エラーから始まる異世界生活

第５章

宿題

　俺はジョンに宿題を課していった。宿題といっても服を集めて貰う課題だ。お金を置いておいて、このお金で買える範囲の女性用の服を提供して貰うよう、あくまでもお願いをするようにと言ってある。脅迫等で出させてはダメだと、一応ストーリーは伝えてある。とある町で火災があり、多くの若い女性達の服が燃えてしまい、替えの服を失った女性達が困っている。なので、その街への服等の救援物資を確保したい。その為に各町から数着ずつだけでも良いので送れる服があると助かる。

　というような内容で説明し、お願いをするようにと伝えた。やり方は任せるとは言ってある。回収と送付は俺がやるから、街にて集めて貰う迄の指示だ。

　大量に用意しろとは言ってない。当面着る服があれば事足りると伝えてあり、売っているものだとか、不要になったものなど問わないと。

　対価を払い買い取るようにと言ってある。但し急ぐと伝えるとジョンの妻達がジョンにこうすればいい、あすればいいと相談やアドバイスを行い、結局街には女性陣が向かう事となった。

　ジョンは今日の所はお留守番だという。幼体がいるので、少なくとも一体は巣に残る必要が有るという。それを話し合い、確かめてからヒナタの所を目指し、ゲートを出して俺は去っていった。


　その日は何度かヒナタの屋敷と首席顧問の屋敷をいったりきたりをしていた。元々孤児の者が沢山おり、流石にその者達の引き取り手がいない。

　やはり当初考えていた通りに彼女達だけで過ごす場を作らねばならぬと感じていた。または別に考えている案が可能か確かめなければだった。

　夕方になりヒナタを屋敷に戻し、俺の方は何人かの女の子が家族がいない為行き先がなく、首席顧問の屋敷で泊まる事になった。その為俺がこちらで泊まる事になる。

　そして顧問達と暫く話し合いをしていたのだが、今後についての話だ。もはやドラゴンは脅威ではないと。この後統治を託すドラゴンも基本無干渉で、これまでは年に1度最低限の貢物をさせていて、それも生活に必要の無いような宝剣の類、宝石の類そういった物で済まさせていたと。

　そして今日連れてきた女の子達の教養の高さに驚いていた。
　そんな彼女達もヒナタから言わせると、色々な事を教えている最中だと言う。学校のようなものがないのかを聞いたが、そういうものがないと言うのだ。それではとヒナタの屋敷にいる女性達に先生になって貰い、街の子供達に教育を施すのはどうかという話をした。

　町の発展には高等教育を受けた者の活躍が不可欠だと説き伏せた。確かに教育を受けていない傑物が活躍する事もあるがイレギュラーなケースであって、やはりしっかりと教育を受けた者が中心となり、街の発展に寄与する事の方が多いからである。100年に1度の傑物を待っていてはいつまでも発展はしないものである。

　そうこうしていると夕食の時間になり、夕食と入浴を済ませた後、俺は一旦屋敷に戻り、皆にクリーンを掛け、それから休む事となったのであった。