エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第4章

ダンジョン四日目

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 俺はボス部屋の外で誰かに膝枕されている状態で意識が戻ったようだ。
 痛みは無い。
 顔に誰かの涙が当たる。
 白々しく

「うわああ」
 と呻き手を上に上げて胸を揉む。
 鎧を着ていないな。

「キャッ」

 と聞こえた
 あちゃーセリカだわ。
 今起きた振りをして

「すまない誰か状況を教えてくれないか」

 と今セリカのおっぱいを揉んじゃったのをスルーして貰う作戦に出ました。揉み心地は気絶しかけたと言っておこう。

 早速ナンシーが説明してくれた。
 ボスを倒した後刺さった剣を抜いたら悶絶して気絶した。
 セリカの懸命な治療で治った。
 1時間程気絶していたと。
 ドロップはミスリルの剣と聖者の衣2着
 下手な鎧より防御力高いな。
 聖魔法の効果倍は有難い。

「みんな迷惑掛けたね。特にセリカは治療してくれて有難う。膝枕心地よかったよ。」 

 と言うとみんな安堵していた。

 衣に先程の魔石で強化をする。
 魔法を反射し強度と防御力100%アップか
 セリカとライトアイに後で着させよう。

 時間は夕刻なので下に降りて野営の準備をする。食事を配膳するのはセリカの係りになったようだ。

 食事を終えて二人に聖者の衣を渡して明日から装備するように渡した。
 驚いた事にセリカが喜んで受けとるだけで明日着ますと普通の受け答えだ。

 段々奇行や問題発言が無くなって来た。
 試しにステータスを深く探ると状態に中毒と有った。
 更に深入りすると薬物による幻覚と催淫とある。
 どうやら城で薬を盛られてたようだ。段々薬の影響が抜けてきているようだった。と思い込んでいた。

 今日は普通に眠れそうだ。
 セリカにお休みのキスをすると恥ずかしがっていた。でも相変わらず俺の腕は離してくれない。
 やがて疲れからかお互い寝息を立てるのであった。

 day20

 朝異常事態で急激に目が覚めた。
 上半身裸のセリカが俺の腰に跨がっている。
 そして一方的に俺を殴り始め奇声を発する。

「キャー犯される。こいつ犯罪者よ!捕まえて。見て突然私の服を無理やり脱がして強姦してきてるの。誰か助けて!イヤー  やめてー」

 と殴り続ける。拳を痛める恐れから俺は全て手で受け止める。皆が異変を感じ、フレデリカとレフトアイは慌ててテントから出て周辺警戒に出てくれた。但し下着姿だ。

「いいぃいー男がいるじゃないの。私をめちゃくちゃにしてよ。あんたの手で女にしてよ!犯かしなさいよ。男でしょ」

 と支離滅裂で見てられない。

 4人でセリカを引き離し、ナンシーが抱き寄せて

「怖かったね、もうお姉さんがついてるから大丈夫よ!」

 と必死になだめている。
 俺はテントの外に逃げた。

 ナンシーが背中をとんとんすると寝ていったと聞いた。

 ニーベリングに聞くと、貴族が奴隷によく使う薬物の禁断症状に似ているといい、薬の接種をやめてから2-4日で禁断症状が出て、かなり淫乱になりセックスの時の感じ方もかなり凄い事になったり、暴れたり暴言を吐く、酷い幻覚を見る。場合によっては自殺してしまったり、自傷行為等かなり酷い事になる。
 薬物を抜くのに大概は縛り上げて閉じ込めるのが患者を守る手立てとなる。

 皆が頷く。
 俺は決断した。

 もうセリカに卑猥な事を言わせたくない。

「縛り上げてテントの中に寝かしてくれ」

 とナンシー達に託してテントをもうひとつ出した。

 外では戦闘の音が聞こえた。
 俺は逃げるように向かった。
 フレデリカが下着姿で戦っているので

「服を着て装備をしてこい」

 と下がらせてがむしゃらに戦った。
 セリカが騒いだので魔物が引き寄せられてきたのだ。

 取り急ぎ最初の分岐路まで単独で魔物を退治しに行った。分岐路でその先に特大のファイアーボールを投げて引き上げた。

 テントに戻るとシェリーが迎えてくれた。
 セリカの所に行こうとしたが皆に止められた。
 一時正気に戻ったセリカの希望で、これ以上醜態を見られたくないと。
 かなり酷いので縛り上げて猿ぐつわまでしていると。

