88 / 527
第5章
王都へ
しおりを挟む
四日目 day36
又もや 女神達が騒いでいた。
金髪のロングヘアーで俺のストライクの綺麗な娘が嬉しそうに皆に話していた。
「ランスから念話が来たよー。ワーグナー王国にいるって。それだけ伝えて途切れたけど、流石ランスの魔力よね!私達からだとあーとかうーで魔力切れるもんね!」
嬉しそうにしている彼女が愛しく涙が出てきた。
『シェリーに会いたい』
不思議と彼女の名前が出てきた。
又もや風景が変わる。
シェリーやナンシー達が何処かに出発しようと馬車に集まっている。
シェリーに触れたい。
そう思って手を前に出すと、何か柔かな物に当たった。柔らかく暖かい。
「きゃっ」
と誰かの声がした。
シェリーだ。辺りをキョロキョロしていた。どうしたんだろう?
「な、な、何かがいます」
周りが騒然となっていた。
すると
目が覚めた。
隣にはセチアがいて、俺を眺めていた。どうやら寝ぼけてセチアのお尻を撫でていたようだ。
朝の挨拶をすると謝罪をして着替えて朝の走り込みと鍛錬を行った。
食事を終え、昼食用のお弁当を昨日注文していて受け取ると王都に向けて出発した。
御者席は二人が座れる。
馬車の扱い方を教えて貰いながら進む。だんだん慣れてきて、セチアに見て貰いながら御者をしてみた。セチアは自分が行うからと言うが、怪我や病気になった場合等の万が一の時に俺が馬車を動かせれないと困るから、最低限制御できるようになりたいとお願いして練習をしている。
セチアは俺によくしてくれる。
セチアの髪はストレートで、今は俺がブラシ掛けてあげている。
今日はセチアが御者をやって貰っている時に1時間ほど行った。おかげで超サラサラだ。
手櫛も行って引っかかりが無くなった。
セチアは大人の女性だ。雰囲気もだいぶ変わった。
村に居るときは、自分の見た目に自信はあるが、手入れは無頓着だった。
今は俺に好かれる為に化粧をしたりしているので良い香りがしてクラクラに成りそうだ。
綺麗だけどおぼこと言う感じだったが、今は何処に連れて行っても恥ずかしくない。レディーだ。
時折猛烈に淋しくなり、人肌が恋しくなる。そんな時に後ろから抱き付かせて貰っている。温かくて落ち着く。
お昼になり彼女と弁当を食べて、馬の世話をする。
こんな生活も悪くはない。
彼女は時折俺の体を労ってくれる。お尻が痛くないかと。
俺も肩を揉んであげたりする。言っとくけど御者をしている時にどさくさに紛れて胸を揉んだりしていないからね!今はまだ。
14時過ぎだろうか?異変を感じた。前方から良くない雰囲気の奴らがやってきていた。俺は不覚にも荷台でうとうとしていて、接近に気が付かず、セチアに起こされて焦った。
囲まれていると。
慌てて鎧を着て戦闘の準備をする。
向こうは馬車を3台連れている。前方からは商隊を装っては居るが、道の脇や後方からも大勢が居る。20人位だろうか。
セチアが異常に気がつき、震えている。ツーンと匂いがしてきた。恐怖で失禁したようだ。無理も無い。どう見ても盗賊団だ。
そいつ等の一人が、
「うほー、お、お綺麗な女じゃ無いか!よお兄ちゃん!女と金目の物置いて何処かへ行けや!」
と下卑た声を出す。俺は手帳からスキルを色々確認して練習や試しをして戦う算段は出来ている。
無詠唱でアイスアローをぶち込む。
「残念だったな。あーS級冒険者に手を出したんだから、お前等皆殺しな!嫌なら身ぐるみ置いて土下座しろ!」
とアンタレスを引き抜き、馬車の前に出た。そしてアイスウォールで馬車を囲った。
これでセチアは大丈夫だろう。
盗賊達も一斉に俺に群がってきた。アイスアローを撃ち込みまくり、一瞬で3名にまで減らして、ハラパンを決め込み無力化した。そいつ等を奴隷にしてカードを回収し、死体を収納にしまった。
そして捕まえた奴にアジトへ案内させた。
馬車は俺達のより良い物で荷馬車では無く、人を乗せるようなのだ。
クリーンを掛けてそちらに移り、捕まえた2人に乗ってきたのと確保した馬車を操作させ、もう一人に俺とセチアが乗ていた馬車の御者をさせた。
街道を外れて10分位でアジトに着いた。
アジトには15人位居るそうで、ボスも居るという。
二人にセチアの護衛と馬車の護衛を厳命して馬車から20m以上離れる事も禁止した。
馬車はアジトから30m位に置いた。
捕まえ得た奴にボスを連れてくるように命じて入り口で待つ。
出て来たところをアイスアローにて撃ち込むが感づかれて、ナイフを投げてきた。俺は避けられず、腕を掠った。俺は怒りに燃え、そいつにアースホールを出して万歳をさせ首を刎ねた。
俺はアジトに入りアイスアローで次々に倒して、制圧を完了した。大したことは無かった。
制圧後はご褒美タイムで有る。取りあえずカードを回収し、死体を収納に入れていく。
お宝を収納に入れていると、まだ生きてる奴の気配がした。
ふと見ると牢屋が有り、裸の女が3人と、男が一人居た。
声を掛けると
「貴様何をやっている!早く助けないか!」と偉そうに言う。
「いきなり偉そうにあんたなんなんだ?」
「冒険者風情が、貴族で有る私にあんたと無礼を働くか!」
うわー面倒くさい奴だな。
こいつ盗賊に捕まっていた奴隷と言う事で良いよな。
女は何者だろうか?
