異世界で穴掘ってます!

KeyBow

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第1章

説明と国王

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 隣の部屋は会議室?の様だった。
 テーブルと椅子が並べられており、着席を促している。
 俺の隣には美菜がいる。腕を組んで離さない。思いっきりしがみついてくるものだから、胸の感触が伝わって来る。シャンプーやリンスの香りだろうか?匂いに少しドッキリする。いつの間にか女になっていたんだなと今頃気がついたんだ。いつも一緒で子供の時から一緒だから今まで女として殆ど意識しなかった。胸の感触もドキドキしっぱなしだ。
 改めてちゃんと見ると、とても綺麗な女性だ。俺には勿体無いけど愛していると気がついた。

 ただ、胸の感触と共に鼓動が物凄く早く、震えているのが分かり、美菜を見るとが
 困った顔をしているので

聡太「美菜どうした?気分でも悪いのか?」

美菜「あのね、そのね、おトイレに行きたくなったの」

聡太「そうだよなこんな状況じゃトイレにも行きたくなるよな。女に恥をかかすつもりは無いから、俺が聞いてやるよ。すいませーん!お手洗いに行きたいのですが!」

 美菜がごめんと片手で謝っている。

 周りから俺も俺もとか私も行くーの声が上がり、神官の案内で行きたい者は行く事になり、美菜と一緒にトイレに行く。男女別れていたので入り口で待つようにした。

 俺はお腹周りに違和感があったのでトイレでお腹を確認したら何故か生徒手帳がお腹の所にあった。違和感の正体はこれだ。
 そしてお腹に書かれた文字を見て心で絶句した。

 ∞収納   秘密
 アースホール  

 SPボーナス
 魔法全ok  
 生活魔法 
    レベルup+P
 気が付け俺

 俺自身の手で書かれたと思う書体だ。
 覚えがないが、己自身に何かがあり、記憶を保てないのでメッセージを残したっぽい。おそらく時間がなかったのだろう。単語ばかりだ。
 考察するに穴を掘る摩法を持っていて、無限収納を持っているが秘密にしろと。他には全魔法が使えるのか、適正があるのか?いや後者だろうな!アースホールと魔法名があるから現時点ではこれしか使えないのだろう。他は覚えないといけないが、覚えれば火だろうが水だろうが行けるのだろう。そういう事だろう。理由は分からないがこうまでして伝えたという事はその時の俺の判断がそうしたのだから、過去の俺に従おう。
 何に気がつく必要があるのか?考えろ俺。取り敢えずスマホを持って「入れ」と無限収納に入れる事をイメージし心で発した。すると目の前にディスプレイのようなのが出てきて

「おめでとうございます。無限収納URを発現できました」
 と出た。そして頭に使い方がインプットされた感じで、スマホは無限収納に、入っていった。そして「出せ」と念ずると出てきた。大事な物を取り敢えず無限収納改め収納に入れておいた。

 取り合えすトイレを出ると泣きそうな美菜がいた。俺が遅かったからだろう!

 俺は美菜の耳元で囁いた

聡太「すまんちょっと能力を確認していたんだ。その能力につて後で話すよ。一応言っておくけどこの状況だから、他の奴を見捨てたり敵に回してでもお前の事は俺が守るからな。俺について来い。それと用心しろ。どうも胡散臭い」

 美菜は聡太の言葉に複雑な想いで頷いて手を握って会議室に戻った。
 普段は美菜の方が姉御肌で俺が金魚のフンみたいに従っているのだが、今は恐らく俺の方が情報が多いのだろう。

 全員が揃うと改めてそして神官が話し始めた。

神官「勇者様!突然の召喚行いました事をお詫び申し上げます」

 と説明が始まった。内容はざっとこんな感じの話だ。
 この世界に異常事態が発生していて、異世界からの変異に侵攻されつつある。この世界の力だけでは対処しきれず、封印されていた召喚術で異世界の者を勇者として召喚した。
 勇者は召喚時に複数のギフトやスキル、摩法等を持っていて、この世界の誰よりも強力な能力を持っている。異世界からの変異に対処出来るのは異世界人のみ。
 この世界には魔物がいる。魔物は基本的に魔石を体内に持っていて、動物と魔物の違いは魔石の有無。魔物の説明は後日行う。

 召喚時の目的が完遂すると返送の儀式を執り行う事ができて、我々をを元の世界に送り返す事ができるという。勿論謝礼を付けて。
 まあ胡散臭いなと俺は思った。

 今日はこれからまず王との対面。『流石に謁見とは言わなかったな』
 全員の能力調査、屋外の訓練場にて魔法の試し撃ちと適性検査。
 ソウルカードの作成(名前、職業、レベル、犯罪者の有無が記載され、魔力で体内から出し入れする)
 食後各自の部屋へ案内

 翌日の2日目冒険者ギルド職員によるギルドの説明及び加入手続き、初心者講習の座学編、防具、武器の配布
 3日目は冒険者ギルドの初心者講習戦闘編と講師との模擬戦
 4日目は訓練場での戦闘訓練と魔法訓練、各自のギフトの研鑽
 5日目に近隣の魔物出没エリアへ魔物の駆除の実践訓練。但し騎士を護衛兼指導者として各自に1名同行させる
 6日目以降は各自で冒険者パーティーを組んで冒険者として1年位過ごして貰い、実力を付けて異変に挑む

 冒険者に登録をするのはこの世界にはレベルというのが有り、レベルの恩恵を受けるのに必要だからだ。レベルが上がれば身体能力が少し上がる恩恵を受けられる。レベルを大きく上げる事により大幅な戦闘力の向上が可能。レベルが一つ上がる事により基本となる本来の身体能力に対して1~2%程の能力向上が得られると言われている。等の説明だ。

 そして一通り説明が終わると謁見の間に移動し、間もなく王が現れた。
 一礼し話を始めた。
 恰幅の良い50歳代位の白髪混じりの金髪のいかつい感じのおっさんだ。服はやたらと豪華だな。

王「勇者達よよくぞ参られた!礼を言う。この世界に起こりし異変より我らを助けてほしい。」

 等といかにも胡散臭いファンタジー物の小説で出てくる内容の話をしている。俺は正直どうでも良かった。美菜の事だけが気になっている。今はこの世界の事なんてどうでも良い。美菜さえいてくれればと今は思っていた。そう、この時は。

 王が説明を終えると学級委員が文句を言い出した。俺は思う『やめておけ。今は向こうの方が力も権力も上だぞ。お前殺されるぞ!』
 メガネを掛けたインテリ野郎だ。IQが高いがこいつバカだな!名前なんて言ったかな?男は仲間以外覚えてないんだよな。まだ4月だし。ああ思い出した!高山だ。

 そう、召喚に対して謝罪しろだの今すぐ元の世界に返せだのテンプレって感じで文句を言い出したのだが、騎士の一人が剣を抜き斬りかかろうとすらした。王が手を上げ止めたが、首筋にピタリと止まった剣を見てぺたんと座り込み失禁をしていた。
 俺は思う『委員長さようなら。明日の朝日を迎えられる事を祈っているよ』と
 理不尽だとは思うが、質問するならば建設的な事を聞かないといけないと強く感じていた。

 王が退出し、先程の部屋に戻ると検査の準備が出来ていたのであった。
 ここはクラーク王国の王城で、クラークの街だ。王城のある街は国の名前の街になる。
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