エラーから始まる異世界生活

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第5章

街へ

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 シェルターに戻り、現状を4人に伝えた。

「さっき町をチラッと見てきたが、少なく共エルフ、ハーフエルフ、小人族、獣人族、肌の色が違うがヒューマン、これらは確認できて、貨幣を使って買い物をしている感じだった。ただ残念ながら俺には文字は読めなかったな。
 先ずはこれからどうするかを決めなければならない。皆で町に入るか、まだ入らずに様子を見るか。町を調査するのを俺だけにするか?そういう事を決めなきゃならない。街に入るのが怖ければ俺一人で行くがどうする?」

 トリシアが手を挙げる

「ランスロット様と一緒にいたいのです。私達だけでいるのは怖いのです。連れて行って欲しいのです」

 俺はですです調で喋り方が変になっていたトリシアを抱きしめ

「大丈夫だ。俺が絶対に守ってやる。なあトリシア、俺の事を様付けでもう呼ぶ必要なんてないぞ。ランスがランスロットでいいんだ。な、おしとやかな口調のトリシアも好きだが、元々そんな口調じゃないだろう?余裕がある時はああいうおしとやかな感じも好きだが、今はそういう時ではないから普段のままの昔の口調で良いんだぞ。」

  俺が話し終わると遠慮気味な感じでリギアが手をあげて

「先程ランスが町に入っている間に私達4人で話をしていたの。トリシアじゃないけど、やっぱりみんな不安なのです。だからランスと一緒にいたいの。先程のトリシアはそれはもう大変だったのよ」

「や、やめてー!ランスの前で恥ずかしいじゃない」

「ふふふ。知りたい?トリシアがどんなだったか?」

「是が非でも知りたいな!」

「ずっと泣いてたのよ。うわーんと大泣きだったのよ」

「ばかばかばか!リギアなんてもう知らない」

 そんな感じのトリシアは愛おしくついつい抱きしめてしまった。咄嗟だったが、今は誰かを贔屓に出来ない。とりあえず4人を順番に抱きしめてあげないといけないと思い、ライトアイ、レフトアイ、リギアの順番でぎゅっと抱きしめ、俺が守ってやると各々に囁いて行った。

 トリシアもそうだが、3人共同じだったのだが、抱きしめてからは段々と落ち着いていった。そうしてゲートを町の近くに出す。いきなり町の中に現れるのではなく、町の門や出入り口から正々堂々と入る事にした。

 ただ意外だったのだが、特に門番がいないと云う事だ。少し離れた所で監視していると思われる者がいる様なのだが、都度都度入門のチェックをしている訳ではなさそうで、不思議だったのである。

 この街の規模や街の作り、人口や種族の構成色々な事が分からなさ過ぎた。この街の事が分からないのではなく、この街がこの世界での一般的な街なのか、イレギュラー的な存在なのか、そういった事は複数の街を見ないと分からないからだ。

 ただひとつ言えるのは俺達の事を見ても誰も何も言ってこない。何者かを聞いても来ないのだ。誰も俺達を気にも留めない感じだった。ただ人は多いのだが活気がない。違和感満載としか言えなかった。
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