エラーから始まる異世界生活

第５章

リギアの刻印

　俺はリニアに夢中になっていた。リギアと知り合ったのは、彼女が16歳になったばかりの時で、それから約4年が経過した。

　ようやくリギアが正式に俺の妻になった。見た目は完璧な美女で、あちらの世界で生まれた者の中で、今のリギアより美しい者はいないだろうと断言しても良い。勿論個人の主観に依るが。胸も俺の妻の中ではナンシーといい勝負をする大きさであるが、大きいが垂れ下がってしまうような事もなく、綺麗な形でその存在を主張している。


　彼女を一目見て皆どこを見るだろうか？その美しい顔だろうか？服装にもよるがやはりその胸に目がいくのであろうとは思う。少なくとも俺は真っ先に胸を見た。顔をちら見して顔と胸を紐付けていた。

　リギアは人前では完璧な淑女を演じる事ができる。仕草、言葉遣い、会話内容全てが洗練されている。元々そういう事ができたのだが、仲間といる時は本来の性格が出ており、考えを整理する前に言葉が出てしまう。その為残念な会話が多かった。それはそれで面白いのだが。

　彼女はあまりにも艶っぽかった。クロエと良い勝負ができる妖艶さだ。

　彼女のその美しさもあり、俺のはっちゃけ度はかなりのものだった。かなりの負担を掛けさせてしまった筈なのだが、彼女に俺は愛していると何度も連呼し、彼女を激しく求めたが、それを嬉しがっていた。見た目より体力があり意外にも翌朝はけろっとしていた。

　刻印の儀の後のクールタイム中にリギアは疲れから寝ていった。そして朝になり刻印が無事刻まれている事が確認でき、彼女は泣いて喜んでくれていた。

　あまりにも愛おし過ぎて、気が付いたらずっと抱きしめ、朝食の時間を過ぎてしまった。彼女をひたすら抱きしめながら背中をさすっていた。朝食に来ないので心配したトリシアが呼びに来てくれてハッとなり、慌てて着替えて食事に行った。改めてリギアは皆から祝福されていた。

　そしてそれから2日後にふと収納の中にある物を確認していたら日本製の手帳が出て来た。そう、日記を発見したのだ。ペラペラとめくっていたが気になるページが有った。何かの部品の図面が書かれており、よく調べるとそこには自転車の図面があったのだ。
　タイヤのゴムとチューブを除き全て製造できる技術はこの世界にはあると思っている。

　ふと思い付き、図面を紙に書き写した。職人達に図面を渡し、部品を作るようにお願いした。組み立ては全体像を知ってい、リ俺にしか出来ない。

　その為に久々に街に行ったのである。勿論妻達とのデートは別だ。今回はランスロットとしての訪問である。妻達とのデートの時は変化の指輪を使い、ランスロットと分からないようにしているからだ。

　今の段階でどうにもならないのがやはりタイヤとゴムチューブだ。荷車や馬車の車輪は木製である。偶に鉄製もあるが稀である。

　俺は日記をまともに読まなかった。気になるところだけを見ている感じだった。ただ中身を見てもこれが己が書いた日記だという事が理解できていなかったのだ。これは誰の物だろうか？自転車の図面があるぐらいだから過去の転移者の日記や、あの死んだ高校生達の誰かの日記を収納に入れていたのかな？位にしか思っていなかったのであった。