 ナンシーとニーベリングには正気じゃない時も触っても暴れないので交代で付き添いをしてくれている。

 それでも行こうとするとシェリーに

「好きな男性に惨めな姿を見られたくないのです。どうか今は見ないであげてください。この1、2日で薬が抜けるはずです」

 と諭されて俺は泣きながらただただ頷いた。

 異常事態でここに足止めを喰らうのとテントに入り魔物を近づけたくないので三人一組で警戒班を立てる事を決めた。
 テントから40m位先に待機の場所を決めて警戒と殲滅を行う。
 俺はテントで皆の装備に魔石による強化を施してゆく。
 クレアのデスサイズにメデューサの魔石を組み込む。
 さてさて楽しみだ。
 デスサイズ+8となった
 能力は即死クリティカル率30% 自動修復
 強度と攻撃力が80%アップ
 強化して何だけど凄い事になった。正に死に神だ。
 クレアに説明するとジト目をされてしまい、ちょっとすると優雅にお辞儀をして感謝をしていた。

 俺はふとミスリルの槍を見つめていた。
 オーガジェネラルのだ。
 悩んだがポチっちゃったじゃなくてオーガジェネラルの魔石で強化する。
 +11となった。10超えるんだなと感心した。実はスキルレベルが上がり解禁されただけだ。
 特殊能力はテイムだ。攻撃が当たると80%の確率でテイムして配下に置くというのだ。魔物限定。
 うわーえげつないのが来たな。
 ちょっと槍術も気に入っている。某ラ〇サーを格好いいなと思っている。
 あと、趙 雲を気に入っていたりする。
 これは自分で使う。

 皆がミスリルの武器を持っているのにはもはや呆れるばかりだ。
 ダンジョンで得た魔石をガンガン使う。
 使わない武器も適当に付与して販売用をせっせと作成していく。


 スキルマスターの能力を考察してみた。現在は4
 魔石とスキルを合成餌にして最大ランク3までのスキルを作成できると有る。
 棍棒術を餌にオークナイトを合成すると聖魔法2が出た。
 どんどん行く。ダンジョンで得たスキルを合成して行くが、俺が聖魔法を強く要望したからだろうか、スキルの合成で聖が4になった。
 途中でコクコクしてしまい、気が付いたらエリシスが膝枕をしてくれていた。
 どうもまだ前日の怪我で流した血が回復していないため疲労が早かった。

 スキル作成を粛々としていると、ついにスリープのスキルを得た。
 これは指定した時間相手を眠らせるスキルで、時間が長ければ長い程必要な魔力が多くなる。

 セリカの様子を探らせると今はナンシーと俺には聞かせたくない類の会話を延々としていると。
 俺はニーベリングにセリカを入り口に背を向けて座らせるよう指示をした。
 ニーベリングが準備が出来たのを知らせてきたので、これからスキルで眠らせると全員に念話で伝え、そっとテントに入った。
 耳を蓋したくなる女の子がしちゃいかんエロい会話をスルーしてセリカに触れると24時間と決めて『スリープ』と発する。
 あっという間に倒れて眠りに落ちた。

 セリカを布団に寝かせ、ナンシーとニーベリングを優しく抱きしめて感謝を述べた。

「有難う。嫌な思いをさせたね。大変だったと思うから今日はもう休んでね。」

 と軽くキスをして休ませてあげた。
 明日様子を見てまだ駄目なら12時間のスリープを使う予定だ。

 ふと思いテントを出て剣の素振りと槍の突きの稽古をして、程よく疲れてからテントに戻りナンシーとニーベリングを招き寄せて二人の間で寝る事にした。
 ナンシーが、俺の頭を胸に抱き寄せる。
 ナンシーの鼓動を強く感じる。心地良い音だ。

 皆に夕食を食べて貰い、見張りの当番以外は眠りについた。

 セリカの事を考える。
 精神異常ではなくて麻薬中毒だったので回復の手だてがある事に感謝をしている。
 今は眠らせる事が出来るようになった。スキルに感謝をしないとだ。
 早く薬が抜けて正常に戻ったセリカをちゃんと見たい。
 正常に戻っても俺の事を好いてくれるのだろうか。

 そんな事を考えているといつの間にやら眠りに落ちていった。
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