エラーから始まる異世界生活

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第1章

一人多い!

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 扉をくぐり抜けた先は、ほぼ何もないただただ真っ白な空間である。少し離れたところに小さな祭壇のようなものがあり、そこに棺のような物が置かれている。そしてその上にはかなり大きな水色のクリスタル?で菱形をしていて、宙に浮いているのだ。

 また入ってきた扉は俺達が入るとすーっと消えていった。そして俺の左手はクレアの右手を握っており、クレアの右手にはアトランジェの左手…レイナ、オリヴィア、が続き、最後が水樹と手を握る形で繋がっていた。

 ただ、何故か俺の右手にはイリーナの左手を握っている。

 何人いるのかを確認したが、全員入れた事が分かった。

 ふと違和感をかんじた。いや待て、何かがおかしい。俺達は6人でダンジョンに入った筈だ。しかし今ここにいるのは7人だ。
 しかし、ここにいる7人で正解だと俺の記憶は訴えている。だがしかし、俺の魂が6人の筈だと訴えかけていた。

 訳が分からなかった。俺の意識というか、記憶は7人だと思っているが魂と意識の認にズレが発生し、頭の中で人数がおかしいとアラームが鳴り響いている状態だ。

「全員いるよな?」

 皆周りにいる者の顔を見てから頷いていた。誰も違和感を感じていないのか、何も言わない。全員の事をじっくりと見たが、ちゃんと顔と名前が一致するのだ。

 基本的にクレアとイリーナを守りつつ、ダンジョンを進んだと記憶をしているし、ダンジョンをどういう風に進んできてきたかの記憶もある。

「変に思わないでくれ。違和感があるんだ。皆に改めて確認したいが、人数に違和感を感じないか?」

「何を言っているのですか?私達7人でダンジョンに入り、誰一人欠ける事なくここまで辿り着いていますよ」

 皆同じ認識で、頷くのみで誰も何も言わなかった。

「確かに記憶としては7人で入り、紆余曲折がありなんとかダンジョンを切り抜けてきた!そういう記憶があるが、俺の魂が告げるんだ。ダンジョンに入ったのは6人だ!そして今は7人いる。つまりダンジョンに入ってから一人増えているんだ。誰か何かわからないだろうか?俺も記憶にはないんだ」

「そういう事であれば、ここに来た目的の確認と、まずはあの棺に何というか、誰が入っているのかを見た方がいいと思うの。もし増えているとしたら、その棺の中に答えがあると思うわよ!」

「あれ?変だな。何か目的が有った筈だが、ダンジョンをクリアするというのと、このメンバーで挑んだ訳がある筈なんだが、それを思い出せない。皆もそうかな?」

 皆俺の感じる違和感に気が付いたようだ。この部屋に入った目的が分からない。何故手を繋いで入ったのか?イリーナだけ右手なのか?と疑問は多い。

 取り急ぎ祭壇に近寄り、棺に掛けてある布を外した。するとそこには美女の裸体があった。俺は驚愕して体を震わせていち。

 イリーナがそこにいたのだ。そう、そこにはイリーナの身体があるのだ。少なくとも瓜二つだ。別人としたら双子だろう。

「どういう事だ?なぜここにイリーナの身体が安置されているんだ?」

 祭壇に安置されているイリーナの体を抱きかかえ、床に出したマットの上に取り敢えず 寝かせてみた。どう見てもイリーナ本人だ。そう本物なのだ。ホクロの位置とか、乳首の形とか違いがまったくない。  

 俺はふと思い、収納の中にある皆の予備の体を確認したが、イリーナの体だけはない。なるほどとようやくその事で理解したのだ。

「どうやら俺が言っていた一人余分な者のがいると言っていたのは、どうやらイリーナのようだ。おそらくこの部屋に入ってからイリーナが現れたのだと思う。確かにイリーナと過ごした記憶が薄い。

「何故そう思うのですが?」

「簡単な事だよ。俺の収納の中にある予備の体が一体足りない。確認したがイリーナのだけがないんだ。イリーナ、思い出すんだ。今ここで何かしなければならない事があるのではないか?」

 イリーナもよくわからないと言う。とりあえず念の為にイリーナの身体から皮膚片を取り、予備の体を作ってみる事にした。まず、今棺から出した体ほ方から行った、あっさりと体ができた。

 そして次に目の前の動いているイリーナから採取しようとしたが、取れなかった。肉体再生をするからと言って、指を切り落としてみたが、切り落とした指はその場で霧散し、直に指が生えてきた。

 そう、彼女の体は肉体ではなかったのだ。いわゆる魂というものだった。触れることがかは農なのはないるのが不思議だったがそう実際の肉体ではないのだ。

「イリーナ、理由は分からないが、今の君は魂のみだ。この体が君の本来の身体で、そこから魂が抜け出ている!そういう状態に思えてならないんだ。

 取り敢えず、体に触れてみようか?

 そうしてイリーナは俺の手を握ったまま、その体に触れるのであった。
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