エラーから始まる異世界生活

第６章

日常

　俺は目覚めると誰かの胸に抱き込まれているのが分かった。クロエだった。
　猛烈に吸いたくなり、クロエの服を捲り、乳首に吸い付いた。クロエが痛そうに呻いているがそれでもチューチュー吸っている。

　数分チューチューしていてふと意識を取り戻す。
　何故おっぱいを吸っているのか理解できなかった。おっぱいの主が、いや、声からクロエが辛そうに呻いている。
　俺は慌てて口を離すと、クロエの胸は赤く腫れていた。俺は慌ててヒールを唱え一緒にいる残りのメンバーにもヒールを掛けた。

「すまん、意識を取り戻せた。痛かったろう。ごめんな」

「ああランス。良かった。丸一日赤ちゃん返りしてたのよ」

「えっ！そんなに長くか？時間停止のスキルの反動が段々酷くなってきているのか？」

「どうでしょう？前もこんな感じだったわ。今の所、誤差の範囲しか差を感じないわよ」

　今は、ダンジョンから戻ってほぼ一日という。交代交代で俺の幼児退行を知っているメンバーで介護をしてくれたと教えてくれた。やはり反動がきつ過ぎる。やはり再度封印だな。

　状況を聞くと、セレナ達はジャックナイフにあと一日の所に先程着いたという。今はその街の周辺の探索をしているそうだ。俺はクロエ達にお礼を言い、セレナ達を迎えにいく事にした。そして連絡役を除いてワーグナーの屋敷で食事をする事として準備をして貰う。

　セレナに念話を送った。人目の無い脇道等に皆を待機させ屋敷に来るようにと。

　２０分位するとセレナが現れ、熱烈なキスをされ泣かれた。約１０日目振りだから仕方ない事だ。久し振りのセレナは美しかった。

　皆を待たすのも不安にさせるので、数分間セレナを抱きしめてから、ジャックナイフ遠征組をピックアップしにセレナに連れて行って貰った。俺の姿を見ると皆抱きついてきた。
　妻達ひとりひとり順番にキスをし、取り急ぎ屋敷にゲートを出して馬車ごとワーグナーに連れ帰ったのだった。

　ボレロには今日はフレデリカ、セッカが連絡役で残り、メイベルがカービングに残る。
　ダンジョン同行組にお願いした。
　とりあえず遠征組を風呂を入らせる。男衆をカービングの屋敷に全員送り込み、向こうの大浴場を使わせる。

　そして俺は、皆に風呂へ拉致られていった。どうしてそうなった！手足をすべて拘束？されて皆に洗われまくっている。妻以外もいる。セレナやライトアイ達もだ。
　ダンジョン同行組以外と、幼児退行担当以外が皆いる感じだ。何故か水樹もいる。以前見た通り本当に子供だ。
　トリシアがやはり息子をイタズラしようとするので、皆に風呂で何をするのだと袋叩きに遭っていて、久し振りに笑ってしまった。皆久し振りだし、特にボレロ組は俺とスキンシップを碌に取れないまま遠征に向かったのだから甘えたかったのだろう。俺は皆に求められるまま体を洗ってあげた。何故かセレナも水樹も。残念ながら俺は風呂場では賢者モードだ。皆の体付きを確認した。特に水樹だ。
　彼女の体は確かガリガリだったが、歳相応の体重になっているようだった。
　ドロシーがぼそっと言う。あの五人はちゃんと冒険者としてやっているよと。

　俺は思い出せなかった。 

「５人って？」

「カービングの地下牢で死にかけていた者達です」

「ああ確かに五人だな。そう言えば彼女達とルシテルがいないね」

「ルシテルさんは今日の夜伽当番になりましたから」

「ああそういうことか。五人組はどうするのかな？やっぱり俺の所に来るのか？そういえば身辺調査するって言ってなかったか？」

「それはですね、全く問題ありませんでした。彼女達はランスのハーレムに入りたいといいます。どうされますか？」

「一旦先送りかな。明日からジャックナイフ攻略だ。多分またダンジョンに籠もるだろう。その後かな」

　皆いつの間にか静かに耳を傾けていた。俺が

「すまなかった。もうこの話は終わりね」

　そう言うと皆が甘えてきた。
　俺達が余りに長風呂なので呆れ顔になったクレアが食事だよと言いに来てくれた。
　風呂を出ると俺は、着替えまで皆にされてしまった。
　食事も久し振りの大人数で、腕も良いし、フルコースだった。美味しいしとても幸せだった。その後総督と打ち合わせをして、ルシテルとエリシスの今日の当番の二人を伴い、久し振りの自宅の寝室で寝るのであった。昨夜はカウントに入っていないのであしからず。