エラーから始まる異世界生活

第５章

会議

　会議を始めるにあたり、地図にて各町の位置を確認していた。

　実は各々の街の交流が全くない。そう町と街の移動が基本的にできないのだ。
　何故なら多くの魔物達が闊歩しており、かなり危険な為に街道もなく、昔は街道があったのだが、魔物が現れ始めたのはドラゴンが現れてからであったと伝えられているそうだ。

　町と街の行き来ができなくなり、町の外の極僅かなエリアにしか行動範囲がなかった。

　畑も荒らされる事が多く、中々できなかったが、魔物に荒らされない種類の作物をいくつかの場所で育てていたりする。

　収穫や農作業は大勢の警備を伴って周りを警戒しながら農作業をしていた。そう町の防壁の中だけでは多くの者を養う為の農作物が作れなかったからだ。

　また、俺がヒナタの街等と言っているのは、かつては町には名前があった。だが他の町との交流が出来なくなってからは、わざわざ町の名前を呼ぶ必要がなくなり、ただ町としか誰も言わなくなっていたのだ。多くの者が町の名前知ら知らないのだ。

　ジョンが支配する町も、ヒナタが支配する町もある意味隣接している町だという事が地図から分かった。隣接しているとはいっても、各々の町は2キロから10キロ程離れている。

　ヒナタの支配する街もジョンが支配する町も教育レベルは似たり寄ったりである事が何となく分かった。


　ヒナタの所に送られていた女性達の多くは孤児だった。6割方が孤児だった為に俺は提案をする事にした。彼女達もどこの町に行くかというのには特にこだわりがあるわけではない。その為にヒナタの町に残す女性は親がいる者達にする。そう、この町に残る者だけはそうやって選んだ。他の町は孤児達を分散させる事にし、それを提案した。大会議室で年長者の多くがその様子を見守っていた。

　全てと今は言わないが、ジョンの妻達の何人かが参加していた。そう子守がある為に全員が来れなかったのだ。勿論人の姿でだ。

　そして参加している多くの孤児だった女性達は賛成してくれた。

　そう、自分達の居場所ができるからである。今のままでは居場所がないのだ。同じような学校をヒナタの所の女性達を中心とし、勿論各々の町の行政からの支援も必要なのだが、少なくとも教育をする教師として彼女達は最適だと判断してくれた。

　何俺はこの町をいや、この世界をいずれは去る。せめて彼女達の居場所作りたかった。そして少なからず関わったこの町の発展にできれば寄与したい。かといって俺の知っている地球での技術レベルを教えて行くわけにもいかない。そう言った本来ないはずの発明品などは世界を滅ぼすだけにしかならないからだ。そして各町にほぼ等分するのに、チーム分けをするのだが、特にリーダーとして誰を据えるかになり、ヒナタの評価で決め、チーム分けを俺を含め議論するのであった。