エラーから始まる異世界生活

第2章

子供達を発見

　転移した先に動く　‘モノ’　が有った。

　ドローンから逃げたのだ。

　俺は現地語で挨拶をした。予めアトランジェに教えられていた。

「こんにちわ」

　そう告げた。すると逃げ始めた者は動きを止めた。取り敢えずドローンは回収し、元々ここに有ったのだけになった。取り敢えず人が辛うじて通れる隙間を残してアースウォールで外から隠した。

　恐る恐る様子を伺っているようだが、姿は見えない。俺は敵意の無いように手を上げた。

　また、念話で状況を伝え、水樹にシェルターを収納し移動の準備を指示した。即答で何時でも良いとの事なので先ずはアトランジェからとし、ゲートを出した。

　アトランジェがこちらに来たがゲートはそのままだ。

　アトランジェは必死に叫んだ。

　すると恐る恐るといった感じで子供達が出てきた。アトランジェの姿、同胞の姿を見て驚きと嬉しさからか抱きついて泣いていた。

　アトランジェはその子供達に俺の事を話し、更に異世界の仲間がいると話すと首を傾げていたが、数人の大人が現れたので大いに驚いていた。俺達の歳は彼らからすると大人なのだ。

　俺には言葉が分からなかったが、イリーナが少し待ってと言い俺達の額に触れて何かをすると、子供達の話している内容が理解できるようになった。

　イリーナの力は大半が回復していないが、言語理解位は問題ないと言う。

　子供達はここにある改造ドローンを操作し、ドローンが来たら撃破する事で、大人は別の所にいるのだと。

　大人の所に案内して貰う事になった。

　歩く事２０分、地下奥深くに集落が有った。所々採光の為の穴があるが、薄暗い。

　子供達はアトランジェの手を引っ張り、集落の中の一つの建物に向かった。

　建物と言っても岩をくり抜いた感じの住居だ。

　一応川も有るようだ。

　その建物に入ると数名の大人がそこにいた。いや、中学か高校生位か？
　アトランジェが間に入り紹介し合った。　
　やはり青い肌の人だ。肌の色以外俺やクレア達と違いが分からない。

　皆俺達異世界人に興味津々だった。

　それはともかく、若い者しかいないのが気になった。

　この集落の代表と話したが、やはり１８歳になるかならないか位だ。俺がドローンを無傷で手に入れており、エネルギーパックも有ると伝えると驚いていた。

　実物を見せたが、腰を抜かしている。

　エネルギーパックは絶対に入れるなとしつこく言ってある。敵として再起動するからと。さ

　彼らは破壊したドローンを修理し己の武器として使っているのだと。コンピューターの、それ相応の部分を除去又は破壊し、武器をマニュアル操作していると。

　ここには１００人程がいて、近くに数か所の集落が有る。大人は皆死んでしまったと。子供達を転移で逃がすのが精一杯だったらしい。

　くまなく探せば大人もいるかもだが、少なくともこの集落と、周辺の集落には転移が使える年齢の大人がいないのだと言うのであった。