5 / 527
第1章
追放
しおりを挟む
day2
バタバタどかどか
やたらと騒がしい音と振動で目が覚めた。
そしてガチャガチャとドアを開けようとしているようだ。寝る前に鍵かけていたから直ぐには開かなかった。
何だ?何だ?と思ったその時扉の外から
「隊長どうしますか?」
と声が聴こえてきた。
「行け!」
との声が聴こえたとたん勢い良くドアが開き、その勢いのまま男が飛び込んできた。
肩からショルダーアタックを決めこんでいた。
転がりこんで来た男を乗り越え、数人の兵士が部屋の中に一気に押し入ってきた。
俺は唖然として声を出す事が出来なかったが、兵士の一人が
「抵抗するな!大人しくしろ!」
そう叫んできた。
外には完全武装した兵士の何人かが控えているのが見えた。
そして俺はと言うと、為す術もなくあっさり組伏せられていた。
一応中学の時は柔道をやっていたので、一般兵士の一人や二人位ならぶん投げてやったのだが、寝ている所に数人で一気に制圧してきた状況ではどうにもならなかった。床に引きずり下ろされ、押さえつけられている。無駄だと思うが
「何をする!」
そう叫んでみた。
すると隊長らしき者が
「何を言うかこの痴れ者が!王女様に暴行を働いておいてすっとぼける気か!」
身に覚えにない事を言われた。
「何なんだよお前達」
と悪態をつくが押さえる力は益々強くなる。
部屋から引きずり出され、ご丁寧に猿ぐつわまでする始末。
騒いだ所でどうにもならない。大人しく言う事を聞くしかなく、兵士の後を着いていく。
食堂と思われる所に連れていかれた。
そうすると、その場に第二王女と神官が待ち受けていた。
「罪人をこれへ」
神官が指示を出す。
そして俺は王女の前に引き出され、頭を床に押し付けられ、漸く猿ぐつわを外された。
「これは一体何のつもりだ?」
俺は捲し立てたが神官が
「王女に対する暴行罪を償ってもらう」
「はあ?何いってるんだ?そんな事する分けないだろう!」
そう言い返しても聞く耳を持たず、
「王女様、お願致します」
神官に言われ第二王女は、別の神官から渡された首輪を持って俺へ近付いてきた。
あれって隷属の首輪だよな?
「まっまさか!」
と思う暇もなく王女が俺の首に首輪を填めてきた。
しかし何の反応も無い。
第二王女と神官が顔を合わせて一様に驚いていたが、俺の方は
『ふざけるな!なんで奴隷になんかにならなきゃいけないんだ!』
などと焦っていたが、首輪が突如勝手に外れ、全員が驚いたのだった。
暫しの沈黙の後に神官が、
「南の魔の森にこいつを置いてこさせます。第二王女様宜しいですね?」
第二王女に同意を求め、頷くのを確認し、兵士達にてきぱきと指示を始めた。
ドアの外から高校生の何人かが見ていたが、誰も何も発する事なく、ただ見ているだけだった。
「俺は何もしていないのに酷い仕打ちだ!暴行も何も昨夜は宿舎に入ってから一歩も出ていない。調べれば分かる」
必死に訴えるも誰も相手にしてくれなかった。
そうこうしている間に、馬車の用意が出来たようで、到着を確認した神官が兵士に顎でしゃくって俺を連れ出させた。
しかし兵士からは
「あそこは魔物がうようよしている所ですよ!良いんですか?」
そう聞いた兵士に第二王女はただただ頷くだけだった。
「冗談じゃない。そんな所に放り出されたら無事じゃいられない!」
訴えていたら、背後にいた兵士に頭を殴られ意識を手放した。
意識を手放す前に思ったのは第二王女の胸って思ったより大きそうだな!だった。
俺ってしょうもない奴だな。
とてもじゃ無いがオッサンの思考じゃなくて、思春期真っ盛りの思考や言葉使いになっているのに気がつくのはまだ先の事だった。
どれ位時間が経ったのだろうか。
意識を取り戻すと体を縛られ、無造作に荷台に寝かされていた。
荷馬車が揺れる度に体に痛みが走ったのだった。
バタバタどかどか
やたらと騒がしい音と振動で目が覚めた。
