エラーから始まる異世界生活

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第6章

ダンジョン6日目

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 心地よい目覚めだ。但しここがダンジョンでなければ。

 ダンジョン内、でいつものというのはおかしな話ではあるが、もう数日間同じような朝を繰り返しているのだ。

 俺はテーブルの上にいつものように食事を出していく。
 そしていつものようにダンジョンを進む。

 代わり映えのしないダンジョンに、皆が辟易としている。
 このダンジョンの最下層はおそらく100階層だ。まだ30階層もあるのだ。そりゃあ気が滅入るさ。

 そうはいっても、サクサクと進み、今は70階層のボス部屋前で休憩中だ。

 作戦はいつものようにアイスウォールで囲み、俺が次元刀を試す。無理なら普通に斬り結ぶだ。最悪、時間停止を使う。

 ただ、次元刀には大きな欠点がある。使用後に数秒意識が飛ぶのだ。

 強力なスキルだが、制約が厳しい。なので、俺が次元刀を使ったらアリゾナが俺を援護し、クレアが俺をその場から引き離すようにする。

 いよいよ70階のボスだ。

 前回の奴の背丈を参考に次元刀を発動して、首を切断するつもりだ。  

 扉を開けると、やはり同じだ。
 アイスウォールを展開し、内部にもアイスウォールを出しまくる。
 そして熱湯を注ぎ、転移が終わるのを待つ。

 転移が終わると同時に俺は次元刀を発動した。首を切断したと確信した。すると

「次元刀をダッシュしストックしました」

 と聞こえてきたが、俺は同時に鋭い痛みを覚え、倒れていった。

 そして倒れながら信じられない光景を目にした。

 ホーリーエンジェルアーマーを着ている奴が首を無くし、立ったまま血を吹き出しているのだ。

『誰だ奴は?』
 と思うが俺の体が動かない。声も出ない。

 左腕に握られているのはアンタレスだと気が付き、俺は自分の首が胴体とさよならしているとようやく理解した。

 視界が段々暗くなる。

 死ぬのかな。そんなふうに感じたが

『いやいやいやいや、幻影だとセリカと致している最中ってのがあったぞ。セリカと致すまでは死なない筈だ。考えろ俺』

 死に行くさ中でもしょうもない俺である。最後の力を振り絞り、考えた結論をおこなった。
『欠損修復』
 そう念じたが、まもなくブラックアウトしたのだ。最後に 『やっぱりセリカと致すまで死ねるか!』と腐った奴だった。
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