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第1章
ただいまと新たな問題
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2度目の異世界召喚は始まったと思ったら直後に突然終わった。俺以外は床に片膝を付き、肩で息をしている感じだったが、俺は違った。
意識が朦朧とし、体も動かない。また、召喚を行っている部屋の天井付近から落下していた。誰かの悲鳴が聞こえ、落下している最中の俺に駆け寄ろうとした者もいたようだが、あっという間の出来事に誰も間に合わず、俺は床に叩きつけられた。高さ10m位からで、どうする事も出来なかった。どうやら肋骨が折れたようだ。
気配や刻印者の数が20名を超えている事から、元の世界に戻ったのだと分かった。
折れた肋骨が内蔵を傷つけ、俺は血を吐いており、誰かに起こされて治療されていた。
数分で皆立てるくらいにまで回復し、漸く起き上がった。
皆も助け起こされ、介抱されていた。
俺も辺りを見渡し、刻印者がというか、刻印者以外はシャットアウトしたようだが、一番最初にセレナと共に召喚された所にいた。この部屋は少しくたびれ補修はされているが、間違いない。ただ、誰かが倒れている気がした。
俺はようやく一言発した
「ただいま。随分待たせてしまった。申し訳ない。まだ召喚の影響でフラフラだが、なんとか大丈夫だ。ルシテルはどうした?気配がないな?召喚はルシテルが行ったのじゃないのか?それと彼女達については後で説明するが、向こうで妻になった者達だ。仲良くしてやってくれ」
するとナンシーが前に出てきた。
「長かったわ。でも戻れて良かった!ルシテルが今ね死んじゃった。あの子のばか!こうなると分かっていたようなの。本来召喚は一人一度のみしか出来ないの。皆に嘘をついて命と引き換えで行ったのよ。さっきセレナから聞いたのだけれども、ルシテルからセレナとランスを平和な世界から呼び寄せた罪滅ぼしだから、皆には事が終わるまで言わないでと。セレナだけが言われていたのよ」
俺は部屋の片隅に寝かされているルシテルの所に駆けつけてよく見た。
「大丈夫だ。死者蘇生を使えば行けるさ」
「そうじゃないの。死者蘇生で生き返る事ができるからと、シェリーとセチアが生贄になってくれて二人も死んじゃったの。そこにルシテルも死んでしまい死んだのが3人なのよ!死んだのが二人なら、一人はアリアが時間差で生き返らせる事が出来るけど、3人だと誰かが一人が生き返れないの!ううう」
妻達の後ろに寝かされているシェリーとセチアの所に駆けつけ、やはりただ死んだだけで、死者蘇生で生き返らせる事が可能だと分かった。
「大丈夫だ、問題ない。それにクレアが止めなかったのだろ?クレアには召喚で一時的に死んでも全員生き返ると分かっていたから止めなかったのだろ。違うか?」
クレアは頷いていた。そして誰がいるのかと居ないのかを確認しているとエレクトラ、マイア、クロエ、この3人も俺の視界になかった。まさかと思いジャンプして部屋全体を見ると、思った通りで魔法陣の六つの角に合計6人が横たわり、息絶えているのが分かった。ナンシーはどうやら知らなかったらしい。
事実を知る者は正直クレアとルシテルだけなのだろう。また、ルシテルが誰を生贄にするのかを選んだのだと思う。誰かは志願したのであろう。志願しなかった者で犠牲になった者達はルシテルがどういう基準で選んだのか分からないが、おそらく俺を召喚する為に自分と一緒に死んでくれとお願いしたのだろう。掛けても良いが、頼まれた者は誰一人として断らなかった筈だ。他の者の為に己を犠牲にしようと思ったのであろう。誰かが死ななければならないからと。
ルシテルに聞かないと分からないが、誰かを選んでお願いするという事は厳しいだろう。お願いするとしたらナンシーが知っていた二人のみで、彼女達は生き返る条件を付けて選んでいるのだろう。ルシテルはくじか何かで誰を生贄にするのかを選んだのであろうとは思う。
それと俺はもう一つ重大な事に気が付いた。そう、刻印をしていない者達の存在をこの場では感じないのだ。おそらく別の所にいるのだろう。
俺は確認した。
「刻印を刻んでいない妻になる筈だった水樹達はどうしている?まだ生きているのか?」
するとナンシーが答えた。
「まだ全員生きてはいるけれども、今の年老いた姿をランスには見られたくないと言うの」
