エラーから始まる異世界生活

第2章

集落の再建への第一歩

　俺は数日間、あちこち飛んで回った。
　結果あのドローン共は再び現れなかった。

　念の為俺以外は外には出ないようにしていた。
　調査の結果を協議し、もう安全だと判断して安全宣言をした。そうすると子供達は恐る恐るだが外に出ていった。

　ただ、年長の者は中々出られなかった。

　ここから数時間歩いた所に本来の集落があっるというので、子供達の１人に案内させて飛んでいき、言われた場所に向かう。
　程なくして集落の跡地が見付かった。だが最早廃墟だ。かつて建物だった物のなれの果てばかりだ。　
　一部の建物は半壊程度なので、直せば住めなくもない。
　しかし、間違いなく自分達の集落だと理解した。
　状態だが、例えば第二次世界大戦の空襲後の写真などを見た事があるとすれば、正にあの状態。時折奇跡的に原型を留めている建物や半壊の建物が、ポツリとある程度だ。それと、腐敗したり、骨になっている死体が見て取れる。

　取り敢えずゲートを繋げ、皆をこちらに呼び寄せた。皆戻ってこれた喜びと、変わり果てた集落の姿に一喜一憂していた。各々集落を見てどう思ったかだ。

　変わり果てた姿に涙する者、戻ってこれた事に嬉し涙を流す者、復興に息巻く者、何から手を付ければ良いのか分からず呆然とする者、空を見上げ、父と母に帰還した事を報告する者、死体を見て涙する者等様々だった。

　皆を一度集めた。
　取り敢えずどうしたいかについて決めなければならないからだ。

　先ずは片付けをしなければとなり、取り敢えず墓地を作り、死体を葬らねばならない。
　墓地の場所はすぐに分かった。
　穴はお願いされた場所に俺が魔法で作った。

　全員一致でこの場所に集落を再建する事になった。まあそうなるよね。

　当面の間は瓦礫の撤去と、死体の捜索になる。
　今のままだと寝泊まりも出来ないので、俺がゲートを繋げ、隠れ家と集落を行ったり来たりする。

　こんな時にもし早苗がいたらなと思う。彼女の能力により建物はいくらでも作り出せる。とはいえ、彼女はいないが、それでも建物の建築に必要な木材等は俺の収納にかなり入っている。力のある者はその材料を使って建物を建てる事に。

　因みに瓦礫の除去は俺と水樹の収納に一度入れ、別の場所に放出して子供達が仕分けをする。使える物は再利用するからだ。それと家族の思い出となる品が有ればそれを探す。

　それと畑の再開だ。
　集落から少し離れた所に畑があったが、手入れがされていないから雑草まみれだ。収穫できる野菜や穀物が有るので、そちらにも人員を割いていかねばだった。むしろ最優先だ。
　食料は大事だ。それと種取り。

　初日は流石に死体集めになったが、リーダーと話して班分けをする事になり、リーダーが決めた。俺達は手伝いだ。そうやって集落の再建に向けて動き出すのであった。