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第5章
握手
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主要メンバー以外は退出する事になり、俺は出口で一人ずつ握手をしていった。しかし、最初に出迎えてくれた者達とは既に握手をしていたが、まだだった者達を全員集めている筈だった。約200人と握手をしたのだが、誰とも幻影も見ないし、シェリーの時のように電気が走るなどの反応がなかったのだ。おかしいなと首をかしげていたのだが、リギアが最後の一人を見届けた後にボソッと言う。
「6人足りませんね」
リギアはジト目でヒナタを見つめていた。俺は人数を数えていなかったが、リギアは数えていてくれたようだ。女性達は全部で240人いる筈だった。
「ヒナタどういう事だい?」
そう聞くとヒナタは
「あっ、あの、その、確かにあと6名いるのですが、あの者達はランスロット様に会わせる程の外観の者ではありません。どうかそっとしておいてください」
様子がおかしいので俺は更に問い詰め、半ば命じる事にした。何があったんだい?その6人の女性と会わせて欲しいな。いや、会わなきゃいけない気がする。というか会わせるんだ。一体何故俺と会わせようとしないんだい?」
ヒナタがポロポロと涙を流し始めた。
「その、彼女達の姿を見てしまえばおそらくランスロット様の心が痛みます。ですのでそのできれば彼女達も男性に見られたくはないと思うのです。どうか、どうかそっとしておいてあげてください」
「一体何が有ったんだ?その様子からするとかなり酷い事になっていると思うのだが、確か君の所に差し出される女性というのは、おそらく町の基準たろうが、見目麗しい者を選んでいると思う。だからその子達も人並み以上の容姿を持った者なのだろう?何がダメなんだい?」
「いえ、彼女達がその、その、病気で醜い外観になっております。また一人では生きていけない体になっているのです。以前の流行病の時に流行病にかかっているとは知らずに差し出された者から感染した者達がおり、その中でこの6人が重症化をしてしまいました。そして見るも無残な姿になっております。辛うじて私の血の力で命を繋ぎとめておりますが、その代償はかなり酷いものです。一応言っておきますが、確かに酷くなってしまった外観を更に悪化させる結末にはなりましたが、命を繋ぐ為には仕方がなかったのです。仕方がなかったんです」
泣き出してしまった。レイナがそっとハンカチを出し、ヒナタの目を拭っていた
「ヒナタ様が気に病む事はありません。全ては私が悪いのですから。私が悪いのですから、どうかお泣きにならないでください」
レイナがその最初の感染者だと伝えて来たのであった。
「6人足りませんね」
リギアはジト目でヒナタを見つめていた。俺は人数を数えていなかったが、リギアは数えていてくれたようだ。女性達は全部で240人いる筈だった。
「ヒナタどういう事だい?」
そう聞くとヒナタは
「あっ、あの、その、確かにあと6名いるのですが、あの者達はランスロット様に会わせる程の外観の者ではありません。どうかそっとしておいてください」
様子がおかしいので俺は更に問い詰め、半ば命じる事にした。何があったんだい?その6人の女性と会わせて欲しいな。いや、会わなきゃいけない気がする。というか会わせるんだ。一体何故俺と会わせようとしないんだい?」
ヒナタがポロポロと涙を流し始めた。
「その、彼女達の姿を見てしまえばおそらくランスロット様の心が痛みます。ですのでそのできれば彼女達も男性に見られたくはないと思うのです。どうか、どうかそっとしておいてあげてください」
「一体何が有ったんだ?その様子からするとかなり酷い事になっていると思うのだが、確か君の所に差し出される女性というのは、おそらく町の基準たろうが、見目麗しい者を選んでいると思う。だからその子達も人並み以上の容姿を持った者なのだろう?何がダメなんだい?」
「いえ、彼女達がその、その、病気で醜い外観になっております。また一人では生きていけない体になっているのです。以前の流行病の時に流行病にかかっているとは知らずに差し出された者から感染した者達がおり、その中でこの6人が重症化をしてしまいました。そして見るも無残な姿になっております。辛うじて私の血の力で命を繋ぎとめておりますが、その代償はかなり酷いものです。一応言っておきますが、確かに酷くなってしまった外観を更に悪化させる結末にはなりましたが、命を繋ぐ為には仕方がなかったのです。仕方がなかったんです」
泣き出してしまった。レイナがそっとハンカチを出し、ヒナタの目を拭っていた
「ヒナタ様が気に病む事はありません。全ては私が悪いのですから。私が悪いのですから、どうかお泣きにならないでください」
レイナがその最初の感染者だと伝えて来たのであった。
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