そしてガチャガチャとドアを開けようとしているようだ。寝る前に鍵かけていたから直ぐには開かなかった。
何だ?何だ?と思ったその時扉の外から
「隊長どうしますか?」
と声が聴こえてきた。
「行け!」
との声が聴こえたとたん勢い良くドアが開き、その勢いのまま男が飛び込んできた。
肩からショルダーアタックを決めこんでいた。
転がりこんで来た男を乗り越え、数人の兵士が部屋の中に一気に押し入ってきた。
俺は唖然として声を出す事が出来なかったが、兵士の一人が
「抵抗するな!大人しくしろ!」
そう叫んできた。
外には完全武装した兵士の何人かが控えているのが見えた。
そして俺はと言うと、為す術もなくあっさり組伏せられていた。
一応中学の時は柔道をやっていたので、一般兵士の一人や二人位ならぶん投げてやったのだが、寝ている所に数人で一気に制圧してきた状況ではどうにもならなかった。床に引きずり下ろされ、押さえつけられている。無駄だと思うが
「何をする!」
そう叫んでみた。
すると隊長らしき者が
「何を言うかこの痴れ者が!王女様に暴行を働いておいてすっとぼける気か!」
身に覚えにない事を言われた。
「何なんだよお前達」
と悪態をつくが押さえる力は益々強くなる。
部屋から引きずり出され、ご丁寧に猿ぐつわまでする始末。
騒いだ所でどうにもならない。大人しく言う事を聞くしかなく、兵士の後を着いていく。
食堂と思われる所に連れていかれた。
そうすると、その場に第二王女と神官が待ち受けていた。
「罪人をこれへ」
神官が指示を出す。
そして俺は王女の前に引き出され、頭を床に押し付けられ、漸く猿ぐつわを外された。
「これは一体何のつもりだ?」
俺は捲し立てたが神官が
「王女に対する暴行罪を償ってもらう」
「はあ?何いってるんだ?そんな事する分けないだろう!」
そう言い返しても聞く耳を持たず、
「王女様、お願致します」
神官に言われ第二王女は、別の神官から渡された首輪を持って俺へ近付いてきた。
あれって隷属の首輪だよな?
「まっまさか!」
と思う暇もなく王女が俺の首に首輪を填めてきた。
しかし何の反応も無い。
第二王女と神官が顔を合わせて一様に驚いていたが、俺の方は
『ふざけるな!なんで奴隷になんかにならなきゃいけないんだ!』
などと焦っていたが、首輪が突如勝手に外れ、全員が驚いたのだった。
暫しの沈黙の後に神官が、
「南の魔の森にこいつを置いてこさせます。第二王女様宜しいですね?」
第二王女に同意を求め、頷くのを確認し、兵士達にてきぱきと指示を始めた。
ドアの外から高校生の何人かが見ていたが、誰も何も発する事なく、ただ見ているだけだった。
「俺は何もしていないのに酷い仕打ちだ!暴行も何も昨夜は宿舎に入ってから一歩も出ていない。調べれば分かる」
必死に訴えるも誰も相手にしてくれなかった。
そうこうしている間に、馬車の用意が出来たようで、到着を確認した神官が兵士に顎でしゃくって俺を連れ出させた。
しかし兵士からは
「あそこは魔物がうようよしている所ですよ!良いんですか?」
そう聞いた兵士に第二王女はただただ頷くだけだった。
「冗談じゃない。そんな所に放り出されたら無事じゃいられない!」
訴えていたら、背後にいた兵士に頭を殴られ意識を手放した。
意識を手放す前に思ったのは第二王女の胸って思ったより大きそうだな!だった。
俺ってしょうもない奴だな。
とてもじゃ無いがオッサンの思考じゃなくて、思春期真っ盛りの思考や言葉使いになっているのに気がつくのはまだ先の事だった。
どれ位時間が経ったのだろうか。
意識を取り戻すと体を縛られ、無造作に荷台に寝かされていた。
荷馬車が揺れる度に体に痛みが走ったのだった。
32
お気に入りに追加
4,390
あなたにおすすめの小説
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる