのが大きいな。正直あれがなければやられていたな。あれ?剣が2本?」
「うん。ドロップしたのと、首を落とす前に腕を落としたから」
「そうなんだ。意識がなかったから分からなかった。レイラは二刀流とかはしないの?」
「してみようかな。ミスリルの剣だから行けるかも!」
「じゃあ今レイラが使っている剣を頂戴。俺のは折れたから」
「いいの?」
「決めたろ?それにさっき俺が剣術を使ったが、2度とやらないつもりだよ。反動が酷いからさ。ゲームじゃ結構有名なバグ技だったから期待したけど、甘かったな。本来は戦士以上じゃないと使えないのを無理矢理使ったからああなったんだよな」
「またゲーム?それは何なの?」
「気にしないで。強いて言えば俺の知識の出どころさ」
「それよりレベルが上がったろう?ステータスを触ってから中を見よう!」
そうしてドロップの魔石をストレージに収納して剣を装備した後、ステータスを確認するのであった。
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