異世界で穴掘ってます！

第２章

ソニア

　部屋を出ると全員の視線がソニアに釘付けだ。
　ミーナがソニアに抱きつき

　ミーナ「か、かわいい！！！！なになにこの子何！」

　聡太「うんこの子ソニアって言うんだ仲良くしてやって欲しい」

　モナ「ま、まさか、そんなバカな！」

　モナが狼狽えている。

　エミリー「ひょっとしてあのソニアさん？」

　聡太「知っているのかい？」

　エミリー「この街の創始者の一人でダンジョンにて行方不明となり、街の７不思議に数えられているの」

　モナ「１０年前に亡くなったひい婆様のお姉様が自分達を救う為に命を捨ててダンジョンの生贄になったと聞いています。教えられた容姿そのものですよ」

　エミリー「確か剣聖マイルハイシスよね？」

　モナ「ええそうよ。本当だったんだ」

　ソニア「あ、あの、フォストニスはどうなったか知りませんか？」

　モナ「確かお姉さんの方よね。３０年生程前に亡くなっていて、何処かの国の貴族の妻になったと聞いています。確か高名な魔道士になったとか。晩年は賢者として尊敬されていたそうです」

　ソニアは涙を流している。ミーナに託し

　聡太「ざっくりいうとこのソニアはこのダンジョンを作る時の生け贄にされているんだ。俺がダンジョンマスターのギフトを取得して開放したんだよ。彼女には何かある。何もなくてわざわざダンジョンを作る生贄に選ばれれない筈だ。妹が剣聖に賢者っておそらくこの子も何か特筆する物が有るのだろう。俺達が伸ばしてあげてもバチが当たらないと思うんだ。ずっと一緒に仲間として来るにしろ、途中で分かれるにしろ生きる道筋位は立ててやりたいんだ。どうか同行するのを認めてやってくれ」

　ビグザ「勿論僕はいいが、その子の意思はどうなんだい？撲滅達と一緒って事はこれから危険に身を投じるという事だよ。どこかに預けた方が危険はないような気がするけども」

　ソニア「心配してくれて有難う。いいの。ソニアはお兄ちゃんに一生ついてくもん！お兄ちゃんが守ってくれるもん。お姉ちゃん達位になったら絶対にお嫁さんにして貰うんだもん。だからソニアはお兄ちゃんの役に立てるように頑張らなきゃいけないんだもん！」

　俺の脚にぎゅっとしがみついて離れない

　リーナ「へー私達の仲間かライバルになりたいんだ。お姉ちゃん達もこもトニーの婚約者なのよ。隣の国で安全を確保するか記憶が戻ったら結婚してくれるんだよ。宜しくねソニアちゃん」

　ソニア「お兄ちゃんは記憶を失くしているの！？」

　サーヤ「ええそうなのよ。記憶を失くす前はラブラブだったのに悲しいの」

　ソニア「お姉ちゃん泣かないで！ソニアが治してあげるから！そしたら仲間にしてくれる？お兄ちゃんのお嫁さん！私もお兄ちゃんのお嫁さんにして貰えるかな？」

　サーヤ「勿論よ。その気持ちだけで大丈夫よ。お姉ちゃん達と一緒に行こうね。勿論トニーのお嫁さんにして貰えるわよ」

　ソニア「良かった。じゃあ治すね。お兄ちゃん頭をソニアの顔の前に。それと治ったら将来お嫁さんにするって約束してね」

　皆面白がってほっこり見ている。誰も信じていなく、この子が何をするのか面白がっているのだ。勿論俺も信じていなくて茶番に付き合っているだけだった。筈だった。

　聡太「分かったよ。俺の奥さんにしてあげるよ。えっとこんな感じでいいのか？」

　ソニア「やったあ！優しい優しい覇者の勇者様のお嫁さんになれるんだ！うん。それでいいいよ。じゃあ行くねー。少し頭痛いと思うけど、男の子だから泣かずに我慢してね。おでこを当てたらスタートだよ。３，２，１，我が母マーリンセレーシャルクスの名において娘たるソニアブリソシエルが癒やしの力を求める。わが将来の伴侶の失われし記憶を蘇らさん事を求む！リビルドメモリー」

　俺の頭にちょっとどころか悶絶級の激痛が走る。ふと思ったのがこの子何者だ！？俺は一言も覇者の勇者って言ってないぞ！それに雰囲気ががらっと変わり物凄いオーラが出ている。そこには幼女ではなくこの子が大きくなったらこんなふうに成長するんだろうなというナイスバディの絶世の美女のホログラムみたいなのが浮かんでいた。

　１分位経過しただろうか、俺は床に手を付きゼイゼイと喘いでいる。ソニアが頭を抱き寄せて撫でている。

　ソニア「終わったよー！暫く頭が痛いと思うけど３０分もしたら大丈夫だよ。流石にお兄ちゃんは違うなあ！呻き声一つ出さないんだもん。流石ソニアの旦那様だわ」

　皆が口をポカーンと開て驚いている。俺はなんと記憶を取り戻したのだ。

　思わずソニアを抱きしめ両脇に手を差し込み、そもまま掲げてくるくる回り

　聡太「凄いよソニア！記憶が戻ったよ！俺の日本の事や美菜達の事も！ありがとうありがとう！」

　俺は更にはしゃいでソニアを上に放り投げてキャッチし頬ずりをして涙を流した。
　ソニアはキャーキャーと喜んでいる

　そして美菜、律子、沙友理、みっちゃんに記憶が戻ったと、隣国に着いて安全を確保したらちゃんと結婚をしようと改めて伝えた。リリア、エミリー、モナに記憶が戻った旨と変わらず愛していると伝えた。

　ユキリン「あのねトニー、そろそろこれからどうするか決めないと不味いわよ」

　聡太「悪い悪い。そうだな。ざっくりだが取り敢えずこのダンジョンは俺の物となり、コアは俺の収納に入れておく。ギルドマスターにのみ俺がダンジョンの所有者となった事を報告し、その上で隠蔽して貰うよ。それと今日はダンジョンの外で野営をして貰い、明日朝出発するよ。俺は報告と馬の購入かな」

　そうして話し合った後何食わぬ顔をして時間差でダンジョンを出て、道から少し入った所で野営の準備をしソニアを託した。ステータスカードが出たので預かっていく。今ソニアが街に入ると混乱必須だからだ。
　そしてジゴロの４人は何事もないかのように街に戻っていった。