「君達を助ける。君達は何者だ?」
と女性に聞く。
「はい、ここにおりますタオ様のメイドで御座います。」
20台半ばと30台前半、30台半ばの3人だ。
格好や状態から既に盗賊に犯され酷い扱いを受けたようだ。
『この小男助けるの嫌だなあ。』
と思い、
「俺は旅のS級冒険者だ。あんたらを助けたら俺にメリットは何かあるのか?」
とでかい態度で聞くと
「貴様何を偉そうに。早くここから出さないか。街についたら謝礼をくれてやるから早く出せ!」
「お前ふざけているのか?女は助けてやるが、お前を助ける義理は無い。人に物を頼むときの態度とは違うんじゃ無いか?それに命令じゃなく助けてくれとお願いするのが人と言う物だろう。」
と言い、女が捕まっている牢屋を壊して出してやる。
裸ではずかしがっているがどうにもならない。
手招きして
「こっちに来て着れそうな服を探すんだ」
とお宝を回収した後の荷物の中から適当な服を渡してやった。
セチアを呼んでメイド達の面倒をお願いした。
貴族の男は王都に居を構えるこの国の男爵だそうだ。
どうすべきかセチア聞くと、王都に連れ帰れば結構な謝礼が出るという。
取りあえず服を確保して男爵の所に行く
「服を持ってきたのでまずは着て欲しい。」
と渡すとふんと息巻いて奪って着てぶつぶつと文句を言っている。盗賊の生き残りで虫の息のが居たのでセチアに
「人を殺したことは有るか?」
と聞くと首を振る。短剣を渡して
「君がトドメを刺すんだ。こいつはもう長くない。いずれ殺す必要が有る。そんな時に殺しに経験が無く躊躇されると命に関わる。俺は君に殺しを強要している。まあろくな死に方しないんだろうな」
と言うとやりますと言い、トドメを刺した。
貴族もぎょっとしている。
見えないところにセチアを連れていき、土下座をして謝った。しかしすぐに抱き起こされて泣きながら許してくれた。
俺は貴族に、
「王都まで連れていってやる。お前を連れて行った報酬はどうするんだ?」
と聞くと、偉そうに
「ふん、がめつい奴め。盗賊が私から奪った物をくれてやるから好きなの選ぶがよい」
「はあ、何言ってるんだ?盗賊のお宝が有るとしても盗賊を殺した俺に所有権があるんだぞ。それにまあ見て来いよ。既に金目の物は無かったぞ」
言うと慌てて見に行って、
「お前が何処かに隠したのだろう。馬車の中か?」
「無いよ。それにさっきも言ったが、こいつ等が何か持っていたとしても俺のだ。残念ながらこいつ等が持っている小銭の入った財布くらいしか無いぞ。まあ馬車も好きに見ると良いさ、で、今のところ一文無しのあんたを王都まで連れて行く俺のメリットは?」
「何を言う!庶民が貴族で有る私に尽くすのは当たり前の話だ。有難く連れて行くがよい」
「はあ、何言ってるんだ?あんた頭大丈夫か?さっきから俺の話し聞いてるか?分からないならばはっきり言う。王都まで連れていってやるには対価が必要だ。どれだけ出す?嫌ならここに置いていく」
「貴様何を抜かすか!
