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第1章

第10話 現実とゲームの違い

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 馬車は順調に進んでおり街道から外れ、脇道に入っていった。俺はちゃんとその脇道を覚えていたのだ。

 今はマントを羽織り、フードを被っている。御者がそうしていたから、俺もそうした。ゲームと違いリアルの勝手がわからないので、身近な者のする事を見様見真似でやって見る事にした。

 もう少しで目的地と言う段で馬車が止まった。

「魔物だ!」

 御者が叫んだ。
 前方からゴブリンが3匹向かってくる。俺は射程内だなと判断した。

「3匹か。それならやれるな」

 俺は御者席を降り馬の前に出た。
 馬車から冒険者もとい、掃除人達が出てくるがその前に俺が対処する。

「アイスアロー!アースアロー!ファイアーアロー!」

 俺の手から3つのアローが放たれる。

 実戦で威力を試したかったからだ。

 アイスアローとアースアローは問題なく胸を穿ち、一瞬で霧散した。
 しかしファイアーアローは穿てずに体を燃やしているが、キシャーと叫びながら向かってくる。俺は一瞬怯んだ。その形相が恐ろしく、一瞬竦んで固まったが、目の前にまで来ていた。魔法を放った隙もあり棍棒の当たる位置にまで接近された。

 いち早く駆けつけたその美少女は電光石火のように俺の前に割って入り、そのゴブリンの首を剣の一閃で刎ねた。

「あんた馬鹿なの?護衛無しで魔法を放つなんて!」

「助かったよ。ありがとう。今後は気を付けるよ」 

「分かったのなら良いのよ。気を付けなさい。あんたみたいにひょろっとしている奴なんて簡単に死ぬのよ。折角のトリプルなんだからね」

「ヒュー!すげー!トリプルマジシャンだ!」

 そんな声が聞こえたが、ゲームでは全属性魔法を使えるのは基本中の基本だったから、受付のおっちゃんの驚き様に戸惑っていたが、どうやらそもそもこの世界は魔法は使えない者が大多数で、使えても特定の属性しか使えないシングルマジシャンが多いようだ。これもゲームとは違う…彼女の剣捌きに見惚れていたが、彼女の話ではないが、早くゲームと現実の違いを把握しないと命取りだなと思う。

 俺は魔石を拾いに行くも、ショートソードが落ちていたので回収し、再び進み出す。どうやら落としたかドロップしたようだ。

 そうそう、レベルが上がったので、即時にステータス操作だ。これ大事。

 名前 トニー・デュノッゾ
 年齢 15
 身長 175cm
 職業 一般掃除人
 レベル 3→4
 HP     37/37→37/41
 MP    28/31→28/35
 筋力  15→19 
 器用さ 15→19
 精神力 15→19
 幸運  49
 ステータスポイント
 残り 9
 特殊補正
 決断 +3

 スキルポイント   
 残り 9

 スキル
 逆境
 獲得経験値2倍
 剣術レベル1(1)
     魔法適正(4)
 *水魔法レベル2(1)
  火魔法レベル1(1)
  土魔法レベル1(1)
  光魔法レベル1(2)
 身体能力向上レベル1(1)
 強運レベル7(28)

 おっ!水魔法のレベルが上がった!ラッキーだ!

 さてこれをこうする。

 筋力  19 
 器用さ 19
 精神力 19
 幸運  49→58
 ステータスポイント
 残り 0
 特殊補正
 決断 +3

 スキルポイント   
 残り 0
 スキル
 逆境
 獲得経験値2倍
 剣術レベル1(1)
     魔法適正(4)
     水魔法レベル2(1)
  火魔法レベル1(1)
  土魔法レベル1(1)
 *風魔法レベル1(1)
  光魔法レベル1(2)
  身体能力向上レベル1(1)
 *強運レベル7(28)→8(36)

 強運を一つ上げたのと、風魔法を取得した。ゲーム同様に属性魔法は使えば使う程レベルが上がる。回復はまた違うが、属性魔法は敵を倒した時にのみ経験値が入る。なので早目に取得が絶対的だ。水魔法のレベルが上がった事からこの部分はゲームと同じだと分かり、今回は迷わず風を取った。残りは闇だが、ポイントが足らなかった。だが、次はポイントが11の筈なので、強運をレベル9にし、闇を取れば財布代わりだが、レベル1のストレージが身に付く。

 取り急ぎそこまでの割り振りをすると目的地に着いたので、目的地だと御者に伝え、俺と御者は馬車を降り、御者が皆に到着を知らせたのであった。
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