エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第6章

準備

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 朝目覚めるとナンシーとシェリーに挟まれていた。

 二人はずっと泣いていた。
 ナンシーは皆のリーダーとして重圧に耐えてきたのだ。シェリーは第一奴隷として皆を叱咤激励してきていた。
 そんな様子を見ていた仲間達が、二人に添い寝を譲っていた。

 昨夜、水樹のドレスが無い事が分かり、急遽ワーグナーの屋敷に仕立屋を呼んで、水樹を連れていった。

 ルシテル、水樹の二人の分を急いで一着づつ作って貰う。金貨500枚を払い徹夜でお願いしたら、あまりに高いお金を頂いたと感謝された。
 採寸後に急ぎ靴屋に連れていかせ、店に有る靴をなんとか調節して、体裁を良くする。


 他のメンバーのドレスは俺の収納にあり、各自に渡している。

 殆どの者はドレスの存在を知らなかったから、俺がいつの間にか注文していて、あまつさえ持っていたのだ。
呆れる者、崇める者、皆それぞれの感じでの受け取りだった。トリシアは相変わらず、婚姻の証だねと言っていたが。

 寝る前に寝室を抜け、セレナを連れてルシテルの所に向かった。
 予め顛末を話していてはいるが、いきなり明日ご対面よりはましだろうと。

 案の定セレナはルシテルの顔を見や否や、いきなり平手打ちだ。
 ルシテルはルシテルで平手打ちを喰らった後、土下座して謝っている。


「あースッキリした。もうこれでいいや。痛かったでしょ?ごめんね」

 俺とルシテルはポカーンとなっていた。

 後で聞いたが、殴るのはルシテルの為だと。何もされないと罰を受けていないからと引け目が残るから、何かしないとだから、平手打ち一発にしたと。
 既に小便事件を聞いていて、溜飲は下がったと。

 それと、俺と会えたのは結局の所ルシテルのお陰だと、複雑なんで、もういいやとしたと言っていた。

 セレナはルシテルを起こして抱きしめて頭を撫でていた。
 因縁が有るのは俺とセレナだけだ。

 お互い抱きしめあい、泣いていた。その後はやたらと仲が良かった。

 驚いた事に、今日は同じ布団で寝るという。確認したい事があると言っていた。

 セレナは何か有ればカービングに行くからと、俺は二人にキスをして別れたのだ。

 まあ、寝てる間に色々合ったようだが。


 部屋に帰るとナンシーは何か準備をしていたが、慌てて隠していた。
 気になるが、見なかった事にした。

 そしてもう一度愛を確かめあい、寝たのだった。


 そして時間は戻り、朝食を食べてセレナを伴い、ボレロのダンジョンに行った。魔物がやはり涌き出していたので、アースウォールで入口を塞ぐ。

 セレナに聞くと、街に着いて直ぐに、ダンジョンの話があまりに有名で、念の為にダンジョン入口まで皆で行っていたと。これで暫く時間が稼げれる。

 そして屋敷に戻り、式典の準備に入るのであった。
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