エラーから始まる異世界生活

第１章

子供

　タオの総督就任は数ヶ月後だ。
　まずはワーグナーの総督の元で総督の修行をする。
　そしてある程度帝王学がものになればバルバロッサにてルシテルから引き継ぎをする流れだ。

　今日は各地の総督を集め、今抱えている問題を話し合ってもらっている。

　俺は皆を集めてからは一人で日記を書いていたが、少しうとうとしていたようで、アイギスが総督会議が終わった旨伝えてきた。

　皆を送り届けた後でアイギスと街の復興を確認しに行く。

　馴染みの武器屋が見えたので久し振りに寄るとおっちゃんは健在でホッとした。

　俺が今は皇帝と知っていても以前と同じ対応をしてくれて有り難かった。

　短剣を買い込んで世間話をして引き上げる。
　大抵のお店は俺が訪問するとえらく驚いて引いていた。

　時折屋台を見つけては買い溜めをしたり、物品の相場が変わっていないか等、時折調査も行ったりしている。

　そう言えばと思いだして奴隷商の所に行き、欠損奴隷を修復しに行った。先日城に連れて来られたのとは別に持ち込まれたのがいると聞いたからだ。

　そうやって街を回りおやつを食べる。
　ふと思ったのはこうやってアイギスと歩くのは初めてだなと思いだして最近の事等を聞くと色々遠慮している事が分かる。
　クレアとの事を聞くと、親子と言うより歳の離れた姉妹にしか見えない美貌の持ち主だ。

　ふと言われた。そろそろ子供が欲しいと。一部の妻が子供を欲しがっているのを聞かされた。復興騒ぎで皆言い出せなかったらしいが、アイギスからは皇帝の義務として早目に何人かと子供を作る事を進言された。

　俺もそろそろいいのかなとは思っている。
　ただし、恐らく子供を見送る事になる。寿命が違うからだ。それを言うとアイギスが、悲しげに頷いた。それを分かって言っていると言われて少し時間を貰うようにした。

　そうして夕ご飯の時間になり、馴染みの食堂でこっそり食事をし、周りの会話に耳を傾けたりする。一部の者が俺の正体に気が付いて驚いていたが、アイギスはこういう市井の店を喜んでいた。

　今晩は定番の親子が当番だ。俺は覚悟を決め、アイギスにはクリーンを使わず、アイギスを初めてとして子作りをスタートしたのだった。

　俺は明日のローテーションの予定だったナンシーとウリアの所に行き、子供がそろそろ欲しいと伝えたが、激しく抱きつかれ泣かれた。特にウリアに。
　二人の性質は特殊だったので最近はペアで相手をしている。
　そして言われたのが３人目の同士を遂に見つけたと。恐らくレニスだろうと半ば感じていた。それはともかくとして、俺の子作り計画のスタートだった。