エラーから始まる異世界生活

KeyBow

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第2章

ナンシーの初冒険

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 ナンシーは起き抜けに

「ええええ!何で私裸?ランスロット様も裸?ま、まさかあれを!」

 と狼狽えて、もぞもぞと下半身を確認しているようだ。

「良かった!まだだった。違えば違うで良いのだけど、やっぱりちゃんと、記憶に残したいのよね!」

 と呟いている。俺が寝てると勘違いしていやんとか言いながら俺の頭を掴み胸に押しつけてきた。
 俺はゲスなので意地悪をする。

「おはようナンシー。寝ている君と致すような事はしてないから安心してね!」

「聞こえてらしたんですか?」

「しっかりと」

 と答えて赤くなる顔を楽しんだ。

「ランスのばかばか」

 と俺の頭をぽこぽこしてる。
 どうやらシェリーが俺とナンシーの服を脱がしたっぽい。何故俺もナンシーも起きなかっただろうか?不思議だ。

「生の胸が当たってるよ」

 と言うとダッシュで布団から出て服を着始めた。

「エッチィ」

 と聞こえた。
 シェリーをアイアンクローでぐりぐりして起こして俺も着替え、食堂へ向かった。
 朝食を終えた後に頼んでおいた弁当を受け取った。
 そのままダンジョンに向けて出発し、途中で背嚢にしまう振りをして無限収納へ弁当を収納した。

 無限収納って便利だよね。時間が止まるから入れた物が暖かいままだし。

 ダンジョンの入り口は王都の外壁の外に更に外壁が作られていていた。入口には門番がダンジョンに入る者のカードを確認している。まず初心者ダンジョンはギルドの初心者講習会の受講済者しか入れない。また攻略するとカードに記録が残るのでダンジョンに入れなくなる。無理に入ると激痛が走り大抵は気絶するそうだ。

 カードを提示して俺達は入って行く。
 全部で10階層の構成の地下型ダンジョンだ。
 下層に向かうと段々強くなり、10階はボス部屋のみ。ボス部屋には単独でしか行けなく、攻略するとご褒美が有るらしい。

 先ずは1階を進む。予めマップを購入しているのでさくさく進めるだろう。
 ダンジョンは何故か壁が発光して明るく松明など不要だった。また、ダンジョンと言うより洞窟である。

 1階で最初に出たのはスライムだった。ヌルヌルしてキモかった。俺はうへえと思うとファイアーボールを放ってしまった。じゅっと焼ける匂いと供に

「衣服溶解を奪取しました」

 と聞こえた。何に使うのか突っ込みどころ満載だ。小さい魔石を残し消えていった。スキル名を見て魔法放ったのかって?ノーコメントです。

 ダンジョンでは魔物を倒すと魔石を残し消えていく。たまにアイテムをドロップしていくんだそうだ。

 少し進むとゴブリンの登場。ナンシーに矢を放つように指示。サクッと頭に命中。
 魔石を残して消える。
 ふと役割分担を決めた。基本的に俺が待ったを掛けなければナンシーが倒す。今日はシェリーはナンシーの護衛。
 俺は斥候とドロップの回収係。欲しいスキルを持っているなら俺が倒す。

 その後はゴブリンが数匹出るだけであっさり2階へ。
 今度はゴブリンが3体同時に出て来た。
 ナンシーに斬撃を使うように指示をして二匹を倒した。最後の一匹は剣で倒させた。色々な戦いを経験させたかった。
 次にオークが現れたがナンシーの剣は相手の武器をまるでバターを切るように切り裂いてそのまま体に届く。
 これじゃあ訓練にならないなと思いショートソードに替えさせた。

 オークが単発で3匹出るものの弓と斬撃でサクサク倒している。あっさり三階へ

 ここではオークが2匹同時に出て来た。
 片方を弓で仕留めるともう一方を5合位打ち合った後心臓を突き刺して終わった。

 その先に今度は3匹のオークが居た。
 弓と魔法で難なく倒している。一匹はシェリーに向かってきたのでシェリーが倒した。もう一度二匹と遭遇したが難なく撃破。

 4階に下りるとゴブリンが10匹ほど居た。
 斬撃と魔法で半分倒し剣を持って突っ込んでいった。
 危なげなく倒していく。
 動きに無駄がなく華麗に舞っている感じだ。
 シェリーは蝶のように舞い、蜂のように刺すと言う感じだか、ナンシーは風である。爽やかに舞っている。

 続いて五階に降りる。
 ここは様子が一変し、蜥蜴が二足歩行しているような所謂リザードマンが出た。ナンシーがスピードを唱えて走り出す。

「あっ待って!」

 と声をかけるも間にあわず切り結んでいっていた。
 槍術を持っていて武器の形状から武器破壊をされる可能性が有ると感じた。。
 案の定あっさりショートソードを絡み取られ折られた。
 俺はジェネラルの大剣を構え切りつける。
 転移で頭上に飛んで頭から切り裂き真っ二つにした。
 ナンシーには代わりにゴブリンキングの剣を渡した。
 直ぐにもう一匹現れてナンシーが武器もろとも腕を切断し、俺がトドメを刺した。 

 それから三匹現れて、もう良いからと一匹はシェリーの腕ならし、残りはナンシーにやらせた。

 そうこうしてる間にボス部屋に着いた。
 他の冒険者もいた。ボス部屋の前は安全地帯だそうで魔物は現れない。5人程待っていたので並んで待った。
 ボス部屋は一人ずつしか行けない。俺達の番が来た。先ずはシェリーに行かせた。
 終わったらボス部屋を出た所で待ち合わせにしている。

 三分位で扉が開いた。かなり早い。普通は10分位掛かる。
 ナンシーが扉を開けるも中は何も無かった。
 もし死ぬと装備品とカードが残されているのだ。つまり無事倒したと言う事だ。

 反則技の武器も有るので

「いってらっしゃい」

 とナンシーを送り出した。普通はリザードマンが三匹だそうだ。
 四分位で扉が開き俺も行く。
 扉が閉まると出てきたのは三頭のミノタウロス。バリバリのランクAである。愕然とする。

「なんで初心者ダンジョンに?まじっすか!」

 と呟くと同時に振りかざして来たのは3mは有ろうかという大剣。
 紙一重で避ける。
 慌てて辺り一面にファイアーボールを魔力を強めに込めて数発放つ。
 全てが標的に当たった。
 トランスフォームを強奪しました。とストックも2つ入った。
 思わず焦った。
 死体は殆ど焼けただれているが、リザードマンだった。間もなく魔石とドロップを残し消えていった。
 あれ?と思うがスキルで変身してたようだ。ドロップは大型の盾だった。魔石を拾いボス部屋を出て6階に向かうのだった。
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