430 / 527
第1章
異質
しおりを挟む
領主の館に着いたが、領主が玄関先に出ており、領主自ら出迎えられ、そのまま護衛の者達と目的の店の所まで馬車で移動した。かなり憔悴していた。
目的の店は2階建ての建物で、一階が店舗で2階が事務所兼倉庫になっているようだった。この町は2階建ての建物が多く、新たに建てる場合は基本的にコンクリート作りの外壁をしており、従来の建物の多くは木で作っていると言っていた。コンクリート作りでも流石に屋根は違う。
目的の店はすぐに分かった。何故ならば、兵士達が取り囲んでおり、近隣の者を近づけないようにしていたのである。
俺達による調査を邪魔しないようにとの配慮だろう。
目的の場所に着くなり俺は妻達をおんぶにだっこ、腕にぶら下げさせ、飛翔していた。なので皆ズボンを履いてもらっている。
上空から落下ポイントに降りて行き、死体があったところを確認していた。そして落下していたところから少し離れたところにシートが掛けられた死体と思われる者が寝かされている。
また、俺が飛んでいったものだから、慌てた領主や護衛の者達が建物の中に入ってきた。領主は俺が中を物色しているのを見てため息をついていた。安堵のため息かもわからない。
そう俺は上から入るよとは言わなかったので、何をするのか分からず、皆驚いていたのだ。
そして建物の警備に当たっていた者の中で、おそらく隊長をしている者が入ってきた。
「こちらが例の死体になります。どうぞシートを取ってご覧ください。この建物から運び出したものか迷った為、この場に保管し、立ち入り禁止にしておりました。」
この者は一言でいうと青き異人だ。そう、肌の色が青いのだ。
人間にかなり似ているのだが、違いはと言うと肌の色と額にある小さな石?おそらく角なのであろう部分だ。少なくとも俺は角だと認識した。体や顔つきは人間のそれと大して変わらなかった。背丈もそうだ。
人間基準でみるしかないが、どうもこの者は顔つきといい、体つきといい女性のようである。人間のそれと性別の違いによる体つきの違いが一緒であればの話ではある。着ている服は体にピタッとくっつくボディスーツのような感じの物で、ボディラインがはっきりと出ている。ただ違和感があった。そう左腕がなかったのだ。
俺は隊長に聞いた。
「左腕はどこにある?」
隊長が困惑した顔で答えた。
「私どもも捜索をしたのですが、周辺に腕は落ちておりませんでした」
俺は頷き切断面を見ると、どう見ても鋭利なものでスパッと切られ、かさぶたすらできていない。なので落下する直前に腕を失ったのであろうと判断した。死体の傷み具合からというよりも、死体発見当時の話を聞く限り、発見した時には既にす息をしていなかったし、冷たくなっていたと言う。
ただその時に、店の者が感じた話では、少なくとも生きていたとしても動き回る事はできなかったであろうと言う。血は死体が見つかったところに固まっており、動いた痕跡がなかったと言う。
考えられそうな事が二つある。腕を失った後に命を失い、落ちてきた。又は腕を失った後、落下中はまだ生きており、落下によるダメージで死んだ。
どちらにしろ落下した直後に死亡もしくは死んでいたと言うことになる。酷い状態で、妻達を連れて来た事を少し後悔したのであった。
目的の店は2階建ての建物で、一階が店舗で2階が事務所兼倉庫になっているようだった。この町は2階建ての建物が多く、新たに建てる場合は基本的にコンクリート作りの外壁をしており、従来の建物の多くは木で作っていると言っていた。コンクリート作りでも流石に屋根は違う。
目的の店はすぐに分かった。何故ならば、兵士達が取り囲んでおり、近隣の者を近づけないようにしていたのである。
俺達による調査を邪魔しないようにとの配慮だろう。
目的の場所に着くなり俺は妻達をおんぶにだっこ、腕にぶら下げさせ、飛翔していた。なので皆ズボンを履いてもらっている。
上空から落下ポイントに降りて行き、死体があったところを確認していた。そして落下していたところから少し離れたところにシートが掛けられた死体と思われる者が寝かされている。
また、俺が飛んでいったものだから、慌てた領主や護衛の者達が建物の中に入ってきた。領主は俺が中を物色しているのを見てため息をついていた。安堵のため息かもわからない。
そう俺は上から入るよとは言わなかったので、何をするのか分からず、皆驚いていたのだ。
そして建物の警備に当たっていた者の中で、おそらく隊長をしている者が入ってきた。
「こちらが例の死体になります。どうぞシートを取ってご覧ください。この建物から運び出したものか迷った為、この場に保管し、立ち入り禁止にしておりました。」
この者は一言でいうと青き異人だ。そう、肌の色が青いのだ。
人間にかなり似ているのだが、違いはと言うと肌の色と額にある小さな石?おそらく角なのであろう部分だ。少なくとも俺は角だと認識した。体や顔つきは人間のそれと大して変わらなかった。背丈もそうだ。
人間基準でみるしかないが、どうもこの者は顔つきといい、体つきといい女性のようである。人間のそれと性別の違いによる体つきの違いが一緒であればの話ではある。着ている服は体にピタッとくっつくボディスーツのような感じの物で、ボディラインがはっきりと出ている。ただ違和感があった。そう左腕がなかったのだ。
俺は隊長に聞いた。
「左腕はどこにある?」
隊長が困惑した顔で答えた。
「私どもも捜索をしたのですが、周辺に腕は落ちておりませんでした」
俺は頷き切断面を見ると、どう見ても鋭利なものでスパッと切られ、かさぶたすらできていない。なので落下する直前に腕を失ったのであろうと判断した。死体の傷み具合からというよりも、死体発見当時の話を聞く限り、発見した時には既にす息をしていなかったし、冷たくなっていたと言う。
ただその時に、店の者が感じた話では、少なくとも生きていたとしても動き回る事はできなかったであろうと言う。血は死体が見つかったところに固まっており、動いた痕跡がなかったと言う。
考えられそうな事が二つある。腕を失った後に命を失い、落ちてきた。又は腕を失った後、落下中はまだ生きており、落下によるダメージで死んだ。
どちらにしろ落下した直後に死亡もしくは死んでいたと言うことになる。酷い状態で、妻達を連れて来た事を少し後悔したのであった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4,338
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる