エラーから始まる異世界生活

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第5章

治療方針

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 可愛そうなその6人は顔の形が崩れたり手足がなくなってしまったり、肌に鱗が出ているのだと云う。また、皆乳房がなくなっていたりと女性として死んだ方がマシだという状況になっているというのだ。俺は気をしっかり持って挑まないと、気絶しかねないと自分に言い聞かせた。
 
 ただ、ヒナタは彼女達に自害または嘱託で殺してもらったりでの死を許可せずに生かし続けていると言っていた。ある意味酷い。但し、俺がいなければだ。

 何歳の者達なのかと聞くと、20歳から26歳の者と言っていた。ふとおかしいと感じたのだ。先程の話ぶりからすると、病気に感染していたのはレイナの筈なのだが、俺の中のレイナの年齢からすると計算が合わないのだ。10年前の出来事になるのだと聞いているので、20歳の筈なのだ。翻訳能力のお陰で年齢もちゃんと換算されているから、20歳と聞こえたら、それは俺の思う20歳なのだ。

 俺は女性に年齢を聞くのは本来はご法度だと思っているが、治療の為なのと皆若い女性だしまあいいだろうと訳の分からない判断をしていた。

 デリカシーがなかったのかもだが誰も何も言わなかった。

「レイナ、君は何歳なんだい?病気を持ち込んだのはさっきの話だと君なんだよね?」

 先のレイナの立ち居振る舞いや強さから、年齢不詳だったのだ。レイナはしょんぼりしながら

「はい私は20歳でございます」

 俺とトリシア達5人が唖然となった。彼女はどう見ても二十代半ばから後半にしか見えない。その服で見えるというよりも色気が強かったのと、20歳でなれる強さではないから先入観を持ってしまった。

 ただ、彼女はまさか自分がそのような年齢に見られていたとはつゆとも知らずに、何かありましたか?と聞いてくるので俺は引きつった笑顔でいや特にないよとしか言えなかった。

 今までに、顔を潰されていたり、手足を切り落とされていた奴隷というのを何人も見てきたと伝え、彼女達は違うが俺の妻たちの中に鼻を落とされていたり、耳を切り落とされていたり、口を潰されていたり、酷い火傷をしていた、そういった者達を何人も治してきたと。なので生きてさえいれば手足が無かろうが、胸がなかろうが全て綺麗に再現してやると俺は言ったのだ。

 そして余り気持ちのいい事ではないが、でこういう事ができるからと実演をする事にし、レイナに

「レイナ、悪いけど君の体で一度欠損修復を行うから、少し眠ってくれ」

 きょとんとするが、俺はレイナを眠らせた。レイナには服を一着持ってこさせ、ライトアイに渡して貰った。俺はレイナを眠らせ、ライトソードを顕現させ、彼女の左腕を切断し、ヒールを掛けた。そしてレイナを起こす。彼女は左腕が失くなっている事に愕然としていたが、

「レイナ、悪いけど君が罪の意識に苛まされているようだから、強引な手を使わさせて貰ったよ。見ての通り君の腕を一旦切断させて貰ったんだ。でも復活するからね」

 彼女は今にも泣き出しそうだったが、俺がレイナに触れながら欠損修復を行った。すると彼女の腕が生えてきたのだから彼女は大層驚いていた。

「えっ!ま、まさか、うそ?凄い!」

「言っただろう?こういう事ができるんだと。それと最悪一日一人が限界になるが、一旦彼女達に死んでもらい、体を完全修復した後に死者蘇生するという手もある」

 既に誰かに手配させた毛布を持ってきてもらい、俺は目隠しをする。

「こういう事も出来るんだ」

 そしてライトアイに先程のワンピースを準備してもらった。レイナの切断した手を触りながら欠損修復と唱えると彼女の体が再生されていった。レイナがかなり驚いていた。

「じゃあ修復が終わったから俺は後ろを向いているから服を着せてくれ」

 服を着たレイナの予備の体を収納にしまった。

「これは一体どういう事なのですか?」

 レイナが当然の質問をしてきたので俺はトリシアやライトアイ達のスペアの体を出して行く。

「俺は1日に1人は死者蘇生できるが、万が一に備えて彼女達の体のスペアを全員分持っているんだ。例えば死体が無くても、スペアの体が有れば、死んだ場所であれば死者蘇生ができる。例えば完全に体を灰にされた場合、肉体再生が出来ないが、俺の収納に彼女達の予備の体をこうやって作っていて、それが収納に入っている限りは復活させる事ができるんだ。決してやましい事にはこの体を使わないからね。

「いえ、別にやましい事に使って頂いても構わないのですが、正直驚きました」

 レイナがそんな事を言い出し、元の調子が戻り始めたのであろうと感じたが、ヒナタがぽこっと頭を叩いていた。 
 
「これ、はしたない事を言うのでありません。我らの主がそんな事はしないというのですから、しないのですよ!」

 レイナは素直に頷いていた。俺が

「6名を治すと言った事が実際に出来るであろうという事が分かったよね?」

 そう問うと、皆頷いていたのであった。
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