「当たり前の事を言ってるんだが分からないのか?」
「貴様!庶民が何を抜かすか!」
「話にならないな。行こう。もうここに居る意味は無い。馬車を1台置いて行ってやる。ここから近くにある街まで3時間程度の筈だまあ頑張っていってくれ。メイドさん達はどうするんだ?」
「私達はタオ様のお付きのメイドで御座います。タオ様と一緒に王都へ向かいます」
と言うので手を振り
「まあ頑張って向かうんだな。俺達は先を急ぐんでここまでだな。じゃあな」
と馬車に向かって行くと慌てた男爵が
「悪かった。金は屋敷に着いてから払うから王都まで連れて行ってくれ。大金貨10枚だそう」
と言うので俺は了解した。
先に馬車に皆を向かわせて俺は死体とカードを回収した。
そしてこれ見よがしに特大なファイヤーボールをアジトに撃ち込むみ燃やしたのだった。メイドと男爵が唖然として俺を見て怖がっていた。
馬車の一台はこの貴族のだったのでそれに乗せ、もう一台は質素な乗用馬車で、俺とセチアで乗る。貴族の馬車は返してやった。メイドが御者をする。
俺達のは盗賊に御者をさせて、もう一台は護衛をさせた二人に乗ってこさせた。
3時間ほどで街に着き、先ずは服屋に行き、服を買ってやった。次に一番高い宿を聞き、一番良い部屋を貴族にと借りてやったら、
「貴様を誤解していたようだな。助かったよ」
と謝辞を言うので
「さっきはこちらも礼儀が無かった。戦闘中で気が立っていたんだ」
言うと満足して部屋に入っていった。メイドも同じ部屋だ。多分愛人だろう。
金貨20枚が飛んでいった。まあ仕方が無いか。
セチアは高級宿に目をきらきらさせてはしゃいでいた。
大人の落ち着いた女性と思っていたのでギャップにやられてしまった。
部屋に入ると抱きしめて殺しをさせたことを謝った。
「セチアにはとんでもない事をさせてしまった。謝ってゆりごああ」
彼女の唇が俺の口を塞いだ。
謝罪は要らないと。
俺達は明日に備えて早々に休む事にした。
寝る前に今日は如月さんに念話を送った
「如月さん、志郎です。実は記憶を無くしています。手帳に書いた日記で何とかしている状況で、明日にはワーグナー王国王都に入ります。それと何故か念話後の1分位の貴女達が夢で見える。魔力切れる」
と気絶する直前に念話を切った。
魔力がほぼ無くなりセチアに抱き付かれながら寝ていった。
又もや 女神達が騒いでいた。
金髪のロングヘアーで俺のストライクの綺麗な娘が嬉しそうに皆に話していた。
「ランスから念話が来たよー。ワーグナー王国にいるって。それだけ伝えて途切れたけど、流石ランスの魔力よね!私達からだとあーとかうーで魔力切れるもんね!」
嬉しそうにしている彼女が愛しく涙が出てきた。
『シェリーに会いたい』
不思議と彼女の名前が出てきた。
又もや風景が変わる。
シェリーやナンシー達が何処かに出発しようと馬車に集まっている。
シェリーに触れたい。
そう思って手を前に出すと、何か柔かな物に当たった。柔らかく暖かい。
「きゃっ」
と誰かの声がした。
シェリーだ。辺りをキョロキョロしていた。どうしたんだろう?
「な、な、何かがいます」
周りが騒然となっていた。
すると
目が覚めた。
隣にはセチアがいて、俺を眺めていた。どうやら寝ぼけてセチアのお尻を撫でていたようだ。
朝の挨拶をすると謝罪をして着替えて朝の走り込みと鍛錬を行った。
食事を終え、昼食用のお弁当を昨日注文していて受け取ると王都に向けて出発した。
御者席は二人が座れる。
馬車の扱い方を教えて貰いながら進む。だんだん慣れてきて、セチアに見て貰いながら御者をしてみた。セチアは自分が行うからと言うが、怪我や病気になった場合等の万が一の時に俺が馬車を動かせれないと困るから、最低限制御できるようになりたいとお願いして練習をしている。
