エラーから始まる異世界生活

第５章

ジョンへの対処

　俺は次の対処に動いた。

　屋敷に戻り、皆に以下の事を話した。
　引き渡しが順調に進んでいる旨と、日が浅い為比較的受け入れられている。また、所作や話し方がかなり上品な為に驚きを隠せず、立派なレディになっていた娘の姿に涙していた。姉妹がいる者は18歳が最年長だったが同時に引き渡しをしていたが、その時の様子をまずは伝えた。

　欠損修復した二人は疲れから休んでいたので、彼女達の相手をするつもりだったのを変更し、ジョンへの対処に切り替えた。

　ジョンを軟禁している部屋に行くと、臭かった。
　男性が使えるトイレにしか行道の自由を与えていなかったのが原因で、排泄を部屋の中でやらざるを得なかったからだ。これは俺のミスだ。奴隷紋の為、女性用のトイレに入れなかったと言っていた。男性用の唯一のトイレは跡形もなくなくなっていたからだ。

　俺は素直に謝ったが、驚かれた。即時部屋とジョンにクリーンを掛け、ジョンにより死んだ者が生きかえった旨を説明し、恩赦を与える事にした。

　ジョンの住処へ戻る事の許可だ。
　とりあえずジョンの背中に乗り、住処へ案内させた。

　約30分で着いたのだが、以外だったのは山肌にある洞窟に巣があった。

　巣に降り立つと数頭のメスのドラコンが、各々1，2頭のドラコンの幼体と共に現れた。

「みんな済まない。私はこの方に負け、配下に入った。配下に入ったと言えば聞こえが良いかランスロット様の支配下に置かれ、逆らえない。お前達では束になっても勝てる相手ではないので逆らわないように」

　一頭のメスのドラコンが出てきて

「畏まりました。我らの主がまさか負けようとは。怪我はありませんか？」

「去勢されてしまったよ」

　するとメスのドラコンが皆出てきた。全部で6頭いたが、皆頭を垂れて治してあげて欲しいと懇願をしてきた。

　子供のドラコンもジョンにすり寄っていた。

　何故か皆に頼られ、好かれていた。

「お前、ひょっとしてメスを屈服させたあとはちゃんとした家族になっていたのか？」

「失礼ですが、ランスロット様はドラコンの事を知らなさ過ぎます。強いオスに付き従うメスを養い大切にするのは強いオスのドラコン役目。ヒナタ様が異質なのです。大の男嫌いのようですな」

　それから色々話し合った。
　支配している街からは年に一度貢物をさせるだけで、特に干渉はしていないのだと。
　巣を見たが、宝剣やら、宝石類を貢物にしているのだと。面倒なので、ドラコンとしての責務として年に一度支配下の街に行き、視察をする必要がある。支配している街の多さと発展具合がドラコンの力の誇示の一つの為、人間には敵対しなければ興味がないという。

　ヒナタの屋敷に大勢の人がいたとは知らなかったらしい。

　嘘を禁じたから本当に知らなかったようだ。
　ジョンにはヒナタの配下にある街も配下に加え、守り発展させるように誓わせた。
　人間は敵対しなければ攻撃せず、配下の街の人間は守護する対象とさせた。

　少なくとも妻にしているメスのドラコン達は自ら希望してジョンの配下に入ったと。

　ジョンの配下や子らには主従契約をさせた。
　また、先の守護者となり、いずれこの世界を統一し、平和の守り神的な位置に着く事を条件に欠損修復をした。

　ドラゴンの性質を知らなかったが、ヒナタに対しては強引に行き過ぎたとは言っていたが、普通は強いドラコンのハーレム入りがドラコンの幸せだと言う。

　また、今後ヒナタと長老の所に行ってくれるという。
　よくわからなかったが、人に危害を加えないなら、配下として任せた方が良いと判断し、ヒナタの元に単独で戻る事にしたのであった。