エラーから始まる異世界生活

第1章

水没

　サラマンダー先生のおかげで本日も快調に進んでいた。

　また61階層からは中心近くからスタートという事もあり、ゴール地点である下り階段までの距離がかなり短くなっている。その為、68階層まで何の苦労する事もなく、午前中のうちに進んでしまった。

　そして68階層へ行く階段を降りている最中に異変に気がついたのだ。

　階段の途中から下が水没しているので、なるほどと思った。

　サラマンダーはこの水に突っ込んでしまい、やがて炎が消えていき霧散していったのだと。

　その為に一旦サラマンダーを消す事にした。

　さてどうするかとなったが、結界を張り、中から常に風魔法で空気を精製しながら先へ進めば問題ないのではないかとなり、試しに行うとサクッと進む事が出来た。

　皆が色々な魔法を組み合わせてくれて、複雑だが、一種の潜水装置になっていた

　魔法の良い所は、持続型魔法に関しては発動させた者の魔力のみで維持をする必要がないという事だ。発動さえしてしまえば、他の者にて魔力を供給してあげれば持続可能である。

　その為に、皆の協力にて作って貰ったこの結界に対して俺が魔力を供給し続ける事でこの潜水型の魔法を維持していた。

　慣れない事をしているので現在地を把握するのに多少なりとも手こずったが、階段に近付につれ平坦道を進んでいたのが上り坂に変わっていたのが分かった。

　もしもこの階層を上から見たのならば、それまでの階層と地形は全く変わらないが、横から見ると高低差が有る事が分かる。

　68階層の中央の辺りが低い場所になっており、そこに水が溜まっていったのだろう。わざとそういうふうに貯めたのか、偶々溜まってしまったのかまでは判らないが、階段付近になれば腰の高さ位にまでの水の高さになっており、階段の手前は少し上がっており、堰き止めるようになっていたのだ。そんな感じで階段のところはギリギリ水がないような状態だった。

　階段のところからサラマンダーを送り出し、69階層の調査をしたが、あっさり階段に辿り着いていた。我々本体の方も後に続いたが、特に何事もなく69階層を終える事ができた。
　そして水樹は70階層のボス部屋の扉の前で本日の野営をしようと言ってきた。

　しかし、オリヴィアが違う意見を出した。

「水樹さんの意見が出たから、このままボス戦に突入しましょう！」

　彼女の話だと、多分野営をすると、我々への対策が織り込まれると。だからそのままボス部屋に行き、準備をされる倒そうとなった。

　しかし、今迄の感じだと対策をされているので手こずる羽目になったのでは？となんとなくモヤモヤしていたとの事だ。

　反対意見もなく、どうなるか見たいのもあり、間髪入れずにボス部屋に突撃するのであった。