セチアは俺によくしてくれる。
セチアの髪はストレートで、今は俺がブラシ掛けてあげている。
今日はセチアが御者をやって貰っている時に1時間ほど行った。おかげで超サラサラだ。
手櫛も行って引っかかりが無くなった。
セチアは大人の女性だ。雰囲気もだいぶ変わった。
村に居るときは、自分の見た目に自信はあるが、手入れは無頓着だった。
今は俺に好かれる為に化粧をしたりしているので良い香りがしてクラクラに成りそうだ。
綺麗だけどおぼこと言う感じだったが、今は何処に連れて行っても恥ずかしくない。レディーだ。
時折猛烈に淋しくなり、人肌が恋しくなる。そんな時に後ろから抱き付かせて貰っている。温かくて落ち着く。
お昼になり彼女と弁当を食べて、馬の世話をする。
こんな生活も悪くはない。
彼女は時折俺の体を労ってくれる。お尻が痛くないかと。
俺も肩を揉んであげたりする。言っとくけど御者をしている時にどさくさに紛れて胸を揉んだりしていないからね!今はまだ。
14時過ぎだろうか?異変を感じた。前方から良くない雰囲気の奴らがやってきていた。俺は不覚にも荷台でうとうとしていて、接近に気が付かず、セチアに起こされて焦った。
囲まれていると。
慌てて鎧を着て戦闘の準備をする。
向こうは馬車を3台連れている。前方からは商隊を装っては居るが、道の脇や後方からも大勢が居る。20人位だろうか。
セチアが異常に気がつき、震えている。ツーンと匂いがしてきた。恐怖で失禁したようだ。無理も無い。どう見ても盗賊団だ。
そいつ等の一人が、
「うほー、お、お綺麗な女じゃ無いか!よお兄ちゃん!女と金目の物置いて何処かへ行けや!」
と下卑た声を出す。俺は手帳からスキルを色々確認して練習や試しをして戦う算段は出来ている。
無詠唱でアイスアローをぶち込む。
「残念だったな。あーS級冒険者に手を出したんだから、お前等皆殺しな!嫌なら身ぐるみ置いて土下座しろ!」
とアンタレスを引き抜き、馬車の前に出た。そしてアイスウォールで馬車を囲った。
これでセチアは大丈夫だろう。
盗賊達も一斉に俺に群がってきた。アイスアローを撃ち込みまくり、一瞬で3名にまで減らして、ハラパンを決め込み無力化した。そいつ等を奴隷にしてカードを回収し、死体を収納にしまった。
そして捕まえた奴にアジトへ案内させた。
馬車は俺達のより良い物で荷馬車では無く、人を乗せるようなのだ。
クリーンを掛けてそちらに移り、捕まえた2人に乗ってきたのと確保した馬車を操作させ、もう一人に俺とセチアが乗ていた馬車の御者をさせた。
街道を外れて10分位でアジトに着いた。
アジトには15人位居るそうで、ボスも居るという。
二人にセチアの護衛と馬車の護衛を厳命して馬車から20m以上離れる事も禁止した。
馬車はアジトから30m位に置いた。
捕まえ得た奴にボスを連れてくるように命じて入り口で待つ。
出て来たところをアイスアローにて撃ち込むが感づかれて、ナイフを投げてきた。俺は避けられず、腕を掠った。俺は怒りに燃え、そいつにアースホールを出して万歳をさせ首を刎ねた。
俺はアジトに入りアイスアローで次々に倒して、制圧を完了した。大したことは無かった。
制圧後はご褒美タイムで有る。取りあえずカードを回収し、死体を収納に入れていく。
お宝を収納に入れていると、まだ生きてる奴の気配がした。
ふと見ると牢屋が有り、裸の女が3人と、男が一人居た。
声を掛けると
「貴様何をやっている!早く助けないか!」と偉そうに言う。
「いきなり偉そうにあんたなんなんだ?」
「冒険者風情が、貴族で有る私にあんたと無礼を働くか!」
うわー面倒くさい奴だな。
こいつ盗賊に捕まっていた奴隷と言う事で良いよな。
女は何者だろうか?
