エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第1章

50階層

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 結局の所、49階層は何事もなくあっさりと終わった。ノート等に今何階層をクリアし、これからどこをスタートしたのかを記載していないと、どこにいるのか分からなくなる。

 流石に岩肌まで同じではないが、マップが頭に入っていれば目隠しをしても先に進める位に瓜二つだった。

 やはり水樹の予測は外れっぱなしだった。水樹は先程話したからか、少し落ち着いてきていた。

 50階層のボスは十分な警戒が必要と言うので、俺は俺以外の者達で対処させ、万が一に備える事にした。

 だが、キメラが出たがレイナとアトランジェがほぼ瞬殺していた。顕現したばかりのボスは大抵2秒程固まっているので、顕現し始めると一気に駆け出し、顕現が終わると同時に剣と槍を各々繰り出し、動き出す前に倒したのだ。これまでのボスの出現パターンから導き出したようだ。

 俺はボスが倒され、ドロップが出たのと出口の扉が出現したのを確認した。

「流石だね。よくこのタイミングが分かったね」

「ランスは分かっていなかったの?」

 二人がハモった。

「例外があるからね。顕現中に動ける奴もいたから、あいつが動ける奴か、動けない奴なのか俺には分からなかったから突っ込めなかったんだ」

「えっ?分からないのですか?」

「誰か分かったか?」

 水樹も首を横に振り、クレア、オリヴィアも同じだった。

「そうか。オリヴィアは転生者、俺も水樹もこちらの世界側から召喚された者、だが、レイナは召喚にくっついてきた者、アトランジェは送り込まれた者。あれ?なんの違いだ?出身地か?地球とこの星の者ではだめだが、他の星の者なら行けるのか、そういうスキルなのか?うーん」

「あのーランス?それ今大事?あたしとレイナさんのみに見極める力があると分かったらそれで良いのじゃないの?」

「そ、そうだな。確かに種族や出身地の違いなのか、それとは別なのかカグヤ達を連れてきたり、アトランジェの星の者を連れてきての検証も出来ないもんな。じゃあ、次のボス戦は二人を軸にして、皆二人のサポートを。二人が突っ込めば間があるし、突っ込まなかったら間がないとしか言えないが、顕現中に動ける奴がいた事だけは覚えておいてくれ。何度も死に掛けたからさ。少し早いけど、今日はここで休もう。ボス部屋が一番安全なんだ」

 そして皆に水樹の事を話した。今回は思うところがあり水樹はミーティングから外した。新たな懸念として水樹の思念が読まれている可能性がある。ただ、今までの感じからすると、水樹の話す事のみ聞かれている感じがすると。

 それも口に出した言葉のみだ。だから水樹の語る危険性はダンジョンに筒抜けで、水樹が警戒している間は危険は少ない。警戒している所に仕掛けても成功率が低い。嘘もバレると見ていて、それを見越してもう気を緩めても良いと水樹が言っても、こちらがダンジョンに見抜かれるとして、水樹にはもう言わないと。そのあたりの話もシェルターの中で更に念話でしたから大丈夫な筈だがと、それを踏まえて俺は水樹にアドバイスを求めると告げるのであった。


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