エラーから始まる異世界生活

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第1章

大人です！

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　俺が起きたと分かると早々にアトランジェにひたすら怒ってきた。まあ理不尽な怒りなのだが、今までアトランジェは感情を殆ど外に出さなかったからそれはそれで良かった。

　何を怒っていたかというと、どうして抱いてくれなかったのか、お触りすらして来ないとはどういう事か！と脱兎のごとく怒っていた。感情を表すようになって来たのはごく最近の事だったが、普段の表情と違い怒った顔も中々可愛いので見惚れていた。

「あのですね、私の話をちゃんと聞いていますか？」

　とまた怒られてしまった。

　こちらの世界や、妻達、つまり家族との接し方に慣れてきたようで、本来の性を出し始めていたのだ。

「好きだとも、君は魅力溢れるレディだとまで言ってくれるのに、何故私だけ抱いてくれないのですか？私の胸でばぶりましたよね？私はおっぱいですか？おっぱい要員ですか?」

　などと聞かれたのだ。勿論おっぱいの事はただの嫌味だ。

　誰に仕込まれたのか私は魅力がないんだと嘘泣きまでしていた。それも露骨に嘘泣きだと分かるのを分かってやっている、嘘泣きをしてると主張している感じだ。

「君がまだ子供だからだよ。俺が元いた世界だと、君の年齢の女性と体の関係を持つというのは犯罪なんだ。だから大人になるまで待って欲しいんだ。もちろん何れ君の事を妻の一人として迎え入れ、刻印の儀を行うつもりだが、今はその時じゃないんだ」

「ちゃんと私を見て下さい。私はもう子供ではありません。こちらの世界の事はまだよく分かりませんが、私のいた世界では、私の歳ですともう子供がいてもおかしくない年齢なのです。私の同い年の友達も既に結婚していましたし、私もそろそろ相手を決めろと言われていたくらいなのですよ！このままだと行き遅れるとまで言われる位だったのです」

　そう言うと、アトランジェは止める間もなく服を全て脱ぎ捨てた。

「私をよく見てください。私のどこが子供だと言うのですか？」

　そういうので俺は彼女の躰をマジマジと見た。確かにそこにいるのはレフトアイ達と比べても遜色のない見事なプロポーションの美女である。どうみても美少女ではないのだ。

　妙齢の女性のそれである。どう見ても20歳前後の若い女の体であるし、張りのある見事なバスト。確かに体を再現したときに見ているが、なんか張りが違う。ウエストはくびれ、お尻はきゅっと上向きになっており、中々そそられる躰だ。そして顔付きだが、あどけなさが微塵も残っていない。
　
　俺はついつい目の前の躰に欲情し、その躰に飛びつき、欲望の赴くままに貪り始めてしまった。そして刻印を刻もうとしていた事にハッとなり、直前で止めた。

　最後までしなかった事にアトランジェは怒っていた。

「なぜです？シェリー様のように刻印を刻んでくれないのですか？私じゃだめなのですか？」

　俺は彼女と向き合い、シーツを掛け、きちんと話しをする事にした。

「すまない。不思議なのだけど、確かに今の君は俺が元いた世界でも結婚出来る年齢の大人の女性の体にしか見えない。俺は君の美しい躰を見て我を忘れ、つい求めてしまった。それは悪い事じゃないとは思うんだが、刻印を今刻まなかったのには理由があるんだ。今この場でというのは、ダンジョンの中で刻印を刻む事になる。ダンジョン内でそれをする訳にはいかないんだ。君がどうこうという訳ではなく、場所が悪いんだ。失敗したら目も当てられないから慎重に行きたい。それに幻影で見たのは別の場所だそ」　　　
　
　アトランジェは落ち着いて話を聞いていた。

「それともうひとつは君とちゃんとデートをしていない。レフ達から聞いていると思うが、基本的に刻印を刻む前に丸一日時間を掛けてちゃんとしたデートをし、それから刻印の儀を行う事にしているんだ。だからこんな殺伐としたダンジョン内で刻印を刻みたくはないんだ。そもそもこのダンジョン内にてきちんと刻印が刻まれるかどうかが分からない。そもそも刻印とはどういうものかきちんと分かっているのかい？」

「はい。ランスロット様の女になると言う事ですよね。そんな目で見ないでください。冗談ですから。セレナ様から教えて貰っていますから、大丈夫だと思います。刻印者同士で念話が可能になると聞いております。」

「それだけしか知らないのか？」

「はいそうですね」

「一部例外はいるけども、妻達の年齢が皆二十歳ぐらいだというのには気が付いているかい？」

　アトランジェは頷いていた。

「もちろんクロエ達のように20代後半から30代の者もいる。基本的に少女だった者も二十歳になるのを待って刻印を刻んできたんだ。」

　首を傾げており、その理由をアトランジェは知らないようだった。

　刻印というのはどういうものかを、俺は彼女にきちんと説明をしていた。

　刻印を刻む事で俺の妻となり、肉体年齢が俺が死ぬまで固定される。

　心の浮気それをすると刻印が解除されるということも伝えた。ただ、強姦されたりした場合は浮気ではないから大丈夫だと。但し、そいつは生まれて来た事を後悔する程の苦痛を味わう事になるだろうと伝えたのであった。

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