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第5章
修繕の打ち合わせ
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屋敷の応急的な補修が一通り終わったので、エリア毎にちゃんとした補修を行っていく。
年長者の何人かにも修繕の為の打ち合わせに参加して貰っていた。その打ち合わせの後、今回の補修の総括をお願いした大工の様子がおかしかった。
そわそわしているので俺は尋ねた。
「棟梁、どうかしたのかな?先程からマーリンの事を気にしているようだが、何か気になるのかい?」
「ランスロット殿、一つお尋ねしたい事が有ります。彼女は確かにマーリンなのですね?」
「なんだ知り合いかい?」
「知り合いだと思うんですが、いかんせ年齢が違うんです。今の彼女は29歳の筈なんです。ですがどう見ても20歳位なんで、同じ名前の別人なのかな?って気になっていたんですよ」
「あーそういう事か。実は彼女達は色々有って一度死んでいるんだ。俺が死者蘇生を行ったんだが、その時に20歳以上の者が20歳の体にまで若返事ができてしまったんだよね。だもののだから、棟梁の云っているマーリンは彼女で間違いないと思うよ。なんなら話し掛けるといいよ。ちなみにどういった関係だい?」
「はい。あいつとは幼馴染なんです。ただあっしの姿を見ても彼女は子供の頃の事しか知らないようなので、誰かは気付いていないようなんです」
「そんなに心配だったら俺が取り持ってやろうか?」
「じゃあ、あの申し訳ありませんが、彼女に大工の棟梁が呼んでいると、確認たい事がが有るとだけ伝えて頂けさえすれば、後はなんとか自分でしますので」
「分かった。一応彼女達はこの街に残る者だ。別の町に行く者もいるが、少なくともマーリンは親がこの街にいるから、この街に止まるよ」
「あ、あの、それと不躾な事を聞きますが、何人かの竜の巫女が貴方様の妻になったと聞いておりますが、その彼女は?」
「彼女はこの町に残る者だ。
基本的に親兄弟がこの街にいる者はこの街に残るから、妻にする対象からは外れているんだ。孤児だった者の一部だけが別の世界に旅立って行くだけだよ」
棟梁は心底安心していた。
「俺の妻達はヒナタの屋敷に今も残っているんだ。ちょっと待ってろ今マーリンを呼んできてやるよ」
そしてマーリンを連れてくると、棟梁がモゾモゾとしていた。
「あのう、ランスロット様に棟梁殿の所にお話を聞きに行くようにと言われたのですが、いかがいたしましたか?」
「あのう、その、まりっぺだよな?」
「どうしてそれを?」
「やっぱりな。まあ、20年も経っているから見ても分からないよた。俺だよ。バッドの息子のボギーだよ」
「えっ?泣き虫ボギー?」
「さすがに恥ずかしいからそんなふうには言わないでくれよ」
「うふふ。姿は変わったけど、中身は変わらないのね。お久しぶりね!」
この大工の棟梁は昔彼女が子供だったぞ頃に将来を誓い合ったという。そして律儀に誓いを守り、未だに独身だというのだ。
彼女も思い出したようで、俺の事が気になりチラチラと見ていたので
「恋人同志だったか。うん、そうだな2人でこの屋敷の事をきちんと考えて、どんな屋敷にするか決めるといいさ。俺は別の事をやるから、君達2人に任せても良いかい?」
2人は頷いていた。20年振りの再会である。思う所もあるだろうが、俺はこの2人の幸せをただただ祈るばかりだった。
年長者の何人かにも修繕の為の打ち合わせに参加して貰っていた。その打ち合わせの後、今回の補修の総括をお願いした大工の様子がおかしかった。
そわそわしているので俺は尋ねた。
「棟梁、どうかしたのかな?先程からマーリンの事を気にしているようだが、何か気になるのかい?」
「ランスロット殿、一つお尋ねしたい事が有ります。彼女は確かにマーリンなのですね?」
「なんだ知り合いかい?」
「知り合いだと思うんですが、いかんせ年齢が違うんです。今の彼女は29歳の筈なんです。ですがどう見ても20歳位なんで、同じ名前の別人なのかな?って気になっていたんですよ」
「あーそういう事か。実は彼女達は色々有って一度死んでいるんだ。俺が死者蘇生を行ったんだが、その時に20歳以上の者が20歳の体にまで若返事ができてしまったんだよね。だもののだから、棟梁の云っているマーリンは彼女で間違いないと思うよ。なんなら話し掛けるといいよ。ちなみにどういった関係だい?」
「はい。あいつとは幼馴染なんです。ただあっしの姿を見ても彼女は子供の頃の事しか知らないようなので、誰かは気付いていないようなんです」
「そんなに心配だったら俺が取り持ってやろうか?」
「じゃあ、あの申し訳ありませんが、彼女に大工の棟梁が呼んでいると、確認たい事がが有るとだけ伝えて頂けさえすれば、後はなんとか自分でしますので」
「分かった。一応彼女達はこの街に残る者だ。別の町に行く者もいるが、少なくともマーリンは親がこの街にいるから、この街に止まるよ」
「あ、あの、それと不躾な事を聞きますが、何人かの竜の巫女が貴方様の妻になったと聞いておりますが、その彼女は?」
「彼女はこの町に残る者だ。
基本的に親兄弟がこの街にいる者はこの街に残るから、妻にする対象からは外れているんだ。孤児だった者の一部だけが別の世界に旅立って行くだけだよ」
棟梁は心底安心していた。
「俺の妻達はヒナタの屋敷に今も残っているんだ。ちょっと待ってろ今マーリンを呼んできてやるよ」
そしてマーリンを連れてくると、棟梁がモゾモゾとしていた。
「あのう、ランスロット様に棟梁殿の所にお話を聞きに行くようにと言われたのですが、いかがいたしましたか?」
「あのう、その、まりっぺだよな?」
「どうしてそれを?」
「やっぱりな。まあ、20年も経っているから見ても分からないよた。俺だよ。バッドの息子のボギーだよ」
「えっ?泣き虫ボギー?」
「さすがに恥ずかしいからそんなふうには言わないでくれよ」
「うふふ。姿は変わったけど、中身は変わらないのね。お久しぶりね!」
この大工の棟梁は昔彼女が子供だったぞ頃に将来を誓い合ったという。そして律儀に誓いを守り、未だに独身だというのだ。
彼女も思い出したようで、俺の事が気になりチラチラと見ていたので
「恋人同志だったか。うん、そうだな2人でこの屋敷の事をきちんと考えて、どんな屋敷にするか決めるといいさ。俺は別の事をやるから、君達2人に任せても良いかい?」
2人は頷いていた。20年振りの再会である。思う所もあるだろうが、俺はこの2人の幸せをただただ祈るばかりだった。
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