エラーから始まる異世界生活

KeyBow

文字の大きさ
上 下
121 / 527
第5章

出立

しおりを挟む
 朝目覚めると穏やかな笑みでアリアが見つめていた。
 ちゃんと刻印が刻まれた事が確認出来た。

「おはよう。愛しい方」
「おはようございますランス」

「体は大丈夫かい?」
「まだ少しダルいのですがこれが魔力が馴染む為のダルさなのですね」

「うん、そうなるね。今から朝の訓練をしてくるね」

 と言いキスをして屋敷に戻り朝の稽古と日常のヒトコマがそこにはあった。

 昼食を済ませセチアに暫くのお別れを惜しまれたものの、成長の為に頑張ってくると出発の準備に余念がない。

 今日はオリヴィアの問題を片付けなければならなかった。

 S級以上で受付嬢をしているのがおかしいので、ギルドを退職か休職して冒険者をする事になった。
 まあ今後の事を考えるに退職だろうな。あの冒険者達はさぞ残念がるだろうが現実は厳しいと知って貰おう!

 また、後任の専属をどうするのかになり、人選はクロエの裁量に委ねる事にした。

 カービングへの出立は昼頃なので一通り装備等の見直しを行っている。すっかり忘れていたロードオブナイトに魔石で強化を行ったり屋敷のメンテナンスを少ししてみたりしている。それと執務室で神の手の訓練をちょいちょいと練習している。
 ふふふ皆驚け!とユリアの右肩を軽く叩く。振り向くとそこには何もない。続いて左肩を。そしてお尻を撫でる。
「ぎゃ~~~~~」
 と叫んでどこかに行ってしまった。

 俺の悪戯心は止まららない。

 ホーネットが見えた。『フフフヘルムのお返しだ。喰らえ!』
 と心で叫び、浣腸オオオオオとお尻に指をぶすっと。

「うげえええええ!出たあああぁ」 

 とお尻を押さえてどこかに行くが一緒に居たアリゾナが身構える。

 さすがに鋭いので撤収。
 次にクロエだ。やっぱ胸だよね。モミモミ
「めっ。夜まで待ちなさい。ランス」

 何故かばれた。
 懲りずにオリヴィア。鼻を摘む。

「ぶえ~~~」

 変な声を出して笑えた。
 じゃあ次はロトナだ
 やっぱりモミモミ
 ビクンとなり震えて怖がっている。おお!意外と女の子らしいな。
 ドロシーは・・・・

「ランスロット様のエッチ!」

 何故か一部の人にはばれるんだよな。中々思い通りに制御出来るなと一人執務室でぼやいていた。
 じゃあ最後はセチアだな。
 服を掴みセチアの前に持ってきて右に左に服をゆらゆらと振る。
 セチアは顔を引きつらせながら
「いや~~~~でたー~~~~きゃ~~~」
 と叫びどこかに消えていった。

 慌ててるなあと思っているとふと気が付く。『あれ?俺執務室だよな。なんで皆見えてたんだ?』
 悩んでいると慌てたセチアが駆け込んできた。
「ラ、ランスロット様、ふ、服が飛んでたんです。怖かったです」

 ちょっと罪悪感が出た。
「驚かせてごめんね。ギフトの練習をしていたから何か掴んでいた気がするが服だったんだな。まだうまく制御出来なくてさ」

 セチアがジト目をする。そして次々と皆が駆け込んできた。
 皆異常を訴える。俺はそ知らぬふりをする。

「俺の所は何ともないぞ。そんなことよりそろそろ出立の時間だな」

 セチアの目線が痛かったが皆首をかしげながら出て行った。

 今日の出立は俺も同行するようにしている。今日だけなのだが初日は王女達の馬車に同行をする。

 アリアはまだ歩くのも辛そうなので俺が直接馬車にお姫様抱っこで乗せている。馬車にドロシー、セチア、アリア、俺が乗り込む。そしてクロエとオリヴィアが馬車に乗り正門迄同行する。

 アリアの様子から昨夜何があったから皆察していて馬車が動き出すと

「おめでとうアリア。これで私とソウルメイトね」

 クロエに言われ真っ赤になったアリアが可愛かった。なんか穢してしまったようで居心地が悪かったが、アリアは良くも悪くも大事に愛情を注がれ育ったのがわかる。
 そしてオリヴィアとドロシーがモジモジしている。
 正門の所で手続きに入っているので俺はクロエとオリヴィアをギルドに送り届けて、正門に戻ったのだけど、既に俺は王扱いだった。


 カービングまでおよそ二週間の予定だ。
 馬車の中で俺は腐っていた。三人に求められていちゃいちゃしてぐたーっとしている。緊張感がまるで無かった。

 何事もなくと言いたい所だが、王都を出て10分位で魔物500匹位の群れに襲われ兵士と共に俺が戦った事が一番大きい。王都から逃げ出した奴らがいたのだ。

 そうこうしていると隣町に着き本日の野営となった。
 俺はセチアと同室、ドロシーとアリアが同室となり、暫く会えないセチアが珍しく甘えて来て居たので大事に扱って暫しの別れ前にお互いの愛を確かめ合ったのだった。俺も久し振りのば車で疲れたのか早々に眠りに落ちた。


しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!

よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。 10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。 ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。 同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。 皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。 こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。 そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。 しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。 その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。 そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした! 更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。 これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。 ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

処理中です...