エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第5章

起きた

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 俺は何とか吐き気を我慢していた。咽ながら目覚めたのだが、まあ、いつもの事だが死者蘇生を使ったっぽい。

 これもいつもの事だが、前後の記憶が混乱している。ただ今はダンジョンに入っているという事だけは分かっているので、目覚めた瞬間に周りを見渡した。

 ここはシェルターの中だという事は見れば分かる。そして周りを見ると、四人共居たのでまずは一安心である。俺が目覚めた事に気が付いたレフトアイが

「ランス、大丈夫なの?」

 そう言い水の入ったグラスを出してきた。トリシアが背中をさすってくれたが、今回はなんとか踏みとどまる事が出来たようで吐かなくて済んだ。

 ぜーぜーはーはーと言いながら今回は誰だったんだったんだといつの間にか呟いていたが反応があった

「私です」

 レフトアイが返事をする。何があったのかを聞くとリギアが説明をしてくれた。

「ランス、貴方はトラップを踏んでしまったの。そしてトラップの発動と同時にレフが貴方と入れ替わったよ。そしてレフが貴方に代わりトラップにより切り刻まれて死んじゃったの。そして今に至るのよ」

 ざっくりと概要を話してくれた。それで十分だった。時間と共に思い出してくるだろう。これもイツモの事だ。ただ一つ言えるのは、レフトアイが一度死んだにしろ、今は全員生きている。それで十分だ。

 お腹が空いているので肩を貸して貰って食堂に行き、そこで食事を皆でする事になった。予め俺が収納から出して置いたであろう食事は、まだ手がつけられてはいなかった。

 俺の分を出し、皆でゆっくり食事をしながら俺の状態が回復するのを待っていた。すると段々と何があったのかを思い出してきて、食事が終わる頃には殆ど思い出していた。食事が終わった後、俺はレフトが痛い痛いと言う位に強くレフを抱きしめていた。

 酷な話だが、彼女達は死んでも大丈夫だ。俺が生き返らせるからだ。まあ、簡単に言えばそれだけの話である。レフトアイは文字通り身代わりになり、己を犠牲にして俺を守ったのだ。彼女達も俺が無事であれば必ず生き返らせてくれると信じているからこそ、俺を守る為に体を張れる。

 男としてそれはどうかとは思うが、そういう能力が今は有るので、今後も同じような状況が発生するのだろうとは思ってはいる。

 それと気の所為かレフトアイの胸が大きく見えるので、今度じっくり確かめよう。大事な事だ。胸は正義だ。

 それと俺は3時間程寝ていたらしい。これもいつもと大差はなかった。

 レフに体の事を確認したが、体力的にはほぼ回復し、先に進んでも大丈夫だと言っていたが、40階層はおそらくボス部屋だ。何があるか分からないので、今日はボス部屋に挑むのを止め、ゆっくり休憩をし、万全の体調で翌日ボス部屋に挑む事にしたのであった。


 

 
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