二桁等級の成り上がり〜僕だけステータス操作(体重)出来る件〜

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第二章

第62話 最下層への挑戦

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 数日が過ぎ、僕たちは4階層での戦闘にも慣れ、各自のスキルも磨かれていった。日々の訓練と冒険の成果で、皆の体つきも少しずつ引き締まってきた。ナリアナは特にやせ細っていたが、今ではそんな様子は微塵もない。

「最近、少し太った気がするんだけど・・・」

 ナリアナが心配そうに話すと、冗談交じりにラファエルが笑いながら答えた。

「それなら、主殿のギフトで体重を調整してもらえば?」

「バンにぃ、お願いできる?」

「少し減らすけど、まだ体重足らないくらいだぞ。でもステータスに少しでも回したいよな」

 僕は了承し、ステータス操作(体重)を使って体重を調整することにした。もちろん減らした体重で得られるポイントはステータスに即時に反映する。僕のギフトが体重を自在に操作することができると伝えると、ナリアナ以外は2日に一度は体重を聞きに来て、彼女たちの中での許容体重を超えると直ぐに落としていた。

 これにより僕たちの動きもさらに軽快になるし、ステータスも上がるから良いこと尽くめだ。

「これで少しは動きやすくなるわ!バンにぃ、ありがとう!」

 ナリアナは体が軽くなったことを実感し、満足そうに微笑んだ。どうせならキスをして欲しかったけど、彼女はしてくれなかった。皆がいるからかな?

 その夜、宿での夕食を終えた後、僕たちは今潜っているダンジョン最下層について話し合った。

「最下層にはボス部屋があるって話よ。そこにはグリフォンがいるって噂を聞いたことがあるわ」

 ラファエルが真剣な表情で言った。

「グリフォンか・・・。それが本当なら、かなりの強敵だな。力はともかく、飛ぶのは厄介だな」

 僕は少し緊張しながらも、挑戦の意欲が湧いてきた。

「でも、気になることが一つあるわ」

 アレクシアが不安げに言った。

「何が気になるの?」

 ナリアナが尋ねると、アレクシアは続けた。

「これまで誰1人として生きて帰れなかったって話なのよ」

 珍しくミンディーが反応し、突っ込んだ。

「それっておかしくない?誰も生きて帰れなかったのにどうしてグリフォンだと分かるんだい?」

 ラファエルは少し考え込んだ後、答えた。

「他のパーティーがドアの隙間から閉まるまでに見たって話よ。その人たちより上のランク者が出てこなかったから挑戦するのを諦めたようね」

 その話を聞いて、僕たちは一瞬沈黙した。最下層のボス部屋に何が待ち受けているのか、それが僕たちの頭をよぎった。

「明日は最下層に挑むつもりだけど、準備は万全にしよう!ということで今日は早く寝ようね!」

 全員が頷き、翌日に向けての準備を進めることにした。

 翌朝、僕たちは早めに起床し、最下層に向けての最終準備を整えた。装備を点検し、各自の持ち物を確認してから、宿の入口に集まり、ダンジョンに向かった。

「行こう。これが僕たちの新たな挑戦だ」

 僕の合図で、僕たちは最下層を目指して進み始めた。道中の敵はこれまで以上に手強かったが、僕たちは連携を駆使して次々と倒していった。そしてついに、最下層のボス部屋の前にたどり着いた。

「ここが最下層か・・・」

 高さ3mはあろう観音開きの扉が階段を降りてすぐにあり、このフロアがボス部屋のみなのだと物語っていた。僕は深呼吸をして、皆に目配せをした。全員が準備を整えたのを確認し、扉を開けた。

 ボス部屋に足を踏み入れると、そこには異様な光景が広がっていた。部屋の中には無数の人間の石像が立ち並んでいた。まるで生きたまま石にされたかのようなリアルさだった。武器を手に持ち、立ち向かおうとしていたり、逃げ惑っている?唖然とした顔をしたりしているのもあり、ボス部屋の端ではなく戦闘中に石にされたとしか思えない位置にあり、はっきり言うと邪魔だ。そんな位置にあった。
 部屋の高さは10mはある・・・

「これは・・・」

 僕たちは言葉を失いながらも、警戒を強めた。部屋の奥には巨大なコカトリスが鎮座していた。その鋭い目が僕たちを見据え、獰猛な笑みを浮かべている。石像に目を取られている間に扉は閉まった。

「どう見てもコカトリスか・・・石化の魔眼を持っているに違いない。くそっ!これは戦いに負けた人たちか?」

 僕は緊張しながら、戦闘の準備を整えた。コカトリスが動き出し、戦いが始まるのを待った。

「僕たちならやれる!行くぞ!」

 僕たちは一致団結して、コカトリスに立ち向かう心の準備を整えた。未知なる強敵との戦いが、今まさに始まろうとしていた。
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