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第一章
第40話 慰労会
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昨日、ミスティックさんのメンバー全員がダンジョン探索に行っており、ミンディーとメリッサを助けられたことについてのお礼ができずにいたんだ。
しかし、僕とミンディーが孤児院から帰る途中、ミスティックのサブリーダーのベッカルさんが色街から出てくるところに出くわした。色街の入口門の横を通ると、僕に気が付いたベッカルさんはあわあわしていた。こんな時間に何をしていたのかな?依頼主さんに依頼達成の報告とか、納材かな?うん、きっとそうだ。
「ベッカルさん!もしよければ今晩ミスティックの皆さんと食事をしたいのですが、お願いしてもよいですか?」
「や、やあバンスロット君。その子は・・・例の子か。我々はうさぎと狸亭でこれから食事をするから、そこに来ると良いよ。あねさんには私から言っておくし、みな喜ぶと思うよ。うん」
「あっ、はい。もう1人いるので3人で伺います!」
「わ、分かった」
ベッカルさんは気の抜けたような返事をすると、逃げるように去っていった。だけど、こんな時間に色街で何をしていたんだろう?その、大人の遊びをするにはまだ時間が早いよね?そうだ!ここは食事の時に聞いてみれば良いじゃないか!うん、そうしよう!
僕たちは一度宿に戻り、メリッサをピックアップしてから3人でうさぎと狸亭に向かった。
僕がミンディーとメリッサを伴ってうさぎと狸亭に入ると、ゾーイさんが手を振ってくれたので、彼らのいるテーブルに向かった。
「急にごめんなさい」
「お前は細けぇこと気にし過ぎんだよ。ほら、レディーをいつまで立たせて置く気だ?早く座れよ」
そう言われるも2人を紹介せずに座れない。
「あっ、はい。その前に、えっと、その、銀髪の方がミンディー、そして金髪の方がメリッサです。2人とも、こちらが上級冒険者のミスティックの・・・」
2人にミスティックのことを軽く紹介し、次に2人が軽く挨拶をした。
「よく来たね!ゾーイじゃないが、落ち着かないから座って座って!」
ルセリアさんがまずは座るように話し、パーティーメンバーを紹介してくれた。ちなみにゾーイさんの紹介は簡単だったけど、面倒見が良いんだよと中々的を得ていて、ゾーイさんはそっぽを向き顎をボリボリと掻いていた。
既に食べ物が運ばれてきており、いきなりゾーイさんが乾杯の音頭を取りだした。
「俺はなぁ、かてぇこたぁキレーだ。ほら飲め!カンペイの音頭だあ!みなジョッキを持ったかぁ!かんぺー!おらぁのめぇやぁあ!」
既に酔っているようで絡み酒をされそうな予感がした。
「えーっと、まあ見ての通りで、2人を無事に僕の仲間にすることができました。本当、皆様のおかげです。今日は僕の奢りにさせてください!」
僕はまず、2人を無事に買い取り、僕の仲間になったことを報告した。今日はお礼を兼ねて僕のおごりですと伝えると、食事が始まったというか再開した。
2人を奴隷としてではなく、仲間として扱うことを心掛けた。
「おい坊主、どっちと先にやったんだ?まとめて食っちまったか?」
だけど…食事会の雰囲気はゾーイさんの無神経な発言でぶち壊され、特にシンディーさんが激怒したんだ。
「てめぇ流石に今日は許さんぞ!バン君をてめぇと一緒にすんじゃあねえ!一度しねやぁぁぁ!」
バキバキ、ドカッ!と殴られ胸ぐらをつかまれたゾーイさんは、シンディーさんによって店の外に叩き出された。そのシンディーさんの姿に、これまで萎縮して僕の腕にしがみついていたミンディーが驚きの様子を見せた。
「ま、まさか?シンディーねぇ?」
「ああ。久しぶりだね・・・」
僕は確かにミンディーの顔がシンディーさんに似ているなと思ったら、ミンディーの母方の従姉妹だったことが判明した。
シンディーさんの存在にミンディーは大いに驚いていた。
僕も驚いたけど、結局シンディーさんが語ってくれた。なぜミンディーが奴隷になったのかも教えられたけど、シンディーさんはミンディーが殺人の咎で奴隷落ちとなり、この町の奴隷商の所に来たようだと突き止めた。そして、僕がミンディーを買おうとしていることを知り、資金難だとも分かった。それで援護すべく、あの大剣を買い取ろうとしたと。
シンディーさんがミスティックの全員に土下座をして頼み込んだと聞いた。それでゾーイさんが僕に協力してくれたんだと理解したんだ。
シンディーさんは、ミンディーが奴隷落ちし、この街の奴隷商に買われたことを突き止めた。但し、どうやら買い手が決まったようだと知ったときは唖然としたそうだ。
そして、ルセリアさんからのアドバイスとして、僕が宣言通りダンジョンを潰して回るのならば、パーティーメンバーをもう2人か3人増やした方がいいと言われた。確かに、現在の3人だけでは近いうちに限界や破綻を生じかねない。
このアドバイスを受けて、僕はパーティー強化のため、新たなメンバー探しに乗り出すことにした。しかし、新しい仲間を探すのは簡単なことではない。良い仲間を見つけるためには、信頼できる人物かどうかを見極める目が必要だ。僕は慎重に候補者を選びつつ、ミンディーやメリッサとも相談しながら進めていくことを決意した。
「ところでベッカルさん、さっき色街にいたのを見かけましたけど、こんな時間に何をしていたんですか?」
一瞬、場が固まった・・・ベッカルさんは困った顔をして視線を泳がせたが、ルセリアさんが話を引き取った。
「実はね、今回の金策でゾーイがかなり強引なことをしていたので、謝罪に回っていたのよ。彼も反省してるみたいだけど、やり方がちょっとね・・・」
「そうだったんですか。それなら納得です。確かに凄かったですね」
その後、話題は自然と他の話に移り、食事は続いたが、しばらくして、ゾーイさんがふと尋ねた。
「ところで、お前らのパーティー名はなんだ?」
「ウエイプレスです。」
「ウエイプレス?それってどういう意味だ?」
「『ウエイトをレス【減らす】』を掛け合わせたんです。重荷を減らして、軽やかに進むという意味を込めています。」
「なるほどな、いい名前だ。軽やかに進むってのはいいもんだ。」
僕たちはその後も楽しい時間を過ごし、ゾーイさんも潰れたのもありお開きとなった。ミスティクさんたちは明日には別の町にあるダンジョンに向かう予定で、またどこかで会おうとなった。
そうして僕たちは次の日、新たな冒険に向けて準備を整えることにした。
しかし、僕とミンディーが孤児院から帰る途中、ミスティックのサブリーダーのベッカルさんが色街から出てくるところに出くわした。色街の入口門の横を通ると、僕に気が付いたベッカルさんはあわあわしていた。こんな時間に何をしていたのかな?依頼主さんに依頼達成の報告とか、納材かな?うん、きっとそうだ。
「ベッカルさん!もしよければ今晩ミスティックの皆さんと食事をしたいのですが、お願いしてもよいですか?」
「や、やあバンスロット君。その子は・・・例の子か。我々はうさぎと狸亭でこれから食事をするから、そこに来ると良いよ。あねさんには私から言っておくし、みな喜ぶと思うよ。うん」
「あっ、はい。もう1人いるので3人で伺います!」
「わ、分かった」
ベッカルさんは気の抜けたような返事をすると、逃げるように去っていった。だけど、こんな時間に色街で何をしていたんだろう?その、大人の遊びをするにはまだ時間が早いよね?そうだ!ここは食事の時に聞いてみれば良いじゃないか!うん、そうしよう!
僕たちは一度宿に戻り、メリッサをピックアップしてから3人でうさぎと狸亭に向かった。
僕がミンディーとメリッサを伴ってうさぎと狸亭に入ると、ゾーイさんが手を振ってくれたので、彼らのいるテーブルに向かった。
「急にごめんなさい」
「お前は細けぇこと気にし過ぎんだよ。ほら、レディーをいつまで立たせて置く気だ?早く座れよ」
そう言われるも2人を紹介せずに座れない。
「あっ、はい。その前に、えっと、その、銀髪の方がミンディー、そして金髪の方がメリッサです。2人とも、こちらが上級冒険者のミスティックの・・・」
2人にミスティックのことを軽く紹介し、次に2人が軽く挨拶をした。
「よく来たね!ゾーイじゃないが、落ち着かないから座って座って!」
ルセリアさんがまずは座るように話し、パーティーメンバーを紹介してくれた。ちなみにゾーイさんの紹介は簡単だったけど、面倒見が良いんだよと中々的を得ていて、ゾーイさんはそっぽを向き顎をボリボリと掻いていた。
既に食べ物が運ばれてきており、いきなりゾーイさんが乾杯の音頭を取りだした。
「俺はなぁ、かてぇこたぁキレーだ。ほら飲め!カンペイの音頭だあ!みなジョッキを持ったかぁ!かんぺー!おらぁのめぇやぁあ!」
既に酔っているようで絡み酒をされそうな予感がした。
「えーっと、まあ見ての通りで、2人を無事に僕の仲間にすることができました。本当、皆様のおかげです。今日は僕の奢りにさせてください!」
僕はまず、2人を無事に買い取り、僕の仲間になったことを報告した。今日はお礼を兼ねて僕のおごりですと伝えると、食事が始まったというか再開した。
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だけど…食事会の雰囲気はゾーイさんの無神経な発言でぶち壊され、特にシンディーさんが激怒したんだ。
「てめぇ流石に今日は許さんぞ!バン君をてめぇと一緒にすんじゃあねえ!一度しねやぁぁぁ!」
バキバキ、ドカッ!と殴られ胸ぐらをつかまれたゾーイさんは、シンディーさんによって店の外に叩き出された。そのシンディーさんの姿に、これまで萎縮して僕の腕にしがみついていたミンディーが驚きの様子を見せた。
「ま、まさか?シンディーねぇ?」
「ああ。久しぶりだね・・・」
僕は確かにミンディーの顔がシンディーさんに似ているなと思ったら、ミンディーの母方の従姉妹だったことが判明した。
シンディーさんの存在にミンディーは大いに驚いていた。
僕も驚いたけど、結局シンディーさんが語ってくれた。なぜミンディーが奴隷になったのかも教えられたけど、シンディーさんはミンディーが殺人の咎で奴隷落ちとなり、この町の奴隷商の所に来たようだと突き止めた。そして、僕がミンディーを買おうとしていることを知り、資金難だとも分かった。それで援護すべく、あの大剣を買い取ろうとしたと。
シンディーさんがミスティックの全員に土下座をして頼み込んだと聞いた。それでゾーイさんが僕に協力してくれたんだと理解したんだ。
シンディーさんは、ミンディーが奴隷落ちし、この街の奴隷商に買われたことを突き止めた。但し、どうやら買い手が決まったようだと知ったときは唖然としたそうだ。
そして、ルセリアさんからのアドバイスとして、僕が宣言通りダンジョンを潰して回るのならば、パーティーメンバーをもう2人か3人増やした方がいいと言われた。確かに、現在の3人だけでは近いうちに限界や破綻を生じかねない。
このアドバイスを受けて、僕はパーティー強化のため、新たなメンバー探しに乗り出すことにした。しかし、新しい仲間を探すのは簡単なことではない。良い仲間を見つけるためには、信頼できる人物かどうかを見極める目が必要だ。僕は慎重に候補者を選びつつ、ミンディーやメリッサとも相談しながら進めていくことを決意した。
「ところでベッカルさん、さっき色街にいたのを見かけましたけど、こんな時間に何をしていたんですか?」
一瞬、場が固まった・・・ベッカルさんは困った顔をして視線を泳がせたが、ルセリアさんが話を引き取った。
「実はね、今回の金策でゾーイがかなり強引なことをしていたので、謝罪に回っていたのよ。彼も反省してるみたいだけど、やり方がちょっとね・・・」
「そうだったんですか。それなら納得です。確かに凄かったですね」
その後、話題は自然と他の話に移り、食事は続いたが、しばらくして、ゾーイさんがふと尋ねた。
「ところで、お前らのパーティー名はなんだ?」
「ウエイプレスです。」
「ウエイプレス?それってどういう意味だ?」
「『ウエイトをレス【減らす】』を掛け合わせたんです。重荷を減らして、軽やかに進むという意味を込めています。」
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僕たちはその後も楽しい時間を過ごし、ゾーイさんも潰れたのもありお開きとなった。ミスティクさんたちは明日には別の町にあるダンジョンに向かう予定で、またどこかで会おうとなった。
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