エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第1章

VS100階層ボス

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 満身創痍状態のボスと戦い始めたが、ひたすらアナウンスが続いた。レジスット成功と。

 どうやらデバフを掛けてきているようだ。しばらく互角に戦っていたが、特にこれといって何か特別な事を仕掛けてくる訳でもない。どうやらデバフで戦力を落とし、それで倒していると判断した。

 おそらく妻たちは最初こそ互角に戦い傷を負わせていったが、デバフで段々と思うように動けなくなり、次第に傷を負っていき倒されていったのだと思う。

 妻達が傷を合わすことができたのは複数対1で戦ったからだと思う。

 俺の素の力ではまともに戦っていても決定打にならなかった。補助魔法を使いまくればボスのそれを凌駕できるのだろうが、それを使う余力が全くなかった。

 数本あった腕が一本しか残っていない状態でだ。戸田腕が落とされたからといって戦力が落ちているとは限らない。むしろ腕を落とす毎に残った腕の速さや力が増すタイプの魔物だったりすれば、逆に戦力が上がっている可能性すらある。

 そこで移動してもすぐ追いつかれ、逆に向こうが引いても俺が追いついて剣を振るう。暫くその繰り返しだった。向こうは残った一本の腕、その手にある鉤爪で俺の剣を凌ぎ、隙を衝いて攻撃してきたりもする。また、腕は一本だが尻尾があるので、俺は腕を警戒しつつ尻尾にも対処しなければならなかった。警戒させない為か、尻尾はまだふられてはいないが、俺の頭には尻尾!尻尾とに対する警笛が鳴り響いている状態だ。

 俺は転移と時間停止以外の持てる手のほぼ全てを使って戦っていた。

 転移は温存していたのは、万が一知っていたとしても、ここぞというところまで取って置けば、使わないのではなくて使えないと勘違いされている、もしくはそういう能力を知らないという事もあるので、時間停止以外のもう一つの切り札として残していた。

 そしてその切り札を使う時が来た。壁際にて戦っていた時に、反対側の壁際に転移した。ボスが俺の姿を見失っている間に一気に壁で囲い、コンボ技を開始した。熱湯を注いでから魔力を注ぎ込んで蓋をしていたが、俺はすっかり忘れていた!99階層で妻達を抱え飛んでいた時に、魔力の大半を使い果たしていたという事を。

 気が付いてを注ぎ込むのを止め、もう50年以上飲んでいなかった魔力回復のポーションを出して慌てて飲んでいた。

 クソ不味くまるで泥水でも飲んでいるような感触の為、できれば避けたかったがそうもいかない。

 ボスが何とか壁をぶち破って出てきたのだが、その間になんとかもう少し戦えるだけの魔力を回復する事ができた。但し、もう一度コンボ技を使う事はできない。それをする為の量の魔力が回復した訳ではなく、後一手何かを仕掛ける魔力しか残っていないからであった。
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