「それは・・・そうか、そうだよな。分かったよ。じゃあ、彼女達の指を切り落とし、誰か彼女達を今すぐ殺して来て来れ」
俺は衝撃的な命令を下したのであった。
意識が朦朧とし、体も動かない。また、召喚を行っている部屋の天井付近から落下していた。誰かの悲鳴が聞こえ、落下している最中の俺に駆け寄ろうとした者もいたようだが、あっという間の出来事に誰も間に合わず、俺は床に叩きつけられた。高さ10m位からで、どうする事も出来なかった。どうやら肋骨が折れたようだ。
気配や刻印者の数が20名を超えている事から、元の世界に戻ったのだと分かった。
折れた肋骨が内蔵を傷つけ、俺は血を吐いており、誰かに起こされて治療されていた。
数分で皆立てるくらいにまで回復し、漸く起き上がった。
皆も助け起こされ、介抱されていた。
俺も辺りを見渡し、刻印者がというか、刻印者以外はシャットアウトしたようだが、一番最初にセレナと共に召喚された所にいた。この部屋は少しくたびれ補修はされているが、間違いない。ただ、誰かが倒れている気がした。
俺はようやく一言発した
「ただいま。随分待たせてしまった。申し訳ない。まだ召喚の影響でフラフラだが、なんとか大丈夫だ。ルシテルはどうした?気配がないな?召喚はルシテルが行ったのじゃないのか?それと彼女達については後で説明するが、向こうで妻になった者達だ。仲良くしてやってくれ」
するとナンシーが前に出てきた。
「長かったわ。でも戻れて良かった!ルシテルが今ね死んじゃった。あの子のばか!こうなると分かっていたようなの。本来召喚は一人一度のみしか出来ないの。皆に嘘をついて命と引き換えで行ったのよ。さっきセレナから聞いたのだけれども、ルシテルからセレナとランスを平和な世界から呼び寄せた罪滅ぼしだから、皆には事が終わるまで言わないでと。セレナだけが言われていたのよ」
俺は部屋の片隅に寝かされているルシテルの所に駆けつけてよく見た。
「大丈夫だ。死者蘇生を使えば行けるさ」
「そうじゃないの。死者蘇生で生き返る事ができるからと、シェリーとセチアが生贄になってくれて二人も死んじゃったの。そこにルシテルも死んでしまい死んだのが3人なのよ!死んだのが二人なら、一人はアリアが時間差で生き返らせる事が出来るけど、3人だと誰かが一人が生き返れないの!ううう」
妻達の後ろに寝かされているシェリーとセチアの所に駆けつけ、やはりただ死んだだけで、死者蘇生で生き返らせる事が可能だと分かった。
「大丈夫だ、問題ない。それにクレアが止めなかったのだろ?クレアには召喚で一時的に死んでも全員生き返ると分かっていたから止めなかったのだろ。違うか?」
クレアは頷いていた。そして誰がいるのかと居ないのかを確認しているとエレクトラ、マイア、クロエ、この3人も俺の視界になかった。まさかと思いジャンプして部屋全体を見ると、思った通りで魔法陣の六つの角に合計6人が横たわり、息絶えているのが分かった。ナンシーはどうやら知らなかったらしい。
事実を知る者は正直クレアとルシテルだけなのだろう。また、ルシテルが誰を生贄にするのかを選んだのだと思う。誰かは志願したのであろう。志願しなかった者で犠牲になった者達はルシテルがどういう基準で選んだのか分からないが、おそらく俺を召喚する為に自分と一緒に死んでくれとお願いしたのだろう。掛けても良いが、頼まれた者は誰一人として断らなかった筈だ。他の者の為に己を犠牲にしようと思ったのであろう。誰かが死ななければならないからと。
ルシテルに聞かないと分からないが、誰かを選んでお願いするという事は厳しいだろう。お願いするとしたらナンシーが知っていた二人のみで、彼女達は生き返る条件を付けて選んでいるのだろう。ルシテルはくじか何かで誰を生贄にするのかを選んだのであろうとは思う。
それと俺はもう一つ重大な事に気が付いた。そう、刻印をしていない者達の存在をこの場では感じないのだ。おそらく別の所にいるのだろう。
俺は確認した。
「刻印を刻んでいない妻になる筈だった水樹達はどうしている?まだ生きているのか?」
するとナンシーが答えた。
「まだ全員生きてはいるけれども、今の年老いた姿をランスには見られたくないと言うの」
「それは・・・そうか、そうだよな。分かったよ。じゃあ、彼女達の指を切り落とし、誰か彼女達を今すぐ殺して来て来れ」
俺は衝撃的な命令を下したのであった。
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