「君達を助ける。君達は何者だ?」
と女性に聞く。
「はい、ここにおりますタオ様のメイドで御座います。」
20台半ばと30台前半、30台半ばの3人だ。
格好や状態から既に盗賊に犯され酷い扱いを受けたようだ。
『この小男助けるの嫌だなあ。』
と思い、
「俺は旅のS級冒険者だ。あんたらを助けたら俺にメリットは何かあるのか?」
とでかい態度で聞くと
「貴様何を偉そうに。早くここから出さないか。街についたら謝礼をくれてやるから早く出せ!」
「お前ふざけているのか?女は助けてやるが、お前を助ける義理は無い。人に物を頼むときの態度とは違うんじゃ無いか?それに命令じゃなく助けてくれとお願いするのが人と言う物だろう。」
と言い、女が捕まっている牢屋を壊して出してやる。
裸ではずかしがっているがどうにもならない。
手招きして
「こっちに来て着れそうな服を探すんだ」
とお宝を回収した後の荷物の中から適当な服を渡してやった。
セチアを呼んでメイド達の面倒をお願いした。
貴族の男は王都に居を構えるこの国の男爵だそうだ。
どうすべきかセチア聞くと、王都に連れ帰れば結構な謝礼が出るという。
取りあえず服を確保して男爵の所に行く
「服を持ってきたのでまずは着て欲しい。」
と渡すとふんと息巻いて奪って着てぶつぶつと文句を言っている。盗賊の生き残りで虫の息のが居たのでセチアに
「人を殺したことは有るか?」
と聞くと首を振る。短剣を渡して
「君がトドメを刺すんだ。こいつはもう長くない。いずれ殺す必要が有る。そんな時に殺しに経験が無く躊躇されると命に関わる。俺は君に殺しを強要している。まあろくな死に方しないんだろうな」
と言うとやりますと言い、トドメを刺した。
貴族もぎょっとしている。
見えないところにセチアを連れていき、土下座をして謝った。しかしすぐに抱き起こされて泣きながら許してくれた。
俺は貴族に、
「王都まで連れていってやる。お前を連れて行った報酬はどうするんだ?」
と聞くと、偉そうに
「ふん、がめつい奴め。盗賊が私から奪った物をくれてやるから好きなの選ぶがよい」
「はあ、何言ってるんだ?盗賊のお宝が有るとしても盗賊を殺した俺に所有権があるんだぞ。それにまあ見て来いよ。既に金目の物は無かったぞ」
言うと慌てて見に行って、
「お前が何処かに隠したのだろう。馬車の中か?」
「無いよ。それにさっきも言ったが、こいつ等が何か持っていたとしても俺のだ。残念ながらこいつ等が持っている小銭の入った財布くらいしか無いぞ。まあ馬車も好きに見ると良いさ、で、今のところ一文無しのあんたを王都まで連れて行く俺のメリットは?」
「何を言う!庶民が貴族で有る私に尽くすのは当たり前の話だ。有難く連れて行くがよい」
「はあ、何言ってるんだ?あんた頭大丈夫か?さっきから俺の話し聞いてるか?分からないならばはっきり言う。王都まで連れていってやるには対価が必要だ。どれだけ出す?嫌ならここに置いていく」
「貴様何を抜かすか!
「当たり前の事を言ってるんだが分からないのか?」
「貴様!庶民が何を抜かすか!」
「話にならないな。行こう。もうここに居る意味は無い。馬車を1台置いて行ってやる。ここから近くにある街まで3時間程度の筈だまあ頑張っていってくれ。メイドさん達はどうするんだ?」
「私達はタオ様のお付きのメイドで御座います。タオ様と一緒に王都へ向かいます」
と言うので手を振り
「まあ頑張って向かうんだな。俺達は先を急ぐんでここまでだな。じゃあな」
と馬車に向かって行くと慌てた男爵が
「悪かった。金は屋敷に着いてから払うから王都まで連れて行ってくれ。大金貨10枚だそう」
と言うので俺は了解した。
先に馬車に皆を向かわせて俺は死体とカードを回収した。
そしてこれ見よがしに特大なファイヤーボールをアジトに撃ち込むみ燃やしたのだった。メイドと男爵が唖然として俺を見て怖がっていた。
馬車の一台はこの貴族のだったのでそれに乗せ、もう一台は質素な乗用馬車で、俺とセチアで乗る。貴族の馬車は返してやった。メイドが御者をする。
俺達のは盗賊に御者をさせて、もう一台は護衛をさせた二人に乗ってこさせた。
3時間ほどで街に着き、先ずは服屋に行き、服を買ってやった。次に一番高い宿を聞き、一番良い部屋を貴族にと借りてやったら、
「貴様を誤解していたようだな。助かったよ」
と謝辞を言うので
「さっきはこちらも礼儀が無かった。戦闘中で気が立っていたんだ」
言うと満足して部屋に入っていった。メイドも同じ部屋だ。多分愛人だろう。
金貨20枚が飛んでいった。まあ仕方が無いか。
セチアは高級宿に目をきらきらさせてはしゃいでいた。
大人の落ち着いた女性と思っていたのでギャップにやられてしまった。
部屋に入ると抱きしめて殺しをさせたことを謝った。
「セチアにはとんでもない事をさせてしまった。謝ってゆりごああ」
彼女の唇が俺の口を塞いだ。
謝罪は要らないと。
俺達は明日に備えて早々に休む事にした。
寝る前に今日は如月さんに念話を送った
「如月さん、志郎です。実は記憶を無くしています。手帳に書いた日記で何とかしている状況で、明日にはワーグナー王国王都に入ります。それと何故か念話後の1分位の貴女達が夢で見える。魔力切れる」
と気絶する直前に念話を切った。
魔力がほぼ無くなりセチアに抱き付かれながら寝ていった。
2
お気に入りに追加
4,390
あなたにおすすめの小説
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる