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第19話 発見
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焚き火は消えているが、釜を作った跡はそのままになっている。
テントは潰れているが武器以外の荷物はそのままだった。
ほの様子からテントで寝ているところを襲われ、そのまま移動しながら戦ったと判断された。
兵士の1人に荷物を片付けさせ、馬車に運び入れるように指示をしていた。
血の跡があり、ワーウルフの素材が転がっているが晃司の姿はない。
荷物を運ぶ兵士には馬車の護衛を指示し、この場に2名を残して先遣隊の後を追った。
先遣隊と合流したが今の場所で痕跡が途絶え、今は新たな痕跡を探し始めるた。
「漸く痕跡を見付けました。ですが、これが落ちていたのです」
ラミィには見覚えのあるコンバットナイフの折れた刃と柄だ。
「予備武器も失ったようです。それとこれが気になります」
スパッと綺麗に切れたワーウルフの角を持っていた。
「どのようにすればワーウルフの角がこのように綺麗に切断出来るのか分かりませんが、我が国に伝わるかの宝剣でも無理でしょうな。ささ、こちらです」
程なくして捜索隊の第2陣約150名が到着し、一気に広域の捜索が可能となった。
結局捜索開始から2時間、捜索隊の第3陣たる約300名が加わった所で漸く晃司は発見された。
「見つかりました!」
発見を叫ぶ者がいて、何人かが確認しそのうちの1人が捜索隊の本陣に向かった。
また、打ち合わせ通りに狼煙を上げた。
そこは崖から少し下った斜面で、目的の人物が木に引っ掛かっていたのだ。
発見した者達が悩んでいた。
どうやって引き上げようかと。
ラミィとアモネスが到着し、上から見ると崖から落ちて斜面を転がっていて木に引っ掛かっているのが分かった。
崖の上は凄かった。
20体以上のワーウルフの角やら魔石が散乱しており、木に角が刺さっていたりした。
取り敢えず回復ポーションを持った兵士がロープで体をくくられ、降ろされていく。先ずは持ってきたロープで晃司の体を縛り、落ちないようにした。
そして体を確認すると、熱を出しているが血は出ていない。
傷はどうやら治っていると判断した。
服に穴が空いているが、そこから触っても傷がないからだ。どうやら気絶する前にポーションを使ったようだな?とその兵士は判断した。
それからすると、これは魔力切れだと理解した。
この者の正体や力を知らないので、客観的な判断だ。
「無事です!命に別状はありません。傷は塞がっています!熱があるので多分魔力切れで気絶していると思われます!ロープをもう1本と、誰かもう1人来れないか?」
そうして約3時間を掛けて、晃司は崖の上に何とか引き上げられた。
アモネス、エリーは晃司に外傷が無い事から魔力切れだと判断した。
アモネスの判断は兵士の判断と同じで、回復ポーションを使い傷を治したと。
ただ、ラミィは違う。
服の様子からかなり重症を負った筈だが、これだけの怪我を治すポーションは持っていない。
ただ、今はそれを言う時ではない。
そうして晃司は助け出され、兵士達は大量のワーウルフをどうやらこの者1人で倒したようだと分かり、騒然となった。
少なく共自分達には無理だと。
詮索をしては行けないが、この者は何者で、何故王女自ら捜索隊を指揮して現場まで来たのか、兵士達の間で暫くの間語り継がれる事になるのであった。
テントは潰れているが武器以外の荷物はそのままだった。
ほの様子からテントで寝ているところを襲われ、そのまま移動しながら戦ったと判断された。
兵士の1人に荷物を片付けさせ、馬車に運び入れるように指示をしていた。
血の跡があり、ワーウルフの素材が転がっているが晃司の姿はない。
荷物を運ぶ兵士には馬車の護衛を指示し、この場に2名を残して先遣隊の後を追った。
先遣隊と合流したが今の場所で痕跡が途絶え、今は新たな痕跡を探し始めるた。
「漸く痕跡を見付けました。ですが、これが落ちていたのです」
ラミィには見覚えのあるコンバットナイフの折れた刃と柄だ。
「予備武器も失ったようです。それとこれが気になります」
スパッと綺麗に切れたワーウルフの角を持っていた。
「どのようにすればワーウルフの角がこのように綺麗に切断出来るのか分かりませんが、我が国に伝わるかの宝剣でも無理でしょうな。ささ、こちらです」
程なくして捜索隊の第2陣約150名が到着し、一気に広域の捜索が可能となった。
結局捜索開始から2時間、捜索隊の第3陣たる約300名が加わった所で漸く晃司は発見された。
「見つかりました!」
発見を叫ぶ者がいて、何人かが確認しそのうちの1人が捜索隊の本陣に向かった。
また、打ち合わせ通りに狼煙を上げた。
そこは崖から少し下った斜面で、目的の人物が木に引っ掛かっていたのだ。
発見した者達が悩んでいた。
どうやって引き上げようかと。
ラミィとアモネスが到着し、上から見ると崖から落ちて斜面を転がっていて木に引っ掛かっているのが分かった。
崖の上は凄かった。
20体以上のワーウルフの角やら魔石が散乱しており、木に角が刺さっていたりした。
取り敢えず回復ポーションを持った兵士がロープで体をくくられ、降ろされていく。先ずは持ってきたロープで晃司の体を縛り、落ちないようにした。
そして体を確認すると、熱を出しているが血は出ていない。
傷はどうやら治っていると判断した。
服に穴が空いているが、そこから触っても傷がないからだ。どうやら気絶する前にポーションを使ったようだな?とその兵士は判断した。
それからすると、これは魔力切れだと理解した。
この者の正体や力を知らないので、客観的な判断だ。
「無事です!命に別状はありません。傷は塞がっています!熱があるので多分魔力切れで気絶していると思われます!ロープをもう1本と、誰かもう1人来れないか?」
そうして約3時間を掛けて、晃司は崖の上に何とか引き上げられた。
アモネス、エリーは晃司に外傷が無い事から魔力切れだと判断した。
アモネスの判断は兵士の判断と同じで、回復ポーションを使い傷を治したと。
ただ、ラミィは違う。
服の様子からかなり重症を負った筈だが、これだけの怪我を治すポーションは持っていない。
ただ、今はそれを言う時ではない。
そうして晃司は助け出され、兵士達は大量のワーウルフをどうやらこの者1人で倒したようだと分かり、騒然となった。
少なく共自分達には無理だと。
詮索をしては行けないが、この者は何者で、何故王女自ら捜索隊を指揮して現場まで来たのか、兵士達の間で暫くの間語り継がれる事になるのであった。
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