エラーから始まる異世界生活

第７章

制圧しよう

　城門付近を制圧したので、状況を確認する。

　レニスが握手を求めてきたのでつい条件反射で手を差し出してしまい、握手をした。
　後ろから赤毛の元気娘が突撃してきて

「ランス～城の方に一杯いるわよ。どうしますか？」

　そう言いながら背中に突撃されてきた為、俺はバランスを崩し、レニスの手を両手で握ってしまった。やはり幻影が見えて、レニスが俺の妻達の一員にいるのが分かった。そう言えばユリアの幻影を見た時にレニスがいたと思い出した。

　レニスも俺が背中に突撃されてよろめいたからか、手をぎゅっと握り返してきた。意識して握り返してきたようだ。そしてレニスが

「やっと私の旦那様が現れたのね。ようやく私より強い方に出会えたわ。ねえ爺や、私この方、ランスロット様の妻になるわ」

　爺やと言われた老紳士も強かったが

「おめでとうございます。ようやくお嬢様の夫になる資格がある者が現れましたな。城を制圧した後、爺やが腕を確かめますぞ」

　よくわからないが、レニスは自分より強い男にしか嫁がないらしい。

　俺は取り急ぎ二人にヒールを掛けて怪我を治し、クリーンを使い、簡単な食べ物を出してやった。

　丸二日戦い続けたと言うからだ。
　妻達が周辺の確認から続々と戻ってきた。
　ナンシーが驚いて

「扇情のレニス様！お会いできて光栄です」

　と知っているようだ

「あらあらナンシーちゃん久し振りね！」

　顔見知りだった。

「なあナンシー、この露出狂と知り合いか？」

　レニスが急に自分の格好を恥ずかしがり、体を隠し始めた。

「知らないの？ＳＳＳの冒険者よ。隣にいるのが同じく爺やレーヴェンよ」

「えっ！このエロい格好した女ってそんなに凄いのか？ただの露出狂にしか見えないぞ」

「有名よ。ランスがＳＳＳに上がるまで大陸にいるＳＳＳの二人ってこの二人なのよ」

「なるほどな。露出癖はともかく、確かに強いし美人だな」

　クネクネしながらレニスが 

「私のような女はお嫌いですか？」

「いや好きだよ。なあ今は共に戦おう。後で食事をしながらお互いを知ろうか。まずは城を奪取しよう」

　そう俺が言うと皆が俺を先頭に城に向かうのだった。