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第二章
第55話 ナリアナぶっ飛ばす
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ミノタウロスを倒した後、皆が落ち着くまで休憩を入れたんだ。数分後皆落ち着いたのを見計らい、そろそろ休憩を終えて先へと進もうと話を切り出すとにした。
「そろそろ落ち着いた?まだ行けそうなら、とりあえず今日は2階層を1時間ほど探索してから帰らない?」
僕が時間を区切っての探索について提案している最中、1階層でよく出るゴブリンが単独で現れた。
「危なくなったら助けに入るけど、行ける?」
僕はナリアナに目を向けて恐る恐る尋ねると、目を輝かせて答えた。
「もちろん!」
彼女はやる気満々で、臆することなくモーニングスター片手にゴブリンに近付いていく。
ゴブリンも臨戦態勢に入り、キシャーと威嚇しながら棍棒を構えた。
皆周りを警戒しつつ、ナリアナがどう動くのか見守っている。
そんなナリアナはゴブリンに警戒することなくテテテと軽快な足取りで駆けて・・・そしてゴブリンの目の前に辿り着くと「えいっ!」と叫びながらモーニングスターをフルスイングした。
ゴブリンも棍棒と言うか棒切れを振りかぶってきたが、それよりもナリアナのスイングの方が早かった。
ブォンと鈍い風切音とともに、ゴブリンが吹き飛ばされて壁に激突し・・・霧散した。
しかし皆、その場で絶句した。
僕は一瞬、ゴブリンって飛ぶんだと現実逃避したほどだ。
「ナリアナ殿・・・すごい!」
ラファエルが最初に声を上げる。
「へへ、やった!これでモンスターたちは私には手が出せなくなっちゃったね!」
得意げに笑うナリアナだが、よく意味がわからない変なことを発した。変なのは興奮していたからかな?
「ナリアナ、頑張ったジャン!」
ミンディーの褒め言葉に照れていた。
「あ、ありがとう。でも、これぐらい・・・たいしたことないよね?」
ナリアナは少し戸惑いながらも謙遜するも、アレクシアは驚きながら微笑む。
「すごい威力ね!これからも期待してるわよ!」
「あなたの力は本当に頼もしいわね。これなら心配なさそうね」
メリッサも感心しながら褒めていた。
「ナリアナ、君の戦い方は見事だったよ。うん、実に素晴らしい動きだったよ」
僕は興奮していたのを隠せなかった。
その後、2階層を1時間ほど探索し、様々なモンスターと戦いながら新しいアイテムや魔法を手に入れた。
魔法と言っても徘徊型である2階層の階層主を、僕がついつい秒で倒した時に、ファイヤーアローのオーブを得たので、その場でナリアナに使ってもらった。
階層主を発見すると、他の冒険者が近くにいたのもあり、向き合うより早く剣を投げたんだ・・・ごめんよ、皆に経験する場にすべきだった・・・
そして2時間が経ち、帰ることに。
ナリアナも初の攻撃魔法に気を良くしたのか、魔力の残量が心配になるほどファイヤーアローを使っていたんだ。
「今日は結構濃い日だったね。帰ろうか?」
そう提案すると、仲間たちは同意したので、ダンジョンの外に出るべく1階層を目指し踵を返した。夕陽が沈む空が美しい光景を作り出している頃、僕たちはダンジョンを出ようとし、今日の冒険を振り返りながら帰路につき始めた。ナリアナの成長に期待が高まる中、明日への新たな冒険の予感が胸を躍らせる。
2階層は広く、徘徊型のボスに遭遇するなんて運が良かった!あれを狙う冒険者もそれなりにいるのだと聞いた。何せ初級とは言え、魔法を内包したオーブを落とす確率が10%もあるらしい。
最後にナリアナはどの方向に行くのか?僕はちょっと考え込んでしまった。『怪力少女・・・イヤー!』と唸りつつ、魔法怪力少女・・・の誕生を危惧した。
「そろそろ落ち着いた?まだ行けそうなら、とりあえず今日は2階層を1時間ほど探索してから帰らない?」
僕が時間を区切っての探索について提案している最中、1階層でよく出るゴブリンが単独で現れた。
「危なくなったら助けに入るけど、行ける?」
僕はナリアナに目を向けて恐る恐る尋ねると、目を輝かせて答えた。
「もちろん!」
彼女はやる気満々で、臆することなくモーニングスター片手にゴブリンに近付いていく。
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皆周りを警戒しつつ、ナリアナがどう動くのか見守っている。
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ゴブリンも棍棒と言うか棒切れを振りかぶってきたが、それよりもナリアナのスイングの方が早かった。
ブォンと鈍い風切音とともに、ゴブリンが吹き飛ばされて壁に激突し・・・霧散した。
しかし皆、その場で絶句した。
僕は一瞬、ゴブリンって飛ぶんだと現実逃避したほどだ。
「ナリアナ殿・・・すごい!」
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「へへ、やった!これでモンスターたちは私には手が出せなくなっちゃったね!」
得意げに笑うナリアナだが、よく意味がわからない変なことを発した。変なのは興奮していたからかな?
「ナリアナ、頑張ったジャン!」
ミンディーの褒め言葉に照れていた。
「あ、ありがとう。でも、これぐらい・・・たいしたことないよね?」
ナリアナは少し戸惑いながらも謙遜するも、アレクシアは驚きながら微笑む。
「すごい威力ね!これからも期待してるわよ!」
「あなたの力は本当に頼もしいわね。これなら心配なさそうね」
メリッサも感心しながら褒めていた。
「ナリアナ、君の戦い方は見事だったよ。うん、実に素晴らしい動きだったよ」
僕は興奮していたのを隠せなかった。
その後、2階層を1時間ほど探索し、様々なモンスターと戦いながら新しいアイテムや魔法を手に入れた。
魔法と言っても徘徊型である2階層の階層主を、僕がついつい秒で倒した時に、ファイヤーアローのオーブを得たので、その場でナリアナに使ってもらった。
階層主を発見すると、他の冒険者が近くにいたのもあり、向き合うより早く剣を投げたんだ・・・ごめんよ、皆に経験する場にすべきだった・・・
そして2時間が経ち、帰ることに。
ナリアナも初の攻撃魔法に気を良くしたのか、魔力の残量が心配になるほどファイヤーアローを使っていたんだ。
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そう提案すると、仲間たちは同意したので、ダンジョンの外に出るべく1階層を目指し踵を返した。夕陽が沈む空が美しい光景を作り出している頃、僕たちはダンジョンを出ようとし、今日の冒険を振り返りながら帰路につき始めた。ナリアナの成長に期待が高まる中、明日への新たな冒険の予感が胸を躍らせる。
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最後にナリアナはどの方向に行くのか?僕はちょっと考え込んでしまった。『怪力少女・・・イヤー!』と唸りつつ、魔法怪力少女・・・の誕生を危惧した。
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